【行政書士法改正】特定技能の書類作成は誰に頼む?役割分担と費用

【行政書士法改正】特定技能の申請書類は誰が作る?登録支援機関との役割分担と依頼の流れ
受入企業向け 2026年9月更新

【行政書士法改正】特定技能の申請書類は誰が作る?
登録支援機関との役割分担と、行政書士への依頼の流れ

2026年1月1日に改正行政書士法が施行され、特定技能の申請書類や届出書を、誰が報酬を得て作成できるのかの線引きがはっきりしました。受入企業様からは「今の体制のままでよいのか」「支援機関との契約はどうなるのか」というご相談が増えています。この記事では、支援は登録支援機関、申請書類は行政書士という役割分担の考え方と、支援委託はそのままに申請を依頼する流れを整理します。

公開日:2026年1月10日 最終更新:2026年9月19日 執筆:行政書士 鹿間英樹
執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所・東京都行政書士会新宿支部/登録番号 第24080583号)/特定技能・技術・人文知識・国際業務を中心に累計500件超の在留申請に対応

この記事の結論

支援は登録支援機関に、申請書類は行政書士に。
契約と請求を分けるのが基本です。

申請書類や届出書を、行政書士以外の第三者が報酬を得て作成することは、行政書士法に抵触するおそれがあります。登録支援機関には支援業務を委託し、申請書類は受入企業が自社で作成するか、行政書士と直接契約して依頼する――この役割分担が実務上の出発点です。登録支援機関との支援委託はそのまま続けられ、行政書士への依頼は次に行う更新・変更・届出から始められます。

1. 誰が作成できるのか|押さえるのは3つの要件

行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第1条の2に規定する業務を行うことができない。 行政書士法 第19条第1項(第1条の2は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類等を作成することを行政書士の業務と定めています)

禁止されるのは、「他人の依頼を受け」「報酬を得て」「業として」行う書類作成です。この3つがそろうかどうかで結論が変わります。

状況評価理由
受入企業の担当者が、自社が受け入れる外国人の申請書類を作成する問題なし他人の依頼を受けたものではありません
外国人本人が自分の申請書類を作成する問題なし同上
行政書士以外の第三者が、報酬を受けて申請書類を作成する抵触のおそれ他人の依頼を受け、報酬を得て、反復継続して行っていると評価され得ます
第三者が、受入企業の指示のもとで入力作業を手伝う要注意純粋な補助にとどまるか、内容を判断して完成させているかで評価が分かれます

改正で「名目」による区別がなくなりました

2026年1月の改正で、「いかなる名目によるかを問わず」報酬を得て行う書類作成が対象であることが明確になりました。「コンサルティング料」「サポート料」「支援パッケージに込み」といった名目でも、実態が書類作成の対価であれば同じ扱いです。罰則には、法人に対する両罰規定もあります。

2. 改正後に見直しておきたい契約の形

改正前から続いている契約のなかには、支援と申請書類の作成がひとつの契約・料金にまとまっているものがあります。次のような形になっていれば、登録支援機関と相談のうえ、契約と請求を分けておくと安心です。

支援委託費のなかに、申請書類の作成が含まれている

支援の対価と書類作成の対価が切り分けられていない形です。支援委託費は支援業務の対価とし、申請書類の作成は別の契約にしておくと、何に対する費用かが明確になります。

申請の費用を、登録支援機関を経由して支払っている

行政書士へ依頼する場合は、受入企業と行政書士が直接契約し、直接支払う形にします。登録支援機関から行政書士を紹介してもらうこと自体は問題ありません。

定期届出・随時届出の作成体制が決まっていない

届出書も官公署に提出する書類で、在留申請と同じ整理になります。申請とあわせて、届出を誰が作成するかも決めておきます。

個別の契約の評価は、書面と実態によって判断されます

行政書士法違反に当たるかどうかは、契約の内容、報酬の性質、実際に誰が書類を作成しているかなど、個別の事情で判断されます。当事務所では、既存の契約や費用の適否を個別に判定するご相談はお受けしていません。これからの申請・届出を適切な形で進めるためのご依頼としてご相談を承っています。

