【建設特定技能受入計画】認定申請を徹底解説
【建設特定技能受入計画】認定申請の必要書類・記載事項・審査ポイントを徹底解説
建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、在留資格(ビザ)申請の前に国土交通省から「建設特定技能受入計画」の認定を受ける必要があります。本記事では、認定申請に必要な添付書類16種、受入企業の認定基準9項目、外国人側の認定条件、よくある不備7パターン、労働者派遣禁止のルール、2027年4月施行の育成就労制度を踏まえた最新情報まで、行政書士が実務目線で徹底解説します。
建設分野は、在留資格(ビザ)申請の前に「建設特定技能受入計画」の認定が必須です。認定を受けないまま入管申請しても許可されません。受入企業は9つの基準を満たし、16種類の添付書類をオンライン申請で提出する必要があります。書類間の整合性が厳しく審査され、補正対応も多く発生します。就労予定日の6ヶ月前から申請可能ですので、早めの準備が成功の鍵です。
こんな状況に心当たりはありませんか?
- 建設特定技能受入計画の認定申請を初めて行うが、何を準備すればよいか分からない
- 必要書類を揃えたつもりが、審査で補正指示が入って遅延している
- 同等報酬の証明方法がわからず、書類が完成しない
- 申請後の引き戻しで審査が止まってしまった経験がある
- 労働者派遣の形態で建設特定技能を活用したいが可能か知りたい
- 育成就労制度施行前に体制を整えたい
一つでも当てはまる企業様は、この記事を最後までお読みください。
建設分野の特定技能受入れは2段階プロセス
建設分野では他の特定技能分野と異なり、入管への在留資格申請の前段階として国土交通省への建設特定技能受入計画認定申請が必要です。この順序を誤ると、審査が進まず、就労開始が大幅に遅れます。
国土交通省への申請
「建設特定技能受入計画」を申請し、認定証を取得
入管への申請
認定証を添付して「在留資格」を申請
並行申請も可能だが、認定証は必須
建設特定技能受入計画認定申請と入管への在留資格申請は並行して申請可能ですが、入管の許可には受入計画認定証の添付が必須です。並行申請するメリットは時間短縮ですが、認定が下りなければ在留資格は許可されないため、あくまで認定取得が大前提となります。
受入企業(特定技能所属機関)の必須要件
建設特定技能受入計画の認定を受けるには、受入企業が以下のすべての要件を満たしている必要があります。国土交通省の手引きに記載された主な認定条件(全9項目)を確認しましょう。
建設業法に基づく許可
建設業法第3条第1項の許可を受けていることが必須です。有効期限切れは不可。更新申請中の場合は旧許可証+更新申請書の写しで対応可能です。
CCUS事業者登録
建設キャリアアップシステムに事業者として登録し、事業者IDを取得していること。登録申請中では申請できません。登録完了まで時間がかかるため、早めの準備が必要です。
JAC(建設技能人材機構)への加入
JAC又はJACの正会員団体のいずれかに加入し、会員証明書の発行を受けていること。加入申請中では申請できません。
監督処分を受けていないこと
申請前5年間に建設業法に基づく監督処分(指示処分・営業停止処分・取消処分のいずれも)を受けていないこと。認定日以後も同様。
国内人材確保の取組
特定技能外国人と同じ職種での正社員の募集をハローワークで行っていること。フルタイムかつ建築・土木の作業員の募集に限ります。
受入れ人数制限
1号特定技能外国人の総数が、常勤の職員(1号特定技能外国人、技能実習生及び特定活動(特定技能移行予定等)を含まない)の総数を超えてはいけません。
正社員同等以上の待遇
特定技能外国人の待遇を、無期雇用のフルタイム社員(いわゆる正社員)と同等もしくは同等以上の待遇とすること。
安全衛生教育の実施
特定技能外国人の受入後に、労働安全衛生法に基づく特別教育などの安全衛生教育を行うこと。
技能の向上
特定技能外国人の受入後に、5年間の在留期間を見据えた技能の向上を図るように努めること。
これらの要件を一つでも満たさない場合
