特定技能を行政書士に依頼する費用|認定・変更50,000円、更新30,000円と選び方
特定技能を行政書士に依頼する費用|報酬相場・大手と個人事務所の違い・選び方
特定技能の申請を外部に依頼するとき、まず整理すべきは「誰が申請書類を作成できるのか」という点です。そのうえで、行政書士報酬の水準、登録支援機関に支援を委託している場合の総額の見方、定期届出の費用までを通しで押さえると、予算の全体像が見えます。この記事では申請種類別の報酬の目安と、事務所の選び方を実務の順序で整理します。
この記事のポイント
報酬を得て申請書類を作成できるのは行政書士または弁護士です。受入れ企業が自社で作成することは、他人の依頼を受けた業務ではないため対象外です。一方、登録支援機関が支援委託費を受け取りながら申請書類を作成する形は、行政書士法に抵触するおそれがあります。
報酬の水準は事務所の規模より専門特化の度合いで決まります。公開料金を見ると申請1件あたり5万円台から20万円程度までの幅があります。規模だけで判断せず、業務範囲と内訳を確認してください。
登録支援機関に委託中でも、総額が上がるとは限りません。支援委託費に申請書類の作成が含まれていたなら、その分が委託費から外れます。まずは現在の委託費の内訳を確認するのが出発点です。
特定技能の申請書類は誰が作成できるか
費用の話に入る前に、依頼先の選択肢を法令の側から整理します。ここを曖昧にしたまま見積りを比べると、金額だけを見て不適切な形を選んでしまうことがあります。
| 形態 | 申請書類の作成 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 受入れ企業が自社で作成 | 可能 | 自社の申請を自社の従業員が作成する形は、他人の依頼を受けて報酬を得る業務ではないため、行政書士法の対象外です。 |
| 行政書士・弁護士に依頼 | 可能 | 報酬を得て他人の依頼を受けて官公署提出書類を作成できるのは行政書士または弁護士です。申請取次にも対応できます。 |
| 登録支援機関が作成 | 問題があります | 支援委託費を受け取りながら申請書類を作成する形は、行政書士法に抵触するおそれがあります。名目を変えても同様です。 |
2026年1月施行の改正行政書士法で論点が明確になりました
改正により、行政書士でない者が業として報酬を得て官公署提出書類を作成する行為への規律が整理されました。「支援費用に含めている」「無料サービスとして提供している」「社内の行政書士が対応している」といった形をとっていても、実質的に誰が誰の依頼を受けて報酬を得ているかで判断されるため、名目だけで適法性が担保されるわけではありません。詳細は【2026年行政書士法改正】特定技能の書類作成、登録支援機関に任せると違法?で解説しています。
登録支援機関との連携そのものは問題になりません
登録支援機関が行政書士を紹介し、契約と報酬の支払いを受入れ企業と行政書士の間で直接行う形であれば、役割分担として整理できます。支援業務は登録支援機関、申請書類の作成は行政書士という切り分けです。当事務所も、この形での連携に対応しています。
行政書士報酬の相場(申請種類別)
行政書士報酬は事務所ごとに設定されており、同じ申請でも金額に幅があります。公開されている料金表を確認した範囲では、おおむね次のような分布です。
| 申請種類 | 公開料金に見られる幅 | 当事務所(税別・1名) |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 5万円台〜20万円程度 | 50,000円 |
| 在留資格変更許可申請 | 5万円台〜15万円程度 | 50,000円 |
| 在留期間更新許可申請 | 3万円台〜8万円程度 | 30,000円 |
金額を比べる前に業務範囲を揃えてください
同じ「5万円」でも、書類の作成のみで申請は企業側が行う場合と、書類の作成から申請取次・入管対応まで含む場合では中身が違います。見積りを比較するときは、申請取次が含まれるか、追加資料の提出への対応が含まれるか、雇用条件書や支援計画書の作成が含まれるか、この3点を揃えてから金額を並べてください。
大手法人と個人事務所の違い
報酬の水準は規模と相関する傾向がありますが、規模の大小そのものが品質を決めるわけではありません。それぞれの構造的な違いを整理します。
大手行政書士法人
複数の担当者による体制のため、担当者の不在時にも対応が続きます。分野を広く扱うため、入管業務以外の相談も同じ窓口で受けられます。一方、営業・管理部門の費用が報酬に含まれる構造になり、担当者が代表以外になることが一般的です。
特定技能に特化した個人事務所
代表が直接対応するため、判断と連絡が速く、分野特化による処理の蓄積が活きます。オンライン化で間接費用を抑えられる分、報酬設定を低くしやすい構造です。一方、対応できる案件数に上限があり、繁忙期には受任を制限する場合があります。
報酬の低さだけで選ぶと確認が必要な点があります
報酬が低い場合、業務範囲が書類作成のみに限定されていたり、追加資料への対応が別料金になっていることがあります。逆に高い場合も、その内訳に何が含まれるかで評価が変わります。どちらの場合も、金額ではなく業務範囲と責任の所在を確認してください。
登録支援機関に委託している場合の総額の見方
「支援を登録支援機関に委託しているので、行政書士に別途払うと総額が上がる」と受け取られることがあります。これは委託費の内訳次第です。
確認する順序
①現在の支援委託費の月額と、その内訳を見積書・契約書で確認する。②内訳に申請書類の作成費が含まれているかを確認する。③含まれている場合、その部分を外した委託費と、行政書士報酬を足して比較する。この順序で見ると、切り替えによって総額がどう動くかが実額で判断できます。