3. 書類ごとの整理|届出も対象です

書類位置づけ
在留資格認定証明書交付申請書
在留資格変更許可申請書
在留期間更新許可申請書
出入国在留管理庁に提出する書類です。第三者が報酬を得て作成することはできません
1号特定技能外国人支援計画書申請の際に提出する書類です。同上
定期届出書・随時届出書官公署に提出する書類にあたります。届出だからよい、ということにはなりません
雇用条件書・雇用契約書受入企業と外国人の契約書面です。契約当事者である企業が作成するもので、性質が異なります
社内の管理帳簿・支援実施記録官公署への提出書類ではありません

申請書類の必要書類全体は特定技能の必要書類チェックリスト、届出は特定技能の定期届出を徹底解説と特定技能の随時届出で整理しています。

4. 受入企業の選択肢と費用

1

自社で作成する

費用はかかりません。ただし分野ごとの要件確認、同等報酬の説明、支援計画の設計まで含むため、担当者の負荷は相応にあります。不備があれば追加資料の提出を求められ、時間を失うこともあります。

2

行政書士に直接依頼する

受入企業と行政書士が直接契約し、直接支払います。報酬は事務所によって異なります。当事務所の報酬は、この記事の末尾に一覧で掲載しています。

3

弁護士に依頼する

弁護士も書類作成を行えます。紛争性のある事案や、不許可後の対応を含めて相談したい場合の選択肢になります。

4

組み合わせる

支援は登録支援機関または自社、書類作成は行政書士、という形が一般的です。届出だけを行政書士に依頼する切り分けも可能です。

分けると、何にいくら払っているかが見えます

・登録支援機関への支援委託費:支援業務の対価(書類作成を含まない)
・行政書士への報酬:書類作成の対価(受入企業が直接契約・直接支払い)

この2つが契約書と請求書の上で分かれていれば、それぞれが何の対価なのかが明確になります。分けた結果として、総額が下がるケースも珍しくありません。

5. 行政書士へ依頼する流れ

今の手続きを止める必要はありません。次に予定している更新・変更・届出からご依頼いただくのが一般的です。

STEP 1 次の手続きの時期を確認する

在留カードで各人の在留期限を確認します。更新申請は在留期限の3か月前から可能です。定期届出は毎年4月から5月末までが提出期間です。

STEP 2 行政書士に相談し、見積りを受ける

対象人数と手続きの種類をお伝えいただければ、報酬の総額をご案内します。当事務所は初回相談無料・全国オンライン対応です。

STEP 3 受入企業と行政書士で委任契約を結ぶ

契約と請求は、受入企業と行政書士の間で直接行います。登録支援機関を経由した請求にはしません。

STEP 4 登録支援機関と役割分担を共有する

支援は引き続き登録支援機関、申請書類は行政書士が担当することを共有します。支援の実施状況など申請に必要な情報は、登録支援機関から共有いただきながら進めます。契約や料金の区分を見直す場合は、登録支援機関とご相談ください。

STEP 5 書類の作成と申請

受入企業からのヒアリングをもとに、行政書士が申請書類を作成し、申請します。雇用条件や勤務場所など会社が回答すべき事項は、受入企業に直接確認します。

在留期限が迫っている場合は、早めにご相談ください

時期によっては、書類の収集に時間がかかることがあります。期限まで1か月を切っている場合は、確実に期限内に申請できる進め方を優先して検討します。

6. 登録支援機関との連携

当事務所は、登録支援機関とそれぞれが得意な領域を受け持つ形で連携しています。支援は現場をよく知る登録支援機関に、申請書類の作成と入管への取次は行政書士に。役割がはっきりすると、受入企業にとっても分かりやすく、手続きの進行も速くなります。

担当主な受け持ち
登録支援機関支援計画の実施(事前ガイダンス、生活オリエンテーション、相談・苦情対応、定期面談など)、受入企業・外国人本人との日常的な連絡
行政書士在留申請書類・支援計画書・届出書の作成、入管への申請取次
受入企業雇用条件の決定、会社情報の提供、行政書士との委任契約

