外食の特定技能、まだ採れます|交付停止中に動いている転職ルートと申請実務

外食の特定技能、まだ採れます|交付停止中に動いている転職ルートと申請実務
2026年8月10日 審査状況更新

外食の特定技能、まだ採れます|交付停止中に動いている転職ルートと申請実務

「外食の特定技能は止まったから、もう採用できない」——半分は正しく、半分は違います。海外から新しく呼び寄せるルートは、たしかに閉じています。しかしすべてが止まったわけではありません。入管庁が公表している審査状況では、外食業分野内での転職に伴う変更申請は全ての申請が通常どおり審査されており、在留期間の更新も通常どおりです。本記事では、2026年8月10日掲載の最新の審査状況をもとに、いま何が動いていて何が止まっているのかを整理し、飲食店に残された採用ルートを解説します。

読了 約9分 2026年8月11日更新 行政書士 鹿間英樹
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現在の状況 入管庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年8月10日掲載)時点の内容に基づいています。この審査状況は随時更新され、受付日の基準は月ごとに動いています。申請前に必ず最新の公表内容をご確認ください。
この記事の結論

止まっているのは「これから新しく外食の特定技能にする」ルートです。すでに日本で外食業の特定技能1号として働いている人を自社に迎える——この分野内転職は、入管庁の審査状況で「全ての申請」が通常どおり審査とされています。更新も通常どおりです。

さらに、外食業特定技能1号評価試験そのものが当面の間、国内外ともに実施されていません。「試験に合格させてから採用する」という道も、いまは開いていません。

つまりいま外食で人を増やせるのは、他社で働いている外食の特定技能人材を採る道です。母数は限られますが、ゼロではありません。そして他店に人が動く側にもなり得る——引き止めの話でもあります。

いま何が動いていて、何が止まっているのか

まず、ご自身の状況がどこに当てはまるかを確認してください。ここを取り違えると、準備がすべて無駄になります。

やりたいこと入管庁の審査状況(2026年8月10日掲載)
海外から新しく呼ぶ
(在留資格認定証明書交付申請)
令和8年4月13日以降に受理した申請は不交付。それ以前の分は変更申請を優先しつつ受付日順に順次交付中で、現在は受付日が令和8年1月5日までの申請
他社の外食業 特定技能1号を採る
(分野内での転職)
全ての申請が通常どおり審査
いまいる人の在留期間を延ばす
(在留期間更新許可申請)
通常どおり順次審査
技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)から移行受付日が令和8年7月31日までの申請が通常どおり審査
外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)から移行受付日が令和8年7月31日までの申請が通常どおり審査
留学など、上記以外から変更受付日が令和8年4月12日までの申請が対象。令和8年4月13日以降に受理した申請は原則不許可

受付日の基準は動いています

技能実習および特定活動からの変更申請は、2026年7月17日掲載時点では「令和8年6月30日まで」でしたが、8月10日掲載時点では「令和8年7月31日まで」に前進しています。

止まったまま固定されているわけではありません。枠は毎月動いています。だからこそ、審査状況の確認は一度きりではなく、継続的に行う必要があります。

「留学生を卒業と同時に外食の特定技能へ」は、いま止まっています

アルバイトで育てた留学生を、卒業後に正社員として——という王道ルートが、現在は使えません。令和8年4月13日以降に受理された「その他の在留資格からの変更申請」は原則不許可とされています。

そもそも試験が受けられません。農林水産省の案内によれば、受入れ停止措置に伴い外食業特定技能1号評価試験は当面の間、国内外ともに実施しないとされています。「まず試験に受かってもらってから」という前提が、いまは成立しません。

なぜ止まったのか

外食業分野の特定技能1号の在留者数が、受入れ見込数の上限である5万人に達する見込みとなったためです。農林水産大臣から法務大臣への要請を受け、入管法第7条の2第4項に基づき、令和8年4月13日以降に受理した在留資格認定証明書交付申請は不交付とされています。

