特定技能1号の転職手続き|条件・必要書類・在留資格変更許可申請の流れ

特定技能1号の転職手続き|条件・必要書類・在留資格変更許可申請の流れ | 特定技能ビザ専門|行政書士しかま事務所
特定技能1号の転職手続き

特定技能1号の転職手続き|条件・必要書類・在留資格変更許可申請の流れ

特定技能1号の外国人を中途採用するには、同じ分野・同じ業務区分であっても在留資格変更許可申請が必要です。この記事では、転職できる条件から受入れ企業が用意する必要書類、申請の流れ、空白期間を作らない申請タイミングまで、実務の順序どおりに整理しました。必要書類はタップで消せるチェックリストにしています。

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この記事の情報源|出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」および特定技能制度の運用改善に関する公表資料に基づいています。制度は改正が続いている分野のため、実際の申請では申請時点の最新の様式・一覧をご確認ください。

この記事のポイント

特定技能1号の転職は、同じ分野内でも在留資格変更許可申請が必要です。特定技能は指定書で就労先の機関が指定されているため、勤務先が変わる時点で在留資格の変更にあたります。

許可が出るまで転職先で働かせることはできません。新しい在留カードを受け取った日から就労開始です。許可前に就労させると不法就労助長罪に問われるおそれがあります。

前の会社に在職したまま申請できます。在職中に転職先と雇用契約を締結して変更申請を行い、許可後に退職すれば、収入が途切れる空白期間を最小限にできます。

特定技能1号で転職できる条件

転職の可否は、申請人(外国人本人)側の条件と、受入れ企業側の条件の両方で決まります。どちらか一方が欠けていると申請そのものが成り立たないため、雇用契約を結ぶ前に確認してください。

申請人側の条件

項目内容
分野・業務区分転職先の業務が、本人が合格した試験の分野・業務区分に対応していること。同じ分野・同じ業務区分内であれば、新たな試験合格は不要です。
異分野への転職転職先の分野の技能試験に合格していることが条件です。日本語試験は1号の取得時に満たしているため、改めての受験は不要です。
通算在留期間特定技能1号の通算在留期間は5年が上限で、前の会社での期間も算入されます。残り期間を確認して雇用契約の期間を設定します。
公的義務の履行住民税・国民健康保険・国民年金などの納付状況が確認されます。滞納がある場合は、申請前の解消と説明が必要です。

異なる分野へ転職する場合は試験の確認が先です

たとえば飲食料品製造業から外食業へ転職する場合、外食業の技能測定試験の合格が必要です。試験は実施回数が限られる分野もあるため、雇用契約の締結や退職の時期を決める前に、受験可能な直近の試験日程まで確認しておくのが安全です。

受入れ企業側の条件

項目内容
対象分野への該当自社の業務が特定技能の対象分野・業務区分に該当していること。
受入れ機関の基準労働関係法令の遵守、社会保険・税の適正な納付、入管法令違反等の欠格事由がないこと。
報酬の同等性同等の業務に従事する日本人と同等額以上の報酬であること。比較対象となる日本人がいない場合は、賃金規程等に基づく説明が必要です。
協議会への加入分野ごとの協議会の構成員であることの証明書が必要です。初めて受け入れる企業は申請前の加入手続きが前提になります。
支援体制の整備1号特定技能外国人支援計画を策定し、支援を実施できる体制を整えること。自社で支援するか、登録支援機関に全部委託するかを選択します。
地域との共生施策への協力2025年4月の省令改正により、事業所の所在地および外国人の住居地が属する市区町村への協力確認書の提出が求められます。

協議会加入は申請前に済ませておく

協議会への加入は申請書類の一部であるため、加入手続きが完了していないと申請を進められません。加入には一定の期間を要するので、転職者の受入れを決めた時点で着手してください。自社支援と登録支援機関への委託のどちらを選ぶかも、この段階で決めておく必要があります。

転職受入れの手続きの全体像

特定技能1号の外国人が別の会社に移る場合、同じ分野・同じ業務区分であっても在留資格変更許可申請が必要です。特定技能は指定書によって就労先の機関が指定されているため、勤務先が変わることが在留資格の内容の変更にあたります。在留期間更新許可申請では対応できません。

