特定技能1号の在留者数が42万人に|次に上限が迫る分野はどこか

特定技能1号の在留者数が42万人に|次に上限が迫る分野はどこか
受入企業・人材紹介会社向け 2026年9月4日公表

特定技能1号の在留者数が42万人に|次に上限が迫る分野はどこか

令和8年6月末時点の特定技能1号の在留者数が公表されました。全体で425,961人、受入れ見込数805,700人に対して充足率52.9%です。外食業はすでに98.1%。充足率で見るのと、年間の増加ペースで見るのとでは、次に迫る分野の順番が変わります。公開情報から読み取れることを整理しました。

425,961人特定技能1号の在留者数
52.9%受入れ見込数の充足率
+92,838人年間増加数
読了 約8分 更新日:2026年9月5日 カテゴリ:特定技能/制度 執筆:行政書士 鹿間英樹
執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所・東京都行政書士会新宿支部/登録番号 第24080583号)/特定技能を中心に累計500件超の在留申請・届出に対応
この記事の結論
  • 外食業分野は98.1%。残り940人で、すでに在留資格認定証明書の交付停止措置がとられています。
  • 年間増加数で見ると、次に早いのは介護分野です。充足率は63.0%ですが年間増加が24,968人と突出しており、単純に延長すると約1.9年で到達する計算になります。
  • 飲食料品製造業は充足率75.5%、約2.0年。充足率では介護より高いものの、到達時期はほぼ並びます。
  • 工業製品製造業や宿泊、自動車運送業などは当面余裕があります。充足率も増加ペースも低く、10年以上の計算になる分野があります。
  • 受入れ見込数は分野別運用方針で定められ、超えることが見込まれる場合は入管法第7条の2第3項及び第4項に基づく交付停止措置が講じられることとされています。

公表された数字

出入国在留管理庁から、令和8年6月末時点の特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数(速報値)が公表されました。

現在の受入れ見込数は2026年1月23日の閣議決定によるもので、2029年3月までの受入れ見込数として設定されています。全体で805,700人です。

全体の数字

  • 受入れ見込数:805,700人
  • 在留者数:425,961人
  • 充足率:52.9%
  • 年間増加数:92,838人(令和7年6月末との差)

なお、2026年1月に対象分野へ追加されたリネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野は、在留者数がまだ計上されていません。

分野別の充足率と年間増加数

充足率の高い順に並べると、次のようになります。

分野受入れ見込数在留者数充足率年間増加数
外食業50,00049,06098.1%+13,289
飲食料品製造業133,500100,76975.5%+16,698
建設76,00052,13268.6%+8,533
介護126,90079,88463.0%+24,968
農業73,30044,05060.1%+9,115
航空4,9002,80357.2%+985
自動車整備9,4005,23555.7%+1,488
造船・舶用工業23,40011,64149.7%+996
漁業14,8004,91233.2%+1,070
ビルクリーニング32,20010,17131.6%+2,753
工業製品製造業199,50062,03331.1%+10,970
宿泊14,8002,55617.3%+1,291
自動車運送業22,1005582.5%+548
鉄道2,900642.2%+43
林業900192.1%+19
木材産業4,500741.6%+72

単位は人。令和8年6月末時点の速報値です。年間増加数は令和7年6月末在留者数との差です。リネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野は在留者数の計上がないため省いています。

ペースで見ると順番が変わります

残り人数を年間増加数で割ると、到達までのおおよその年数が出ます。以下は当事務所が公表値をもとに単純計算したもので、出入国在留管理庁が示した見通しではありません。

分野残り年間増加数単純計算での年数
外食業940+13,289措置済み
介護47,016+24,968約1.9年
飲食料品製造業32,731+16,698約2.0年
航空2,097+985約2.1年
建設23,868+8,533約2.8年
自動車整備4,165+1,488約2.8年
農業29,250+9,115約3.2年
ビルクリーニング22,029+2,753約8.0年
漁業9,888+1,070約9.2年
宿泊12,244+1,291約9.5年
造船・舶用工業11,759+996約11.8年
工業製品製造業137,467+10,970約12.5年

増加ペースが今後も一定であると仮定した単純計算です。実際の増減は経済情勢や制度改正の影響を受けます。また、受入れ見込数そのものが見直されることもあります。

充足率が低いから安心、とは限りません

介護分野は充足率63.0%で、飲食料品製造業の75.5%より低い数字です。しかし年間増加数が24,968人と全分野で突出しているため、到達時期は飲食料品製造業とほぼ並びます。

逆に工業製品製造業は、残りが137,467人と最も多く、年間増加10,970人。単純計算で12.5年です。充足率だけを見て判断すると、順番を読み違えます。

上限に達するとどうなるのか

在留者数が受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、入管法第7条の2第3項及び第4項に基づき、在留資格認定証明書の一時的な交付の停止措置が講じられることとされています。

外食業分野で実際に起きたこと

1

2026年3月27日|対応方針の公表

在留者数が2月末時点で約4万6千人となり、5月頃に受入れ見込数(5万人)を超えることが見込まれるとして、農林水産省及び出入国在留管理庁が4月13日に措置をとる方針を公表しました。

2

2026年4月3日|大臣間の要請

農林水産大臣から法務大臣に対し、入管法第7条の2に基づく交付停止措置の要請がなされました。

3

2026年4月13日|措置の実施

同条第4項に基づき、一時的に同分野に係る在留資格認定証明書の交付停止措置がとられました。同日以降に受理した同分野の交付申請は不交付とされています。

公表から措置までは約2週間半でした。突然決まったように見えますが、上限も在留者数も公開されている情報です。数字を追っていれば、時期をある程度見通すことはできます。