これは外食だけの話ではありません

特定技能では、分野ごとに受入れ見込数が定められています。入管法では在留者数が受入れ見込数を超える見込みとなった場合に交付を一時停止する措置を講じることとされており、外食はその仕組みが実際に発動した最初の分野です。

言い換えれば、他の分野でも同じことが起こり得ます。特定技能1号だけに依存した採用設計のリスクが、外食で表面化したということです。

いま動いている「転職」ルート

入管庁の審査状況では、特定技能1号(外食業分野)からの変更申請(外食業分野内での転職)は「全ての申請」が通常どおり審査されるとされています。受付日の限定もありません。

ここが、いま外食で人を増やせる唯一の現実的な道です。

1

すでに要件を満たした人材です

外食業の特定技能1号として在留している以上、外食業特定技能1号評価試験と日本語試験にすでに合格しています。試験が当面実施されないいま、この点はより重い意味を持ちます。日本での就労経験もあり、教育コストも低くなります。

2

手続きは「変更許可申請」です

転職は在留資格変更許可申請になります。更新ではありません。ここを間違えて期限まで放置すると、在留に問題が生じます。転職先が決まったら、速やかに申請してください。

3

受入れ側の準備は先にできます

協議会への加入、営業許可証、支援体制。協議会の証明書は提出必須の書類で、加入審査には2〜3か月を要するとされています。受入れの予定が立った段階で、申請と並行して進める必要があります。

逆から見れば、自社の人材も動きます

分野内転職が全件通常審査ということは、他社が自社の人材を採りに来るということでもあります。海外から呼べず、試験も止まっている以上、飲食業界は既存の人材を取り合う局面に入っています。

いまいる特定技能人材の処遇を見直すのは、採用活動そのものです。採るより、辞めさせないほうが安く済みます。

審査の順番が来る前に、在留期限が来てしまう場合

受付日順に処理される以上、順番が回ってくる前に在留期限が来てしまうケースが出てきます。入管庁はこの点について、8月10日掲載の審査状況の留意事項で具体的な取扱いを示しています。

特定活動(特定技能1号準備)への退避が案内される場合があります

順番が到来するより前に在留期間を満了することが見込まれる申請については、不法残留になることを防ぐため、特定活動(特定技能1号準備)(外食業分野)への在留資格変更許可申請、または同在留資格の在留期間更新許可申請への申請内容変更申出を行うよう案内する場合があるとされています。この更新は1回限りです。

そして、当該特定活動を許可された方が在留期間満了後も引き続き同様の活動を希望する場合は、在留期間が満了する前(おおむね3か月前)に、特定技能1号(外食業分野)への在留資格変更許可申請を行うこととされています。

このときの提出書類は、申請書と写真のみで差し支えないとされています。書類一式を作り直す必要はありません。

技能実習からの移行は、2か月以上前に申請してください

入管庁は、技能実習生は実習計画が修了した後は稼働することができないとしたうえで、技能実習からの変更を希望する場合は就労開始予定日の2か月以上前に在留資格変更許可申請を行うよう求めています。

実習修了と特定技能の許可の間に空白ができると、その期間は働かせられません。実習の修了日から逆算してください。

停止中でも、補正は来ます

留意事項では、交付・許可が停止中であっても提出書類の修正または追加の提出を求める場合があるとされています。「止まっているから連絡は来ないだろう」と放置していると、対応が遅れて順番を落とします。

また、受付日順が原則ですが、申請内容や提出書類の状況により順番が前後する場合があるともされています。書類の精度は、待ち時間そのものに影響します。

「うちはどのルートなら動けますか」

いまの状況で申請できるか、できないか。できるなら何が必要か。
まず、そこだけでもはっきりさせてください。

必要書類と協議会

提出書類は、第1表(申請人)・第2表(所属機関)・第3表(分野)を組み合わせる構成です。一覧は随時改定されるため、申請前に入管庁の最新版をご確認ください。全体像は特定技能の必要書類チェックリストで整理しています。