許可前に就労させると不法就労助長罪に問われるおそれがあります

在留資格変更が許可される前に転職先で就労させた場合、企業側が不法就労助長罪に問われるおそれがあります。入管法上、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科が定められています。必ず新しい在留カードを受け取ってから就労を開始してください。

前の会社側には退職に伴う届出義務があります

転職者を受け入れる企業は変更許可申請を行うため、雇用契約の締結について別途の随時届出は原則不要です。一方、転職元の企業には、雇用契約が終了した日から14日以内の届出義務があります(登録支援機関に支援を全部委託していた場合は、支援委託契約の終了に関する届出も対象になります)。前の会社の届出が漏れていると転職先の審査で事実関係の確認が入ることがあるため、退職時期の調整とあわせて本人に案内しておくと安全です。届出の様式と要否は改正が入っている部分のため、申請時点の最新の様式一覧でご確認ください。

在留資格変更許可申請の必要書類

転職に伴う変更申請の書類量は、1号の新規受入れとほぼ同等です。書類は行政書士が作成するもの・申請人本人が用意するもの・受入れ企業が用意するもの・分野ごとのものに分かれます。下のリストはタップで消せます(保存はされません)。必須は原則すべての申請で必要なもの、場合によりは条件に当てはまるときに必要なものです。

行政書士が作成する書類
タップするとチェックが付き、取り消し線が入ります。
  • 在留資格変更許可申請書(特定技能用の様式)必須2025年4月の省令改正で様式が変更されています。申請時点の最新様式を使用
  • 特定技能雇用契約書の写し(参考様式第1-5号)必須申請人の署名と、本人が理解できる言語での記載が必要
  • 雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)必須報酬額・労働時間・業務内容等を記載。本人が理解できる言語での記載と署名が必要
  • 賃金の支払(参考様式第1-6号別紙)必須
  • 1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)必須事前ガイダンスから定期面談までの支援内容を記載。地域の共生施策を踏まえた内容とすること
  • 特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)場合により同一年度内に既に受け入れている等の場合は省略可
  • 雇用の経緯に係る説明書(参考様式第1-16号)場合により同一年度内に既に受け入れている等の場合は省略可
  • 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(参考様式第1-25号)場合により支援計画の実施の全部を登録支援機関に委託する場合
申請人本人が用意する書類
  • 写真(縦4cm×横3cm)必須
  • パスポート・在留カード必須申請時に提示
  • 技能試験の合格証明書必須技能実習2号を良好に修了して1号を取得した場合は、修了を証する書類(評価調書等)が代わりになります
  • 日本語試験の合格証明書必須日本語能力試験N4以上またはJFT-Basic。技能実習2号の良好修了により取得した場合は、修了を証する書類が代わりになります
  • 健康診断個人票(参考様式第1-3号)必須外国語で作成されている場合は日本語訳も必要
  • 受診者の申告書(参考様式第1-3号別紙)必須
  • 個人住民税の納税証明書・課税証明書場合により全ての納期が経過している直近1年度分。過去1年以内の申請で提出済み等の場合は省略可
  • 給与所得の源泉徴収票の写し場合により課税証明書と同一年のもの
  • 国民健康保険・国民年金の納付状況に関する書類場合により申請時点で被保険者である場合。番号はマスキングして提出
受入れ企業が用意する書類(初めて受け入れる場合)
  • 特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11号)必須
  • 登記事項証明書必須
  • 業務執行に関与する役員の住民票の写し必須マイナンバーの記載がなく、本籍地の記載があるもの
  • 労働保険料等納付証明書必須
  • 社会保険料納入状況回答票必須または24か月分の健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
  • 納税証明書(その3)必須源泉所得税・法人税・消費税
  • 直近1年度分の法人住民税の納税証明書必須
  • 分野ごとの協議会の構成員であることの証明書必須
  • 分野別の許可証・登録証の写し場合により飲食店営業許可証、建設業許可証など分野により異なる
  • 協力確認書必須事業所の所在地および外国人の住居地が属する市区町村へ提出したもの