措置の対象は認定証明書の交付です

交付停止措置は在留資格認定証明書の交付に係るものです。分野ごとに公表される対応方針で具体的な取扱いが示されますので、国内に在留している方の申請を含め、その内容を確認する必要があります。

また、分野別運用方針には、状況に応じて交付の再開の措置を求める旨の規定が置かれています。上限に達した状態が恒久的に続くとは限りません。

受入企業・紹介会社が今できること

4つの確認

  • 自社が関わる分野の充足率と年間増加数を把握しておく
  • 公表のたびに数字を更新する(半年ごとに公表されています)
  • 採用計画を立てる際、認定申請の時期を前倒しできないか検討する
  • 上限の影響を受けにくい選択肢を並行して検討する

特定技能2号への切り替え

今回公表されたのは特定技能1号の数字です。すでに1号で受け入れている方について2号への移行を進めることは、上限の状況とは別の話になります。2号は在留期間の上限がなく、家族帯同も可能になるため、定着の観点でも意味があります。

ただし2026年8月20日以降、2号の在留諸申請には業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)の提出が必要です。指導・管理の実態を書面で示すことになるため、試験対策だけでなく、社内の体制づくりも同時に進める必要があります。詳しくは特定技能2号「業務内容に関する誓約書」の書き方をご覧ください。

分野をまたぐ検討

自社の業務が複数の分野にまたがる場合、どの分野で受け入れるかによって状況が変わります。業務区分の該当性は分野別運用方針で定められているため、安易な読み替えはできません。該当性の判断は事前に確認してください。

上限を理由に他の在留資格へ流れることは避けてください

受入れができないからといって、実態に合わない在留資格で申請することはできません。技術・人文知識・国際業務は業務内容に該当性が求められ、単純作業に従事させることは認められていません。

在留資格の該当性を欠いた申請は、在留資格等不正取得の問題につながり得ます。上限に達した場合の対応は、制度の枠内で検討する必要があります。

採用計画のご相談を承ります

自社の分野の状況、申請時期の見通し、2号への移行可否。
受入れを検討する段階からご相談いただけます。着手金は不要です。

よくある質問

受入れ見込数に達するとどうなりますか。

在留者数が受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、入管法第7条の2第3項及び第4項に基づき、在留資格認定証明書の一時的な交付の停止措置が講じられることとされています。外食業分野では2026年4月13日に同措置がとられ、同日以降に受理された同分野の在留資格認定証明書交付申請は不交付とされました。

受入れ見込数はどこで決まっていますか。

分野別運用方針で定められています。今回の数字は2026年1月23日の閣議決定によるもので、2029年3月までの受入れ見込数として全体で805,700人が設定されています。

在留者数はどこで確認できますか。

出入国在留管理庁のウェブサイトで公表されています。分野別の受入れ見込数と在留者数が示されており、受入れを検討する際は最新の公表値を確認してください。

交付停止になった分野では何もできませんか。

措置の対象は在留資格認定証明書の交付です。分野ごとに公表される対応方針で取扱いが示されますので、国内に在留している方の申請を含め、その内容を確認する必要があります。あわせて、特定技能2号への移行など他の選択肢の検討が現実的な対応になります。

記事の「単純計算での年数」はどこまで信頼できますか。

公表値をもとに、残り人数を直近1年の増加数で割った当事務所の試算です。出入国在留管理庁が示した見通しではありません。増加ペースは経済情勢や制度改正で変動しますので、目安としてご覧ください。

ご依頼と費用

分野の状況を踏まえた採用計画の組み立て、申請時期の設計、2号への移行可否の確認まで対応します。当事務所は特定技能に特化し、来客対応を行わない完全オンライン体制で運営しています。人材紹介会社様からのご紹介にも対応しており、その場合も契約と請求は受入企業様と直接行っています。

申請費用|当事務所の報酬(すべて税別)
手続き報酬備考
在留資格認定証明書交付申請50,000円1名あたり
在留資格変更許可申請50,000円1名あたり
特定技能2号への移行50,000円1名あたり
誓約書の作成を含む
初回相談無料分野の状況確認のみでも可
着手金は不要です。入管に納める手数料、在留カード発行手数料等の実費は別途となります。受付時間は平日9:00〜18:00(土日祝休)です。

まとめ

この記事のまとめ

  • 全体で425,961人、充足率52.9%——受入れ見込数805,700人(2029年3月まで)
  • 外食業は98.1%、残り940人——すでに交付停止措置がとられている
  • ペースで見ると次は介護——充足率63.0%だが年間増加24,968人で単純計算約1.9年
  • 飲食料品製造業は約2.0年——充足率75.5%、年間増加16,698人
  • 工業製品製造業や宿泊は当面余裕——単純計算で10年前後
  • 措置の根拠は入管法第7条の2第3項・第4項——認定証明書の一時的な交付停止
  • 公表から措置まで約2週間半——数字を追っていれば時期は見通せる

次の公表に備えて

自社の分野がどの位置にあるか、申請をいつ出すべきか。
全国オンラインで対応しています。人材紹介会社様からのご相談も歓迎です。

初回相談無料 着手金0円 全国オンライン対応

参考にした一次情報

出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年6月末時点・速報値)」
出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」(令和8年3月27日)
出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」(令和8年4月13日)
出入国管理及び難民認定法第7条の2
分野別運用方針(令和8年1月23日閣議決定)

この記事の情報について

本記事は2026年9月5日時点で出入国在留管理庁が公表している情報に基づいています。在留者数は速報値であり、確定値と異なる場合があります。「単純計算での年数」は当事務所が公表値をもとに算出した試算であり、出入国在留管理庁が示した見通しではありません。受入れ見込数および運用は見直されることがありますので、最新の公表情報をご確認ください。

執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所/東京都新宿区西新宿4-40-5 西新宿ビューハイツ903)