食品産業特定技能協議会|加入の流れ・必要書類・審査期間2〜3か月
食品産業特定技能協議会の加入申請
申請の流れ・分野別の必要書類・審査に2〜3か月かかる理由
飲食料品製造業分野・外食業分野で特定技能外国人を受け入れるには、在留諸申請の前に食品産業特定技能協議会へ加入する必要があります。そして農林水産省は、加入証の発行までに2〜3か月程度かかると公表しています。採用のスケジュールは、ここから逆算することになります。
「協議会に入るだけ」と考えていると、確実に間に合いません。必要書類を送付してから審査開始まで数週間、加入証の発行までは最終的に2〜3か月程度とされています。しかも申請は先着順で処理され、前倒しはできません。内定を出してから動き始めるのでは遅い、というのがこの分野の実情です。
この記事の結論
審査に2〜3か月。
採用が決まってから動くのでは間に合いません。
食品産業特定技能協議会への加入は、出入国在留管理庁への在留諸申請より前に済ませておく必要があります。ところが農林水産省は、加入申請が非常に混み合っており、必要書類の送付から加入証の発行までに2〜3か月程度かかると公表しています。審査は書類を送付した順に実施され、原則として順番の前倒しはできません。入社希望日から逆算するのではなく、協議会の加入から起算してスケジュールを組んでください。
外食業分野は、在留資格認定証明書の交付が一時停止されています
外食業分野の特定技能1号の在留者数が受入れ見込数(上限5万人)に達する見込みとなったことから、農林水産省および出入国在留管理庁は、2026年4月13日に入管法第7条の2第3項および第4項に基づき、在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置をとりました。
協議会への加入申請は停止措置後も引き続き受け付けられていますが、加入証が発行されても受入れができない場合があるとされています。外食業分野で新規の受入れを検討している場合は、最新の状況を必ずご確認ください。分野の要件全体は外食業 特定技能 完全ガイドで解説しています。
目次
1. 食品産業特定技能協議会とは
飲食料品製造業分野と外食業分野が共同で設置している協議会です。所管は農林水産省で、構成員の連携を図り、制度や情報の周知、法令遵守の啓発、地域ごとの人手不足の状況把握などを行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象分野 | 飲食料品製造業分野・外食業分野(2分野が共同で設置) |
| 構成員となる者 | 特定技能所属機関(受入れ機関)に加えて、登録支援機関も構成員になることが求められます(上記2分野のいずれか、または両分野で受入れ機関を支援する場合) |
| 加入のタイミング | 出入国在留管理庁への在留諸申請を行う前 |
| 2人目以降 | 改めて加入申請をする必要はありません |
| 会費 | 当面の間、入会金や年会費等の費用は徴収されません |
| 申請方法 | 農林水産省のウェブ申請フォームから申請し、その後は事務局からのメールに返信する形で進めます |
登録支援機関も加入が必要です
介護分野の協議会は受入機関のみが対象ですが、食品産業特定技能協議会は登録支援機関も構成員になることが求められます。支援を委託する予定の登録支援機関が未加入だと、そこから手続きが始まります。委託先を決める段階で、加入済みかどうかを確認してください。
2. 加入申請の流れ
審査は先着順で、前倒しはできません
農林水産省は、審査は必要書類を送付した順に実施しており、原則として順番の前倒しはできないため計画的な申請をお願いする、としています。また、進捗確認の電話が多数寄せられている状況を踏まえ、申請直後に審査結果を問い合わせても回答できないこと、円滑な審査のため進捗確認の電話は控えてほしいことが案内されています。
急いでも早くなりません。だからこそ、着手のタイミングがすべてになります。
介護分野と比べると、期間が一桁違います
介護分野の協議会は、入会申請から入会証明書の発行まで通常2〜3週間程度とされています。これに対し食品産業特定技能協議会は2〜3か月程度。同じ「協議会加入」でも、スケジュールへの影響がまったく異なります。他分野の経験がある企業ほど、見込みを誤りやすい部分です。
3. 分野別の必要書類
事務局からのメールに返信する形で提出します。分野と立場によって書類が異なります。なお、ここで扱うのは協議会に提出する書類です。入管へ提出する在留諸申請の書類は別ですので、特定技能の必要書類チェックリストもあわせてご確認ください。
| 区分 | 提出書類 |
|---|---|