建設特定技能受入計画の認定を受けることができず、特定技能外国人の受入れは不可能となります。
特にJAC加入とCCUS登録は、申請中の状態では認められません。登録完了まで時間がかかるため、特定技能制度の利用を決めたら早めに手続きを進めてください。また、監督処分の有無は申請前に必ず「国交省ネガティブ情報等検索サイト」等で確認してください。
外国人に関する認定条件
受入企業の要件に加え、受入れる外国人側にも認定条件があります。手引きに記載された主な条件は以下のとおりです。
①CCUS技能者登録
ポイント
特定技能外国人になる方のCCUS技能者登録が完了していること(登録申請中では申請できません)。
ただし、海外在住の方は入国後に速やかに技能者登録を行い、技能者IDが発行されたら受入報告から修正してください。
技能者登録は簡略型でも詳細型でもOKですが、レベル判定は詳細型でしか受けられません。2号特定技能を見据える場合は、最初から詳細型で登録することをお勧めします。
②業務内容の適合性
ポイント
- 特定技能外国人が就労する業務内容が建設業の工事であること(建設業法上の建設工事に該当すること)
- 業務区分と合格が必要な試験、修了した技能実習等との対応関係が適切であること
③報酬・昇給
ポイント
- 同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を安定的に支払うこと
- 基本賃金は月給制であること(日給制・時給制は不可)
- 技能の習熟に応じて昇給を行うこと
- 安定的な報酬支払いのため、口座払いを選択すること
④重要事項事前説明・雇用契約
ポイント
- 雇用契約に係る重要事項事前説明書(告示様式第2)にて、国土交通省の認定条件を満たした内容で外国人に説明を行っていること
- 認定条件を満たした条件で特定技能の雇用契約を締結していること
- 雇用契約書と重要事項事前説明書の記載内容(所定労働時間、休日日数、賃金額等)は一致している必要があります
「受入計画、どう書けばいい?」
建設特定技能受入計画の作成・申請を、書類整備から認定取得までワンストップでサポートします。
初回相談無料、お気軽にどうぞ。
認定申請に必要な添付書類【全16種】
建設特定技能受入計画の認定申請はオンライン申請(外国人就労管理システム)で行います。添付書類は1書類1ファイル(PDF又はJPEG)で準備してください。提出が必須の添付資料が一つでも欠けていると審査を進めることができない場合があります。すべての資料が揃ってから申請しましょう。
受入企業に関する書類(6種)
就労環境に関する書類(4種)
外国人に関する書類(6種)
書類準備の注意点
- 複数の書類を1つのPDFにまとめず、1書類1ファイルにしてください(ただし雇用契約書と雇用条件書は1ファイルにまとめ可)
- ファイル名は「誰の何の書類か」が分かるように付けてください(例:「KOKUDO TARO 重要事前説明書」)
- 求人票に記載された月給額も審査対象です。求人票の月給額と特定技能外国人の報酬額の整合性が審査されます
- 雇用契約開始日は、申請日から半年以上先にしないでください
同等報酬の証明について
同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬であることを証明するために、比較対象の日本人の賃金台帳と実務経験証明書が必要です。比較対象の日本人がいない場合は、建設業についての公的な賃金統計調査資料等で報酬額の根拠を示す必要があります。
よくある不備・審査落ちパターン7選
建設特定技能受入計画の認定申請で、当事務所の実務経験から特に多い不備・審査落ちパターンをご紹介します。
パターン①|JAC加入・CCUS登録が「申請中」
JAC等の会員証明書やCCUS事業者IDが未取得の状態で申請するケース。「登録申請中」では申請できません。登録完了・会員証発行まで待ってから申請してください。
パターン②|報酬額と求人票の不整合
例:ハローワーク求人票に「経験不問・月給25万円〜」と記載しているのに、特定技能外国人の基本賃金が23万円。この場合、25万円に3年分の昇給が加算された額でなければ同等以上とは認められません。
