建設分野の特定技能1号から2号への変更

建設分野の特定技能1号から2号への変更|要件・班長経験・手続きを行政書士が解説
特定技能 建設分野

建設分野の特定技能1号から2号への変更
要件・班長経験・手続きを行政書士が解説

職種別の班長経験必要年数(国交省資料準拠)から、実務経験の証明方法、企業側の基準、手続きの流れまで。2号変更を検討する企業・外国人の方へ、実務目線で徹底解説します。

📅 2026年2月13日 ✏️ 行政書士しかま事務所 ⏱ 読了目安:12分

建設分野で特定技能1号の外国人を雇用している企業から、「特定技能2号に変更したい」という相談が急増しています。2024年12月末時点で建設分野の特定技能2号は213名に達し、今後もさらに増加が見込まれます。特定技能1号の在留期間は通算5年が上限。優秀な人材を長期的に確保するためには、特定技能2号への移行が不可欠です。

しかし、建設分野の2号変更は他分野と比べて要件が複雑です。特に「班長としての実務経験」は職種ごとに必要年数が異なり、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携も必須となります。

この記事では、国土交通省の運用要領(2025年1月31日一部改正)および実務経験一覧表(2025年1月31日版)に基づき、建設分野における特定技能1号から2号への変更に必要な要件、手続き、必要書類を実務的な観点から解説します。

1. 特定技能2号(建設分野)とは? ── 1号との違い

特定技能2号は、「特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務」に従事する外国人材向けの在留資格です。建設分野では、複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する「班長」としての役割が求められます。

1号が「指導者の指示・監督を受けながら」作業に従事するのに対し、2号は自ら複数の技能者を指導し工程管理を行うリーダーポジションです。単なる在留資格の「ランクアップ」ではなく、現場での役割そのものが変わることを理解しておきましょう。

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年(上限あり)上限なし(更新回数制限なし)
家族帯同原則不可可能(配偶者・子 → 家族滞在)
義務的支援(10項目)必須不要
登録支援機関への委託必要(自社支援も可)不要
受入人数の上限常勤職員数以下上限なし
建設特定技能受入計画国交省の認定が必要不要
永住申請制度上困難要件を満たせば可能

✅ 企業側の主なメリット

2号への変更により、義務的支援が不要となるため、登録支援機関への委託費用(月額2万〜4万円/人程度)を削減できます。受入人数の上限もなくなるため、実力のある外国人材を制約なく受け入れられます。さらに、CCUSレベル3の技能者を雇用していることで経営事項審査(経審)の加点も期待できます。

2. 2号に変更するための2つの要件

建設分野で特定技能2号の在留資格を取得するためには、以下の2つの要件を両方とも満たす必要があります。

要件① 試験合格

以下のいずれかの試験に合格する必要があります。

(ア)建設分野特定技能2号評価試験

一般社団法人建設技能人材機構(JAC)が実施するCBT方式の試験です。土木・建築・ライフライン・設備の3つの業務区分ごとに試験が行われます。合格証明書の写しが在留資格変更許可申請の際に必要となります。合格証明書の有効期限は発行日から10年間です。

(イ)技能検定1級 または 技能検定単一等級

都道府県が実施する技能検定の1級または単一等級に合格することでも要件を満たせます。業務区分ごとに対象となる技能検定の種類が定められています(運用要領別表6-1参照)。

⚠ 注意:試験に合格しても2号になれるとは限りません

試験合格だけでは在留資格の変更は認められません。次に説明する「班長としての実務経験」要件も同時に満たしている必要があります。試験の合格証明書は10年間有効ですので、先に試験に合格しておき、実務経験を積んでから申請するという計画的な準備が重要です。

要件② 班長としての実務経験

建設分野の2号は、試験合格に加えて、「建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験」が必要です(運用要領別冊 第2参照)。

必要な実務経験の年数は、職種ごとに国土交通省が定めており、0.5年(108日)から3年(645日)まで差があります。次のセクションで、国交省資料に基づく職種別の一覧表を掲載します。

💡 班長経験は複数の会社・現場で合算できます

班長経験は同一企業内での経験に限りません。建設現場では複数の事業所の技能者が同じ現場で共同作業を行うことが一般的であり、企業・現場を問わず班長としての経験を合算できます。特定技能2号を目指す方には、早い段階から班長経験を積める現場への配属を検討してください。

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3.【職種別一覧表】班長経験の必要年数(国交省資料準拠)