同一年度内に既に受け入れている企業は書類が大きく減ります

所属機関に関する書類(第2表)は、同一年度内に特定技能外国人を既に受け入れている機関では提出不要です。また提出の要否が△の書類は、過去の在留諸申請で提出済み(内容に変更がなく有効期限内)であれば省略できます。書類の組み合わせと省略の判断は、特定技能の必要書類チェックリスト|認定・変更・更新+国籍別の追加書類で第1表・第2表・第3表の構造から整理しています。

分野ごとに追加書類があります

上記は共通部分です。建設分野は国土交通省による建設特定技能受入計画の認定と建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が別に必要で、介護分野は介護日本語評価試験の合格証明が加わります。必要書類は分野・業務区分によって変わるため、着手前に確認してください。

申請の流れ(5ステップ)

転職に伴う在留資格変更許可申請は、次の順序で進みます。書類の取得に日数がかかるものが含まれるため、退職日と入社日を先に固めてしまわないことが重要です。

  1. 特定技能雇用契約の締結

    転職先と本人が特定技能雇用契約を締結します。日本人と同等額以上の報酬、フルタイム勤務が基本です。雇用条件書は本人が理解できる言語での記載と署名が必要です。前の会社に在職中でも契約の締結と変更申請は可能なので、就労開始日は許可時期を見込んで設定してください。

  2. 支援計画の策定と支援体制の決定

    1号特定技能外国人支援計画を策定します。自社で支援体制を整えるか、登録支援機関に全部委託するかをここで決めます。2025年4月の省令改正により、地域の共生施策を踏まえた支援計画とすることが求められます。

  3. 書類の準備・作成

    企業の登記事項証明書・各種納税証明書の取得、申請人本人の課税証明書等の取得、申請書・雇用条件書・支援計画書の作成を並行して進めます。初めての受入れであれば、協議会への加入と協力確認書の提出もこの段階で行います。

    目安:2週間〜1か月
  4. 地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請

    管轄の地方出入国在留管理局へ提出します。窓口持参のほか、行政書士による申請取次、オンライン申請が可能です。当事務所は電子申請で全国対応しています。

  5. 許可・新しい在留カードの受領、就労開始

    許可後、新しい在留カードを受け取ります。受領した日から転職先での就労を開始できます。前の会社に在職中の場合は、許可を確認してから退職手続きに進みます。

    審査期間の目安:1〜3か月

審査期間と空白期間の対処法

書類準備に2週間〜1か月、審査に1〜3か月。合計で1か月半から4か月程度を見込む必要があります。書類の不備や追加資料の提出があると、さらに長引きます。

在職中に申請して空白期間を作らない

特定技能1号の転職では、前の会社を退職してから申請する必要はありません。在職を続けながら転職先と雇用契約を締結し、変更申請を行うことができます。許可が出てから退職して転職先で就労を開始すれば、収入が途切れる期間を最小限にできます。実務上もこの進め方が一般的です。

退職後は許可まで就労できません

すでに前の会社を退職している場合、審査中に転職先で就労することは認められていません。退職から許可までの期間は原則として無収入になり、本人にも企業にも負担が生じます。可能な限り在職中に申請し、許可後に退職する形をとってください。

在留期限が迫っている場合の選択肢

在留期限までに特定技能の変更申請に必要な書類が揃わない場合、特定活動(就労可)への変更許可申請を先に行い、就労しながら特定技能の書類を準備する方法があります。必要書類が少なく、比較的短期間で結果が出ます。

特定活動の期間は通算5年に算入されます

この特定活動の在留期間は、特定技能1号の通算在留期間に算入される取扱いとされています。すでに1号として4年6か月以上在留している方は、実質的に利用できない場合があります。在留期間の残りと必要書類の準備状況を照らして、どちらの申請を先に行うかを判断してください。

審査中に在留期限が到来した場合

在留期限の満了日までに申請が受理されていれば、審査結果が出るまで(または在留期間の満了日から2か月が経過するまで)は特例期間として在留が認められます。あくまで例外的な取扱いですので、在留期限に余裕をもって申請してください。

特定技能の転職者を受け入れる企業の方へ

書類の作成から入管への申請取次まで一括で対応します。企業様には最小限の書類収集をお願いするだけです。全国どこからでもオンラインで完結します。受入れ可否や進め方の確認だけのご相談も歓迎です。

