飲食料品製造業の特定技能|スーパー・食肉小売業まで対象、受入れ要件と採用手順
飲食料品製造業の特定技能|スーパー・食肉小売業まで対象、受入れ要件と採用手順
飲食料品製造業は、特定技能で受入れが最も多い分野のひとつです。食品工場だけでなく、スーパーのバックヤードや、2026年4月改正で追加された食肉小売業まで対象が広がっています。この記事では、対象になる事業所・業務、協議会加入、取得ルートと試験免除、受入れ人数のルールまで、入管庁の運用要領に基づいて整理します。
この記事のポイント
対象が広がっています。食品工場に加え、スーパーのバックヤード(2024年7月〜)、食料品製造を行う食肉小売業など(2026年4月〜)が対象です。ただし対象はあくまで製造・加工で、レジ・接客・品出しなどの販売業務はできません。
技能実習からの移行が主流です。技能実習2号を良好に修了していれば、技能測定試験・日本語試験がともに免除され、試験なしで特定技能に切り替えられます。育てた人材をそのまま活かせます。
協議会加入は「申請前」に必須です。そして、拡大している飲食料品製造業とは対照的に、外食業は受入れ上限に達し新規受入れが制限されています。両分野の違いに注意してください。
対象になる事業所と業務
飲食料品製造業は、酒類を除く飲食料品の製造・加工と、それに伴う安全衛生の確保を行う業務が対象です。対象になる事業所は、日本標準産業分類に基づいて定められています。
対象になる主な事業所
従事できる業務
中心となるのは、飲食料品(酒類を除く)の製造・加工と安全衛生の確保です。原料処理・加熱・殺菌・成形・乾燥などが含まれます。これに付随する関連業務として、原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理といった作業に従事することも認められます。
対象にならない業務・事業所
酒類の製造は対象外です。また、レジ・接客などの販売業務や、単なる選別・包装のみの作業は、製造・加工に当たらないため対象外です。事業所についても、百貨店・コンビニエンスストア・ドラッグストア・飲食料品小売業のバックヤードや、スーパー内に出店するテナント(料理品小売業)は対象になりません。
スーパー・食肉小売業のバックヤード
もともと工場が中心だった飲食料品製造業は、対象事業所が段階的に広がってきました。
スーパーマーケット(2024年7月〜)
2024年7月23日付の農林水産省告示により、総合スーパーマーケットと食料品スーパーマーケットが、バックヤードで自ら食料品製造を行う場合に限り対象になりました。惣菜製造、鮮魚加工、食肉加工、ベーカリー製造などが該当します。ただし従事できるのは食料品製造部門のバックヤードに限られ、販売業務はできません。
食肉小売業など(2026年4月〜)
2026年4月15日付の改正で、食料品製造を行う食肉小売業などが新たに対象に加わりました。これは「精肉店での販売全般が対象になった」という意味ではありません。仕入れた包装済み商品を販売するだけの店舗や、レジ・接客・品出しが中心の配置は対象外です。あくまで食肉の加工・整形・製造といった製造・加工の実態がある事業所が対象です。
「販売業務に従事させない」誓約書が必要です
スーパーマーケットや小売業で受け入れる場合、協議会加入時に、特定技能外国人を販売業務に従事させない旨の誓約書を提出する必要があります。採用後に業務範囲を誤ると、在留資格に反する状態になりかねないので、配置を明確にしておいてください。
外食業との違い(拡大と停止)
食品を扱う分野として飲食料品製造業と混同されやすいのが外食業ですが、2026年はこの2つが正反対に動きました。
| 分野 | 2026年の動き | 主な業務 |
|---|---|---|
| 飲食料品製造業 | 対象を拡大(食肉小売業などを追加) | 食料品の製造・加工(バックヤード等) |
| 外食業 | 受入れ上限に達し、新規受入れが制限 | 店舗での調理・接客・店舗管理 |
外食業分野は、特定技能1号の在留者数が受入れ見込数(5万人)に近づいたことから、2026年4月13日以降に受理された在留資格認定証明書交付申請が不交付とされる取扱いが示されています。「店舗の厨房だから外食業」と考えていた業務が、実は飲食料品製造業に整理できるケースもあります。どちらの分野に当たるかは業務の実態で判断されるため、迷う場合は業務内容を具体的に確認したうえで分野を選ぶことが重要です。
「うちの業務はどの分野に当たる?」からご相談ください
食品工場・スーパー・食肉小売業での受入れ可否、外食業との切り分け、協議会加入から申請まで、業務の実態に沿って整理してご案内します。要件の確認だけのご相談も歓迎です。
取得ルートと試験・試験免除
飲食料品製造業で特定技能1号を取得するルートは、大きく分けて試験ルートと技能実習からの移行ルートです。技能実習からの移行が最も多いパターンです。
| ルート | 必要なこと | 試験免除 |
|---|---|---|