以下は、国土交通省が公表している「建設分野の2号特定技能外国人に求める実務経験」(2025年1月31日版)に基づく、CCUSの能力評価基準が設定されている職種の必要就業日数一覧です。

📊 必要年数の4段階

大きく分けて、0.5年(108日)以上1年(215日)以上2年(430日)以上3年(645日)以上の4段階があります。同じ業務区分内でも職種によって大きく異なるため、必ず個別に確認してください。

【土木区分】の主な職種

職種コード・職種名技能評価基準の呼称必要就業日数
(職長+班長)
01 特殊作業員基礎ぐい工事 / 土工 / 発破・破砕 / 圧入1年(215日)以上
02 普通作業員土工 / プレストレストコンクリート 他1年(215日)以上
03 コンクリート圧送工コンクリート圧送1年(215日)以上
04 造園工(01〜06)造園1年(215日)以上
14 運転手(特殊)・建設機械運転工機械土工 / 発破・破砕 / 圧入1年(215日)以上
19 トンネル特殊工トンネル1年(215日)以上
22 橋りょう特殊工橋梁 / プレストレストコンクリート1年(215日)以上
25 土木一般世話役プレストレストコンクリート / グラウト 他1年(215日)以上

【建築区分】の主な職種

職種コード・職種名技能評価基準の呼称必要就業日数
(職長+班長)
34 大工(01 大工 〜 09 丸太組工法)建築大工0.5年(108日)以上
06 とび工(01 とび工)とび2年(430日)以上
06 とび工(02 足場とび工)解体2年(430日)以上
35 左官(01 左官工)左官1年(215日)以上
33 型わく工型枠 / プレストレストコンクリート1年(215日)以上
10 鉄筋工(01 鉄筋工)鉄筋3年(645日)以上
10 鉄筋工(02 鉄筋圧接工)圧接1年(215日)以上
43 内装工(01〜16 全般)内装仕上3年(645日)以上
44 ガラス工(01〜02)硝子工事3年(645日)以上
40 タイル工タイル張り3年(645日)以上
37 はつり工解体2年(430日)以上
39 板金工建築板金1年(215日)以上
41 サッシ工サッシ・カーテンウォール1年(215日)以上
52 解体工(26〜29, 41)解体2年(430日)以上

【ライフライン・設備区分】の主な職種

職種コード・職種名技能評価基準の呼称必要就業日数
(職長+班長)
09 電工(01 電気工 〜 19)電気工事 / 計装工事1年(215日)以上
36 配管工(01〜15 全般)配管 / 消防施設 / 冷凍空調1年(215日)以上
47 保温工(01〜07)保温保冷 / ウレタン断熱1年(215日)以上
46 ダクト工ダクト1年(215日)以上
49 設備機械工(10 冷凍空調設備工)冷凍空調1年(215日)以上

【土木/建築 共通】の主な職種

職種コード・職種名技能評価基準の呼称必要就業日数
(職長+班長)
12 塗装工建設塗装 / 外壁仕上1年(215日)以上
13 溶接工基礎ぐい工事 / 圧入1年(215日)以上
38 防水工(01〜07)防水施工 / 左官 / 建設塗装1年(215日)以上
08 ブロック工左官 / エクステリア1年(215日)以上
18 さく岩工発破・破砕1年(215日)以上

⚠ CCUSの能力評価基準がない職種の場合

上記の一覧表にない職種(CCUSの能力評価基準が設定されていない職種)については、就業日数(職長+班長)が3年(勤務日数645日)以上であることが一律で必要です。

💡 実務のポイント

同じ業務区分(例:建築)であっても、職種によって必要年数が大きく異なります。例えば建築大工は0.5年(108日)で足りますが、鉄筋工・内装工・ガラス工は3年(645日)必要です。2号移行を検討する際は、まず外国人が従事している職種のCCUS職種コードを確認し、必要年数を把握してください。

4. 実務経験の確認書類と証明方法

班長としての実務経験は、原則として建設キャリアアップシステム(CCUS)に蓄積された就業日数で確認します。国交省の運用要領別冊(2025年1月31日改正)に基づき、以下の3つのパターンがあります。

パターン① CCUSのレベル判定を取得済みの場合(最も簡潔)

業務区分に対応するCCUSの能力評価でレベル3を取得している場合は、「能力評価(レベル判定)結果通知書」の写しを提出するだけでOKです。実務経験を証する書類(分野参考様式第6-3号)の提出は不要となります。