委託費に申請書類の作成が含まれていた場合
その部分は本来、行政書士または弁護士が担う業務です。委託費から外れる分と、行政書士報酬が相殺されるため、総額が大きく変わらないことがあります。支援委託費の水準そのものの相場や、自社支援に切り替えた場合の比較は、特定技能の自社支援、本当に得か損か|委託費を見直す前にチェックすべき5項目で整理しています。
受入れに伴う費用は、行政書士報酬と支援委託費だけではありません。人材紹介の手数料、渡航費、住居費、健康診断費なども含めた総額の内訳は、特定技能外国人を一人雇用するのにかかる総費用で解説しています。
見積りの内訳から確認したい方へ
申請の種類、人数、分野、現在の委託内容をお伺いして、必要な手続きと費用をお見積りします。他事務所の見積書や支援委託契約書を見ながら内訳を整理するご相談にも対応します。要件の確認だけのご相談も歓迎です。
定期届出の費用
2025年4月の改正により、特定技能の定期届出は年1回となり、提出期間は毎年4月1日から5月31日までに統一されました。使用する様式は「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」(参考様式第3-6号)です。
この定期届出書も出入国在留管理庁に提出する書類であるため、報酬を得て作成する場合は行政書士法の対象になります。在留申請と同様、登録支援機関が支援委託費を受け取りながら届出書を作成する形には、同じ論点が生じます。
在留申請と同じ事務所にまとめる利点
定期届出には、活動日数、報酬の支払状況、支援の実施状況などを記載します。在留申請時に提出した雇用条件書や支援計画書と整合していることが前提になるため、申請を担当した事務所が届出も作成すると、記載の食い違いを防げます。届出の様式と記載ルールの詳細は、特定技能の定期届出を徹底解説|新様式の書き方・提出書類・届出の流れをご覧ください。
行政書士の選び方5つのポイント
1. 特定技能・入管業務に専門特化しているか
行政書士の業務範囲は建設業許可、相続、会社設立など広範です。在留資格の申請は、分野別の協議会加入、報酬の同等性、支援体制の要件など制度固有の判断が多いため、入管業務を主に扱っている事務所を選ぶのが安全です。
2. 料金と業務範囲が明確に公開されているか
料金表が公開されていない場合、後から追加費用が生じるリスクがあります。金額だけでなく、どこまでが報酬に含まれ、何が実費なのかが書かれているかを確認してください。
3. 連絡が取りやすいか
問い合わせへの返信が遅い事務所は、受任後の対応も遅くなる傾向があります。在留期限が絡む手続きでは、連絡の速さがそのままスケジュールの余裕になります。
4. 取扱件数と対応分野が具体的に示されているか
件数だけでなく、どの分野・どの申請種類を扱っているかを確認してください。特定技能は分野ごとに要件が異なるため、自社の分野の取扱経験があるかが実務では重要になります。なお、許可率のような結果に関する数値は算出条件によって意味が変わるため、それ単独で判断材料にするのは適切ではありません。
5. 書類作成から申請取次まで対応するか
報酬が安い場合、書類作成のみで申請は企業側が入管窓口に行く必要がある、という業務範囲になっていることがあります。オンライン申請への対応可否も含めて、事前に範囲を確認してください。
登録支援機関の方が外注先を探している場合
提携の形、外注先の選び方、費用の考え方は登録支援機関が行政書士と提携する方法で整理しています。契約と報酬の支払いを受入れ企業と行政書士の間で直接行う形を前提に、案件のご紹介と情報連携でご協力いただく運用です。
よくある質問
料金・サポート内容
| 申請・届出種類 | 料金(税別/1名) |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 50,000円 |
| 在留資格変更許可申請 | 50,000円 |
| 在留期間更新許可申請 | 30,000円 |
| 定期届出の作成(3名まで) | 30,000円 |
| 初回相談 | 無料 |
申請書類一式の作成と申請取次は料金に含まれています。許可時に納付する手数料(窓口申請6,000円、オンライン申請5,500円)等の実費は別途です。在留許可手数料については改定の方向が示されている段階のため、申請時点の金額をご案内します。定期届出が4名以上の場合は件数に応じてお見積りします。書類の状況により工数が大きく増える場合も、着手前にお見積りをご提示します。税証明書・源泉徴収票の取得は申請人ご本人に行っていただきます。
この記事のまとめ
- 報酬を得て申請書類を作成できるのは行政書士または弁護士。自社作成は対象外
- 登録支援機関が支援委託費を受け取りながら作成する形は行政書士法に抵触するおそれがある
- 公開料金の幅は申請1件あたり5万円台から20万円程度。当事務所は認定・変更50,000円、更新30,000円(税別)
- 見積りを比べる前に申請取次・追加資料対応・雇用条件書等の作成が含まれるかを揃える
- 委託費に書類作成が含まれていたなら、切り替えても総額は大きく変わらないことがある
- 定期届出も行政書士法の対象。年1回・4月1日から5月31日までの提出
- 選ぶ基準は規模ではなく専門特化・料金と業務範囲の明確さ・連絡の速さ・分野の取扱経験
この記事の情報について
本記事は2026年7月時点の法令・運用に基づいています。他事務所の報酬水準は各事務所の公開料金を確認した範囲での目安であり、統計調査ではありません。案件・地域・業務範囲により金額は異なります。行政書士法の適用に関する記載は一般的な整理であり、個別の事案の適法性を判断するものではありません。実際のご依頼にあたっては、申請時点の最新の法令・告示・通知および出入国在留管理庁の公表内容をご確認のうえ、個別に専門家へご相談ください。