| 受入れ機関 飲食料品製造業分野 | ① 分野参考様式第13-1号より作成した「飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」 ② 営業許可証の写し |
| 受入れ機関 外食業分野 | ① 分野参考様式第14-1号より作成した「外食業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」 ② 営業許可証の写し |
| 登録支援機関 (両分野) | ① 分野参考様式第13-2号より作成した誓約書 ② 分野参考様式第14-2号より作成した誓約書 ③ 登録支援機関登録(更新)通知書の写し ④ 履歴事項全部証明書の写し(記載内容に変更があった場合) |
登録支援機関は両分野の誓約書を提出します。支援先の受入れ機関が未定の場合、誓約書の「特定技能所属機関」および「特定技能外国人」の項目は未記入でも受け付けられます。受入れ機関側も、特定技能外国人が未定の場合は誓約書内の氏名・性別・国籍地域・生年月日を未記入で受け付けられます。
人材が決まっていなくても、先に申請できます
誓約書の外国人に関する項目は未記入でも受け付けられます。つまり採用が固まる前に加入申請を始められるということです。2〜3か月かかる手続きなので、これは重要です。受入れを検討し始めた段階で申請しておけば、人材が決まったときにすぐ在留諸申請へ進めます。
4. 追加書類が必要になるケース
事業の形態によっては、上記に加えて書類が必要になります。ここを知らずに申請すると、追加照会で時間を失います。
総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットの場合
総合スーパーマーケット(食料品製造を行うものに限る)および食料品スーパーマーケット(同)に該当する受入れ機関は、「総合スーパーマーケット又は食料品スーパーマーケットにおける特定技能外国人の従事する業務に関する誓約書」(入会規程 別紙1)に誓約し、協議会へ提出することが求められています。
スーパーマーケットのバックヤードでの受入れについては、分野の要件や業務範囲を飲食料品製造業 特定技能 完全ガイドで整理しています。
風営法の許可を受けた旅館・ホテルの場合
令和7年5月30日から、風営法の許可を受けた旅館・ホテルにおける特定技能外国人の飲食提供全般に係る就労を認める改正が行われ、これらの施設での外食業分野の受入れが可能になりました。
この場合、通常の書類に加えて次の提出が必要です。
風営法の許可を受けた旅館・ホテルの追加書類
・「対象旅館等における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」(入会規程 別紙2)
・旅館業法の旅館・ホテル営業に係る営業許可証の写し
・風営法の風俗営業に係る営業許可証の写し
・接待防止マニュアル(業界団体が作成したマニュアルのひな形を基に作成したもの)
接待防止マニュアルは自社で作成する必要があります
ひな形を基に作成したもの、とされているため、そのまま提出すればよい書類ではありません。自社の運用に合わせて作成する必要があります。この作成に時間がかかると、その分だけ加入証の発行も遅れます。該当する施設は、早めに着手してください。
外食業分野で従事できる業務の範囲については、外食業 特定技能 完全ガイドをご覧ください。
5. 加入後の手続き|変更届と分野の追加
登録内容が変わったとき
登録内容を変更する場合は、協議会のメールアドレス宛に連絡します。メールには協議会加入証を添付し、本文に変更箇所を記載します。社名・住所・代表者の変更の際は、あわせて履歴事項全部証明書の写しも添付します。
担当者が変わったときも、必ず変更手続きを
協議会からは不定期に構成員へ連絡が行われます。担当者が変更された場合も必ず変更手続きを行うよう案内されています。退職者のメールアドレスが登録されたままだと、重要な連絡を受け取れません。
もう一方の分野でも受け入れるとき
| 立場 | 分野を追加する場合の手続き |
|---|---|
| 受入れ機関 | 既に一方の分野で構成員となっていても、加入申請フォームから新規の手続きが必要です。追加する分野で改めて審査が行われます |
| 登録支援機関 | 追加する分野の誓約書(分野参考様式第13-2号・第14-2号)を添付し、協議会のメールアドレスへ「分野追加」を連絡すれば足ります |
受入れ機関は、分野追加でも一から審査です
飲食料品製造業で加入している企業が、外食業でも受け入れようとする場合、新規申請と同じ扱いになります。当然、審査期間も改めてかかります。製造と店舗の両方で外国人材の活用を考えている企業は、この点を織り込んでおいてください。
6. 2号試験に不合格でも、在留を延長できる場合があります
受入れ後の話になりますが、協議会のページに重要な措置が掲載されているのであわせてご紹介します。
飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験または外食業特定技能2号技能測定試験に不合格となった1号特定技能外国人であっても、合格基準点の8割以上の得点を取得している等の要件を満たし、かつ特定技能1号の通算在留期間5年を超えて在留することについて相当の理由があると認められる場合には、最長1年間、通算在留期間を超えて在留できるとされています。
対象となる試験結果通知書に期日があります
この措置は令和7年3月11日に閣議決定されたことから、発行日が2025年6月30日以降の試験結果通知書が対象とされています。これより前の発行日が記載された通知書は、5年の通算在留期間を超えて在留できる対象にはなりません。
5年の上限が近づいている従業員が2号試験に不合格だった場合、あきらめる前に得点と通知書の発行日を確認してください。2号への移行要件そのものは外食・飲食料品製造の特定技能2号|要件・実務経験・申請手続きで解説しています。
7. よくあるご質問
Q. 加入証が出るまでどれくらいかかりますか。
A. 農林水産省は、加入申請が非常に混み合っており、必要書類の送付から加入証の発行までに2〜3か月程度かかると案内しています。必要書類の送付後、審査開始までにも数週間程度を要します。審査は書類を送付した順に実施され、原則として前倒しはできません。
Q. 受け入れる外国人が決まっていませんが、先に申請できますか。
A. できます。特定技能外国人が未定の場合、誓約書内の氏名・性別・国籍地域・生年月日の項目は未記入でも受け付けられます。2〜3か月かかる手続きですので、受入れを検討し始めた段階で申請しておくことをおすすめします。
Q. 2人目以降も、そのつど加入申請が必要ですか。
A. 必要ありません。同じ分野での受入れであれば、改めて加入申請をする必要はないとされています。ただし、もう一方の分野でも受け入れる場合は、受入れ機関は新規の手続きが必要です。
Q. 登録支援機関に委託する予定ですが、協議会加入は必要ですか。
A. 受入れ機関の加入は必要です。加えて、登録支援機関も構成員になることが求められています。委託先が未加入の場合、そちらの手続きも並行して進める必要がありますので、委託先の加入状況を確認してください。
Q. 外食業で新たに受け入れたいのですが、可能ですか。
A. 2026年4月13日から、外食業分野では在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置がとられています。協議会への加入申請は引き続き受け付けられていますが、加入証が発行されても受入れができない場合があるとされています。最新の状況は農林水産省のウェブサイトでご確認いただくか、当事務所へご相談ください。
Q. 費用はかかりますか。
A. 当面の間、入会金や年会費等の費用は徴収されないとされています。
申請のご依頼について
当事務所は特定技能に特化し、来客対応を行わない完全オンライン体制で運営しています。協議会の加入に2〜3か月かかる分野だからこそ、全体のスケジュール設計からご相談いただけます。
特定技能の申請・届出費用
表示はすべて税別/着手金なし
交付申請
許可申請
許可申請
定期届出は30,000円(1所属機関あたり3名まで、4名以降は1名につき5,000円)、随時届出は1件20,000円です。入管の手数料等の実費は別途申し受けます。
2〜3か月かかる前提で、逆算しませんか
「入社希望日に間に合うか分からない」「外食業で受け入れられるのか判断できない」「スーパーや旅館・ホテルで追加書類が必要か分からない」——この分野で多いご相談です。
在留諸申請とあわせて、進め方のご相談も承ります。全国オンライン対応です。
参考にした一次情報
農林水産省「食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について」農林水産省「食品産業特定技能協議会 加入申請フォーム(特定技能所属機関/登録支援機関)」
食品産業特定技能協議会 入会規程・別紙1・別紙2
出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」
本記事は2026年8月1日時点で公表されている情報に基づいて作成しています。外食業分野の在留資格認定証明書の交付停止措置、審査期間、必要書類の取扱いは変更されることがありますので、実際のお手続きにあたっては農林水産省の最新の案内をご確認いただくか、当事務所までご相談ください。
執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所/東京都新宿区西新宿4-40-5 西新宿ビューハイツ903)