パターン② CCUSに就業日数が蓄積されている場合

レベル判定は取得していないものの、CCUSに就業日数(職長+班長)が記録されている場合は、以下の書類で確認します。

  • 申告書(分野参考様式第6-3号)
  • CCUS技能者情報の表示画面の写し(就業日数(職長+班長)が分かる画面、および職種ごとの就業日数が分かる画面)

パターン③ CCUSに就業日数が蓄積されていない場合

CCUSに班長としての就業履歴が蓄積されていない場合は、以下の書類で証明します。

  • 申告書(分野参考様式第6-3号)
  • 経歴証明書(分野参考様式第6-3号別紙) ── 誓約欄まで正確に記入する必要あり

⚠ 企業には経歴証明書の交付義務があります

運用要領では、特定技能所属機関は「特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること」が基準とされています(告示第2条第1号ニ)。退職した特定技能外国人からの依頼であっても、対応する必要があります。交付しない場合は基準不適合となり、以後の特定技能外国人の受入れができなくなる可能性があります。

5. 所属機関(企業側)に求められる基準

2号特定技能外国人を受け入れる所属機関には、1号とは異なる基準が求められます。運用要領別冊に基づき整理します。

2号の所属機関に求められる3つの基準

  1. 建設業法の許可
    建設業法第3条第1項の許可を受けていること。
  2. CCUSへの事業者登録
    建設キャリアアップシステムに事業者として登録していること。
  3. JAC(登録法人)への所属
    告示第10条の登録を受けた法人(JAC)又は当該法人を構成する建設業者団体に所属し、行動規範を遵守すること。

✅ 1号と比べて不要になること

建設特定技能受入計画の認定が不要です。1号では国土交通省への計画認定が必須でしたが、2号ではこの手続きが省略されます。また、義務的支援(10項目)も不要となり、常勤職員数を超えてはいけないという受入人数制限もなくなります。

入管申請で必要な企業側の確認書類

  • 建設分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(分野参考様式第6-1号)
  • 建設分野における2号特定技能外国人の基準に関する誓約書(分野参考様式第6-2号)
  • 建設業許可証の写し
  • CCUS事業者IDを明らかにする書類(登録後のハガキまたはメールの写し)

6. 変更手続きの流れ【ケース別】

ケース① 同じ会社・同じ業務区分で1号→2号に変更する場合

最も多いケースです。外国人本人が試験合格+実務経験要件を満たしたことを確認してから、在留資格変更許可申請を行います。

1
要件充足の確認

試験合格証明書の取得、班長経験の就業日数がCCUSに蓄積されているか確認

2
必要書類の準備

申請人側・所属機関側の書類を収集(社会保険・納税証明書類含む)。改正行政書士法の施行(2026年1月〜)により、在留資格の申請書類作成を業として行うことは行政書士(又は弁護士)の独占業務であることが明確化されました。不備による不許可リスクを避けるためにも、専門家への依頼をお勧めします。

書類作成は行政書士へ
3
在留資格変更許可申請

管轄の地方出入国在留管理局に申請(オンライン申請も可能)

4
審査

審査期間の目安:2か月弱(申請時期や管轄によって前後します)

⏱ 2か月弱
5
許可・新在留カード交付

変更許可手数料:窓口6,000円 / オンライン5,500円

6
国交省への報告

外国人就労管理システムで「2号移行報告」を速やかに行う

⚠️ 改正行政書士法への対応

2026年1月に施行された改正行政書士法により、在留資格の申請書類作成は行政書士(又は弁護士)の独占業務であることが明確化されました。自社申請を無報酬で行うこと自体は可能ですが、特定技能2号の変更申請は書類の専門性が高く、不備があれば不許可リスクに直結します。正確かつ確実な申請のために、行政書士への依頼をご検討ください。

ケース② 転職して2号に変更する場合

他社で特定技能1号として就労していた外国人を、自社で特定技能2号として受け入れる場合です。この場合、新しい在留カードが交付された後でなければ就業を開始できません。初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、在留資格申請の前に協議会へ事前に入会しておく必要があります。

ケース③ 1号を経ずに2号を取得する場合

運用要領によれば、特定技能2号で定める技能水準と実務経験を有していると認められる者であれば、特定技能1号を経なくても2号の在留資格を取得することは可能です。例えば、技能実習修了後に十分な班長経験を積み、2号試験に合格した場合などが該当します。