外食業に固有のものとしては、分野参考様式第14-1号の誓約書と、協議会の構成員であることの証明書が必須です。支援計画の実施の全部を登録支援機関に委託する場合は、登録支援機関側の誓約書と協議会証明書も必要になります。

介護と違い、登録支援機関も協議会の構成員になります

食品産業特定技能協議会は外食業分野と飲食料品製造業分野が共同で設置しており、登録支援機関もこの2分野の受入れ機関を支援する場合は構成員になることが求められます。一方、介護分野の協議会は登録支援機関を入会の対象としていません。複数分野で受け入れている事業者は、この違いに注意してください。

協議会の加入審査には2〜3か月かかります

農林水産省は、協議会の加入審査には2〜3か月を要するため計画的に申請するよう案内しています。入会は、初めて特定技能外国人を受け入れる予定があり、これから在留諸申請を行う計画がある場合に行うものとされています。

分野内転職での受入れを検討している場合、この2〜3か月は在留資格変更許可申請の前段に積み上がります。採用のスケジュールを立てる際は、この期間を織り込んでください。なお、2人目以降の受入れで改めて加入する必要はなく、入会金や年会費等の費用も当面の間は徴収されないとされています。

停止中の今、やっておくべきこと

1

いまいる人材を守る

分野内転職が全件通常審査ということは、自社の人材も動けるということです。海外から補充できず、試験も止まっている以上、離職は直接ダメージになります。処遇の見直しは、いま最も費用対効果の高い採用施策です。

2

更新を落とさない

更新は通常どおり審査されています。逆に言えば、更新を落としたら補充できません。届出漏れや税・社会保険の未納は、更新の審査でマイナスに働きます。今のうちに確認してください。

3

社内体制を整える

支援体制、雇用条件書、届出の管理。これらは受入れの時期にかかわらず必要になるもので、いま整えておけば転職での受入れが決まったときに動きが速くなります。

4

審査状況を毎月確認する

入管庁の審査状況は随時更新されます。技能実習・特定活動からの変更の基準日は、7月17日掲載時点の令和8年6月30日から、8月10日掲載時点では令和8年7月31日に前進しました。枠は動いています。

他の分野という選択肢もあります

調理や食品の製造が中心の業務であれば、飲食料品製造業分野が該当する可能性があります。給食センターのような集中調理施設は、原則として飲食料品製造業です。

「外食で止まっているから諦める」の前に、業務の実態がどの分野なのかを確認する価値があります。外食業と飲食料品製造業の切り分けは、接客の有無が一つの目安になります。協議会は共通ですので、加入の手間が二重になることもありません。

よくある質問

在留資格認定証明書は完全に止まっているのですか?
令和8年4月13日以降に受理された申請は不交付です。ただし、それより前に受理された申請については処理が続いています。入管庁は在留資格変更許可申請を優先して処理しており、毎月の在留者数を踏まえて交付が可能な場合に受付日順で順次交付しているとしています。2026年8月10日掲載の審査状況では、受付日が令和8年1月5日までの申請が交付対象となっています。
留学生を外食業の特定技能に切り替えられますか?
2026年8月10日掲載の審査状況によれば、外食業分野内での転職、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)からの変更、外食業分野に係る特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更以外の在留資格からの変更申請は、受付日が令和8年4月12日までの申請が対象とされ、令和8年4月13日以降に受理した申請については原則不許可とされています。あわせて、外食業特定技能1号評価試験も当面の間、国内外ともに実施されていません。
外食業特定技能1号評価試験は受けられますか?
農林水産省の案内によれば、受入れ停止措置に伴い、外食業特定技能1号評価試験は当面の間、国内外ともに実施されないとされています。試験に合格してから採用を検討するというルートは、現時点では機能しません。
審査の順番が来る前に在留期限が来てしまう場合はどうなりますか?
入管庁は、順番が到来するより前に在留期間を満了することが見込まれる申請について、不法残留を防ぐため、特定活動(特定技能1号準備)(外食業分野)への在留資格変更許可申請、または同在留資格の在留期間更新許可申請への申請内容変更申出を行うよう案内する場合があるとしています。この更新は1回限りです。その後、在留期間満了のおおむね3か月前に特定技能1号への変更申請を行うこととされ、その際の提出書類は申請書と写真のみで差し支えないとされています。
技能実習からの移行は、いつ申請すればよいですか?
入管庁は、技能実習生は実習計画が修了した後は稼働できないとしたうえで、技能実習からの変更を希望する場合は就労開始予定日の2か月以上前に在留資格変更許可申請を行うよう求めています。実習の修了日から逆算して準備してください。
特定技能2号も停止していますか?
入管庁が公表している審査状況は「特定技能1号(外食業分野)」についてのものです。特定技能2号の取扱いはこの公表内容に含まれていません。なお、2号については2026年8月20日から新たに業務内容に関する誓約書の提出が必要になりますので、あわせてご確認ください。