| 試験ルート | 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験に合格+日本語試験(N4以上)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) | なし |
| 技能実習からの移行ルート | 技能実習2号を良好に修了(2年10か月以上)。良好修了を証明する書類が必要 | 技能測定試験・日本語試験とも免除 |
技能実習2号の修了で、試験なしで移行できます
農林水産省の説明によれば、従事する業務区分に応じ、技能実習2号を良好に修了した者は技能測定試験・日本語試験がともに免除されます。飲食料品製造業は技能実習からの移行が主流で、育てた人材を試験なしで特定技能に切り替えられるのが大きな利点です。試験ルートの場合の技能測定試験は、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が国内外で実施しています。
受入れ企業の要件・協議会加入
飲食料品製造業で受け入れるには、食品産業特定技能協議会への加入が必要です。あわせて、協議会や農林水産省が行う調査等への協力、外国人への支援体制の整備が求められます。
協議会は「申請前」に加入が必須
加入は「申請前」に済ませる必要があります
在留資格の申請前に、食品産業特定技能協議会へ加入していることが要件です。加入が未了だと、在留資格認定証明書交付申請などが受理されません。加入手続きから承認まで一定期間がかかるため、採用計画に合わせて早めに進めてください。
加入の流れ
農林水産省のサイトにある加入申請フォームから申請し、事務局からの案内に沿って「特定技能外国人の受入れに関する誓約書」を提出します。承認されると加入証(構成員であることの証明書)が交付され、これが申請書類になります。スーパーマーケットや小売業の場合は、販売業務に従事させない旨の誓約書もあわせて必要です。
必要書類(分野に関する第3表)
飲食料品製造業に固有の書類(提出書類一覧の第3表の13)は、次のとおりです。申請人本人の書類(第1表)や所属機関の書類(第2表)と組み合わせて提出します。
| 書類 | 要否 |
|---|---|
| 取得ルートに応じた試験の合格証明書等(技能測定試験・日本語試験、または技能実習2号良好修了の証明) | 該当ルートに応じて必要 |
| 飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第13-1号) | 必須 |
| 協議会の構成員であることの証明書(特定技能所属機関) | 必須 |
| 受入れに関する誓約書・協議会の構成員であることの証明書(登録支援機関) | 支援を全部委託する場合に必要 |
申請人・所属機関を含めた必要書類の全体像と、△書類の省略ルールは、特定技能の必要書類チェックリストで確認できます。
特定技能2号への移行
飲食料品製造業は特定技能2号の対象分野です。2号に移行すると、在留期間の更新回数の上限がなくなり、家族帯同も可能になります。移行には、飲食料品製造業分野の特定技能2号評価試験の合格と、複数の技能者を指導しながら業務を管理した実務経験が求められます。技能実習で育て、特定技能1号で経験を積んだ人材を、長期の戦力として定着させる道になります。
よくある質問
料金・サポート内容
| 申請種類 | 料金(税別/1名) |
|---|---|
| 認定・変更申請 | 50,000円 |
| 更新申請 | 30,000円 |
| 初回相談 | 無料 |
必要書類一式の作成は申請料金に含まれています。協議会加入手続きのサポート、技能実習からの移行対応、スーパー・小売業での受入れ(誓約書作成を含む)にも対応します。在留カード発行手数料等の実費は別途です。
この記事のまとめ
- 対象が拡大——工場に加え、スーパーのバックヤード(2024年7月〜)、食料品製造を行う食肉小売業など(2026年4月〜)
- 対象はあくまで製造・加工。レジ・接客・品出しなどの販売業務は不可
- 事業所ごとの人数枠は無い(枠は介護・建設のみ)。ただし分野全体の受入れ見込数という上限は全分野にあり、飲食料品製造業も対象(約13万3,500人・令和6〜10年度)
- 協議会は申請前に加入必須(2024年6月15日〜)
- 技能実習2号を良好に修了していれば技能測定試験・日本語試験がともに免除(試験なしで移行可)
- 拡大する飲食料品製造業に対し、外食業は受入れ上限で新規制限。分野の切り分けに注意
この記事の情報について
本記事は2026年7月時点の情報に基づき、出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について-」、農林水産省「飲食料品製造業分野に関するFAQ」および提出書類一覧・確認表を参照しています。対象事業所・業務や協議会の運用、外食業分野の受入れ状況は随時変更される場合があります。実際の申請にあたっては、最新の法令・告示・通知および各府省庁の公表内容をご確認ください。個別の案件については専門家にご相談ください。