申請書類の作成は行政書士へ

転職に伴う在留資格変更許可申請は、書類量が多く、報酬の同等性や支援体制の記載に専門的な判断を要します。そして在留資格の申請書類(申請書・雇用条件書・支援計画書等)の作成は、行政書士または弁護士のみが行えます。2026年1月に施行された改正行政書士法により、行政書士以外の者による書類作成は名目を問わず認められません。

受入れ企業が行政書士と直接契約し、書類作成から申請取次までを依頼する形が、責任関係の明確な進め方になります。

よくある質問

特定技能1号の転職に在留資格変更許可申請は必要ですか?
必要です。特定技能は指定書によって就労先の機関が指定されているため、同じ分野・同じ業務区分の転職であっても、勤務先が変わる場合は在留資格変更許可申請が必要になります。許可を受けて新しい在留カードを受け取るまで、転職先で就労させることはできません。
前の会社を退職してから申請しなければいけませんか?
退職前でも申請できます。前の会社に在職したまま転職先と特定技能雇用契約を締結し、在留資格変更許可申請を行うことが可能です。許可後に退職して転職先で就労を開始すれば、収入が途切れる空白期間を最小限にできます。実務上もこの進め方が一般的です。
異なる分野への転職はできますか?
転職先の分野の技能試験に合格していれば可能です。たとえば飲食料品製造業から外食業へ転職する場合は、外食業の技能測定試験の合格が必要になります。日本語試験は特定技能1号の取得時に満たしているため、改めて受験する必要はありません。同じ分野・同じ業務区分内の転職であれば、新たな試験合格は不要です。
在留期限が迫っていて書類が揃わない場合はどうすればよいですか?
特定活動(就労可)への変更許可申請を先に行い、就労しながら特定技能の書類を準備する方法があります。ただしこの特定活動の期間は特定技能1号の通算在留期間に算入される取扱いとされているため、通算期間が5年に近い方は利用できない場合があります。個別の可否は申請前に確認が必要です。
転職前の在留期間は通算5年に含まれますか?
含まれます。特定技能1号の通算在留期間の上限は5年で、転職前の会社で就労していた期間も算入されます。残りの在留可能期間を確認したうえで、雇用契約の期間を設定してください。
転職者を受け入れる場合、協議会への加入は必要ですか?
必要です。分野ごとの協議会の構成員であることの証明書が申請書類に含まれるため、初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、申請前に加入手続きを済ませておく必要があります。加入には一定の期間を要するため、書類準備と並行して早めに着手してください。

料金・サポート内容

申請種類料金(税別/1名)
在留資格変更許可申請(転職受入れ)50,000円
在留期間更新許可申請30,000円
初回相談無料

必要書類一式の作成と申請取次は申請料金に含まれています。許可時に納付する手数料(窓口申請6,000円、オンライン申請5,500円)等の実費は別途です。なお在留許可手数料については改定の方向が示されている段階のため、申請時点の金額をご案内します。書類の状況により工数が大きく増える場合は、着手前にお見積りをご提示します。税証明書・源泉徴収票の取得は申請人ご本人に行っていただきます。

この記事のまとめ

  • 特定技能1号の転職は同じ分野内でも在留資格変更許可申請が必要(更新では対応できない)
  • 許可前に転職先で就労させると不法就労助長罪に問われるおそれがある
  • 異分野へ移る場合は転職先分野の技能試験の合格が条件。日本語試験は再受験不要
  • 初めて受け入れる企業は協議会加入と協力確認書を申請前に済ませる
  • 在職中に申請し、許可後に退職すれば空白期間を最小化できる
  • 書類準備から許可まで1か月半〜4か月を見込む
  • 転職元の企業には退職から14日以内の届出義務がある

この記事の情報について

本記事は2026年7月時点の法令・運用に基づいています。特定技能制度は様式・提出書類一覧・届出のルールが随時改定されているため、実際の申請にあたっては申請時点の最新の法令・告示・通知および出入国在留管理庁の公表内容をご確認ください。審査期間は個別の事情により変動します。個別の案件については当事務所までお問い合わせください。