料金・サポート内容

特定技能 変更(転職含む)

50,000円

(税別/1名)

特定技能 更新

30,000円

(税別/1名)

※必要書類一式の作成は申請料金に含まれています。着手金0円・申請時点でのお支払いです。在留カード発行手数料等の実費は別途です。書類の状況等で工数が大きく増える場合は、着手前にお見積りをご提示します。

外食業で対応している業務

分野内転職に伴う在留資格変更許可申請/在留期間更新許可申請/必要書類一式の作成/食品産業特定技能協議会の加入サポート/支援計画書の作成/各種届出の作成・提出代行/特定活動(特定技能1号準備)への対応/業務の実態が飲食料品製造業に該当する場合の切り分けと申請

まとめ

この記事のまとめ

  • 分野内転職は全件通常審査——いま外食で人を増やせる唯一の現実的なルート
  • 更新も通常どおり——ただし落としたら補充できない
  • COEは完全停止ではない——4月13日以降の受理分は不交付だが、それ以前の分は受付日順に交付中(8月10日時点で令和8年1月5日まで)
  • 1号評価試験が当面実施されない——「試験に合格させてから採用」という道はいま開いていない
  • 受付日の基準は動く——技能実習・特定活動からの変更は7月17日版の令和8年6月30日から、8月10日版で令和8年7月31日に前進
  • 期限が先に来る場合は特定活動へ——退避後の特定技能1号への変更は、申請書と写真のみで足りる
  • 技能実習からの移行は2か月以上前に——実習修了後は稼働できない
  • 協議会の加入審査は2〜3か月——変更申請の前段に積み上がるため、スケジュールに織り込む

止まっているのか、動けるのか。まずそこから

分野内転職での受入れ、更新、期限が迫る場合の対応、業務実態の分野判定。
いまの状況で打てる手を整理してご案内します。準備だけのご相談も歓迎です。

初回相談無料 着手金0円 全国オンライン対応

参考にした一次情報

出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年8月10日掲載)
出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(令和8年3月27日)
農林水産省「外食業分野における外国人材の受入れについて」および「外食業分野における1号特定技能外国人の受入れ停止措置について」
農林水産省「食品産業特定技能協議会」の案内
出入国在留管理庁「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」

この記事の情報について

本記事は2026年8月11日時点の情報に基づいています。審査状況は出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」(2026年8月10日掲載)を、必要書類は「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」を参照しています。いずれも随時更新・改定されるため、本記事の内容は更新時点のものです。受付日の基準は月ごとに動いていますので、申請前に必ず最新の公表内容をご確認ください。なお、交付・許可状況については、出入国在留管理庁・地方出入国在留管理官署および農林水産省に問い合わせても回答されない旨が公表されています。個別の案件については専門家にご相談ください。

執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所/東京都行政書士会新宿支部・登録番号 第24080583号)

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