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7. 企業が今から準備すべき5つのポイント

❶ CCUSの就業履歴蓄積を徹底する

班長経験の証明にCCUSデータが直結します。作業員名簿の登録時に職種・立場(班長/職長)を省略せず入力してください。ここが抜けていると就業日数にカウントされません。

❷ 外国人の現在の班長経験日数を棚卸しする

CCUS技能者情報画面で、該当する職種の就業日数(職長+班長)を確認してください。必要日数と現在の蓄積日数を比較し、あと何日必要かを逆算しましょう。

❸ 2号試験への学習サポートを行う

2号試験はすべて日本語で行われ、相当程度の日本語読解力が求められます。JACのホームページから試験テキスト・サンプル問題がダウンロードできますので、早めに学習を開始させてください。

❹ JACへの加入状況を確認する

2号でもJACへの加入は必須です。直接加入(賛助会員)または間接加入(正会員の建設業者団体を通じて加入)のいずれかで所属している必要があります。

❺ 在留期限から逆算してスケジュール管理する

審査期間は2か月弱が目安です。企業側の書類準備にも1か月程度かかるため、在留期限の4か月前には準備を開始してください。1号の5年上限が迫っている場合は特に注意が必要です。なお、2号試験に不合格でも合格基準点の8割以上を取得した方は、通算在留期間が最大6年に延長される措置があります(建設分野は2025年12月1日以降の受験が対象)。

8. 料金・サービス内容

当事務所では、建設分野の特定技能2号への変更申請に必要な手続きをワンストップで対応しております。初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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  • 実務経験証明に必要な申告書・経歴証明書の整備サポート
  • 誓約書・雇用契約書等の整備
  • 出入国在留管理局への申請提出
  • 審査期間中の追加対応・補正対応
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9. よくある質問(FAQ)

特定技能1号の5年を満了しなくても2号になれますか?
はい。試験合格と実務経験要件を満たしていれば、1号の5年を待たずに2号へ変更可能です。早めに準備を進めることをお勧めします。
特定技能1号を経ずに、いきなり2号になることは可能ですか?
可能です。2号で定める技能水準と実務経験を有していると認められれば、1号を経なくても2号の在留資格を取得できます。
土木区分で班長経験を積みましたが、建築区分の2号試験に合格した場合、2号になれますか?
いいえ。班長経験は、移行先の業務区分に属する職種で積む必要があります。土木区分の班長経験だけでは建築区分の2号要件を満たせません。ただし、土木区分の2号試験に合格し、土木区分での班長経験があれば、土木区分の2号になることは可能です。
2号に変更したら義務的支援は不要になりますか?
はい。特定技能2号は義務的支援の対象外です。企業にとっては登録支援機関への委託費用がなくなる大きなメリットです。
班長経験は同じ会社で積まなければなりませんか?
いいえ。企業・現場を問わず、班長としての経験を合算できます。複数の会社・現場での経験を合計して必要日数を満たしていれば問題ありません。
2号の受入人数に上限はありますか?
ありません。1号には「常勤職員数を超えない」という制限がありますが、2号にはこの制限がなく、人数の上限は設けられていません。
2号から永住申請はできますか?
2号は在留期間の上限がないため、在留期間・年収・納税・社会保険等の永住許可要件を満たせば、永住申請が可能です。
2号に変更した場合、家族を日本に呼べますか?
はい。配偶者と子については「家族滞在」の在留資格で呼び寄せが可能です。家族滞在であれば、資格外活動許可を得て週28時間以内の就労も可能です。
改正行政書士法の施行で何が変わりますか?
2026年1月の施行により、在留資格の申請書類作成が行政書士(又は弁護士)の独占業務であることが明確化されました。報酬を得て他人の書類を作成することが規制対象であり、自社申請を無報酬で行うこと自体は可能です。ただし、特定技能2号は書類の専門性が高いため、不許可リスクを回避するためにも専門家への依頼をお勧めします。
依頼した場合の費用はいくらですか?
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参考資料
・国土交通省「建設分野の2号特定技能外国人に求める実務経験」(2025年1月31日版)
・法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -建設分野の基準について-」(2025年1月31日一部改正)
・出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」
・一般社団法人建設技能人材機構(JAC)「特定技能2号について」
免責事項:本記事は2026年2月13日時点の法令・制度情報�
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