当事務所での連携の進め方

当事務所では、多くの登録支援機関から受入企業様をご紹介いただいています。実際には、次のような流れで進めています。

1 登録支援機関からのご紹介

登録支援機関から、申請を予定している受入企業様をご紹介いただきます。対象人数や手続きの種類、時期など、分かる範囲で共有いただければ十分です。

2 当事務所から受入企業様へご連絡

ご紹介を受けて、当事務所から受入企業様に直接ご連絡し、オンライン面談の日程を調整します。

3 オンライン面談(登録支援機関の同席も可能)

受入企業様との面談には、登録支援機関の方にも同席いただけます。受入企業・登録支援機関・当事務所の3者で、現在の状況と今後の進め方、役割分担を確認します。

4 受入企業様と直接契約

打合せの内容をもとに、受入企業様と当事務所で委任契約を結びます。報酬のご請求も受入企業様へ直接行います。

5 必要な情報を共有しながら申請へ

支援の実施状況など申請に必要な情報は登録支援機関から、雇用条件や会社情報は受入企業様からいただきます。進捗や結果など、共有してよい内容は登録支援機関にも共有しながら業務を進めます。

登録支援機関の方へ

受入企業様のご紹介は1件から承っています。申請業務は受入企業様との直接契約・直接請求で進めるため、御社に事務や立替えの負担は生じません。詳しくは提携についてをご覧ください。

7. よくあるご質問

Q. 自社の担当者が申請書類を作るのは問題ありませんか。

A. 問題ありません。行政書士法が制限しているのは、他人の依頼を受け報酬を得て業として行う書類作成です。自社が受け入れる外国人について自ら作成することは、これに当たりません。

Q. 登録支援機関との支援委託契約を解約する必要がありますか。

A. 必要ありません。支援は登録支援機関に引き続き委託し、書類作成だけを行政書士に依頼する形にできます。契約や料金の区分は、登録支援機関とご相談ください。

Q. 申請の途中や、在留期限が近い時期でも依頼できますか。

A. 次に行う手続き(在留期間更新、変更、届出など)からご依頼いただくのが一般的です。在留期限の3か月前から更新申請ができるため、期限までの残り期間を確認したうえで、早めにご相談ください。

Q. 登録支援機関から行政書士を紹介してもらってもよいですか。

A. 問題ありません。紹介を受けたうえで、受入企業と行政書士が直接契約し、直接支払う形にしてください。当事務所も、登録支援機関からのご紹介で受入企業様を担当しています。

Q. 届出書の作成も対象ですか。

A. 定期届出書・随時届出書も官公署に提出する書類です。在留申請と同じ整理になります。在留申請だけ切り替えて届出が残っているケースが多いので、あわせてご確認ください。

ご依頼について

当事務所は特定技能に特化し、来客対応を行わない完全オンライン体制で、全国の受入企業様に対応しています。申請だけ、届出だけの単発のご依頼もお受けしています。

申請・届出の報酬

表示はすべて税別/着手金なし/1件から対応

手続き報酬備考
在留資格認定証明書交付申請(特定技能1号)50,000円1名あたり
在留資格変更許可申請(特定技能1号)50,000円1名あたり
在留期間更新許可申請(特定技能1号)30,000円1名あたり
在留資格変更許可申請(特定技能2号へ)50,000円1名あたり
定期届出30,000円1所属機関あたり3名まで
4名以降は1名につき5,000円加算
随時届出20,000円1件あたり

入管に納める手数料等の実費は別途申し受けます。

支援はそのままに、申請だけご依頼いただけます

対象人数と次の手続きの時期をお知らせいただければ、費用の総額をご案内します。
受入企業様・登録支援機関様、どちらからのご相談も全国オンラインで承っています。

無料相談はこちら

参考にした一次情報

行政書士法 第1条の2・第19条・罰則規定
出入国管理及び難民認定法 第19条の18(特定技能所属機関による届出)
出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」
特定技能外国人受入れに関する運用要領(出入国在留管理庁)

本記事は2026年9月19日時点で確認できる法令・公表資料に基づいて作成しています。行政書士法違反に当たるか否かは、契約の内容、報酬の性質、行為の反復継続性など個別の事情により判断されます。本記事は一般的な整理を示すものであり、個別の事案について結論を保証するものではありません。
執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所/東京都新宿区西新宿4-40-5 西新宿ビューハイツ903)