パターン③|報酬が月給制になっていない
建設分野の1号特定技能外国人は月給制が必須です。日給制・時給制で雇用契約書を作成すると認定されません。
パターン④|書類間の記載内容の不一致
雇用契約書・雇用条件書と重要事項事前説明書の記載内容(所定労働時間、休日日数、賃金額、昇給条件等)が一致していない。変形労働時間の年間カレンダーとの整合性も審査されます。
パターン⑤|国内人材確保の取組証明不足
ハローワークの求人票が必須。申請日から直近1年以内、フルタイムかつ正社員の募集、特定技能外国人に従事させる業務と同じ作業員の募集であることが求められます。
パターン⑥|監督処分歴の見落とし
申請前5年間に建設業法に基づく監督処分(指示処分・営業停止処分・取消処分)を受けていると認定不可。「国交省ネガティブ情報等検索サイト」で必ず事前確認してください。
パターン⑦|就労管理システムでの「引き戻し」
オンライン申請後に「引き戻し・再編集」をすると、引き戻し中は審査担当者が申請内容を見ることができず審査が止まります。再申請後は再申請日の順番に並び直しとなり、審査順が大幅に遅れます。一度申請したら補正指示を待つことを基本とし、自主的な引き戻しは慎重に判断してください。
不備を防ぐには
建設分野の特定技能受入れは、他分野と比べて要件が非常に厳格で複雑です。書類間の整合性チェックや、求人票と報酬額の関係性など、専門的な知識が求められます。不備による審査落ちを防ぐためには、建設分野の制度に精通した専門家のサポートが効果的です。
【要注意】労働者派遣は完全禁止
建設分野では、特定技能外国人の受入れは直接雇用に限定されています。労働者派遣の形態での受入れは一切認められません。
直接雇用
企業が直接雇用契約を締結
労働者派遣
派遣形態での受入れは禁止
監督処分を受けた場合のペナルティ
建設業法に基づく監督処分(指示処分・営業停止処分・取消処分のいずれも)を受けた場合、処分が下されてから5年間は特定技能外国人の受入れができなくなります。建設業法の遵守は、特定技能の受入継続のためにも極めて重要です。
育成就労制度施行と建設特定技能受入計画
2024年6月公布の改正法により、技能実習制度は2027年4月1日に育成就労制度へ移行することが正式決定しました(2025年9月閣議決定、同年12月政令公布)。建設業は技能実習生の主要受入分野であり、施行に向けた準備が重要です。
受入計画認定の枠組みは維持される見込み
2025年11月時点で、育成就労制度の建設分野については「キャリア形成・地域共生の推進」に重点をおく運用ルールが固まりつつあります。建設分野ではJAC・CCUS・受入計画認定の枠組みは温存される見込みで、現行の建設特定技能受入計画の制度と整合的な運用が想定されています。本記事で解説した認定申請のノウハウは、施行後も基本的に有効です。
改正行政書士法(2026年1月施行)への対応
書類作成は行政書士の独占業務として明確化
2026年1月に施行された改正行政書士法により、在留資格の申請書類作成は行政書士(又は弁護士)の独占業務であることが明確化されました。建設特定技能受入計画認定申請書類は専門性が極めて高く、整合性チェックや同等報酬の証明など実務的な判断が多く求められます。不備による不許可・遅延リスクを回避するためにも、行政書士への依頼をご検討ください。
既存の技能実習生への対応
現在の技能実習生(特に2026年4月2日以降に2号を開始した実習生)は、技能実習3号への移行ができなくなるため、特定技能1号への移行が現実的な選択肢となります。技能実習からの移行ケースでは、新たに建設特定技能受入計画認定が必要となるため、本記事の手順に沿って早期に準備を進めてください。詳細は建設業の技能実習生を特定技能1号へ移行する完全ガイドをご覧ください。
料金
建設特定技能受入計画認定申請
80,000円
(税抜)
在留資格 認定・変更許可申請
50,000円
(税抜・1人あたり)
在留期間更新許可申請
30,000円
(税抜・1人あたり)
※着手金0円・申請時点でのお支払い。案件の難易度(複数人の同時申請、特殊な業務区分、不許可歴がある等)に応じて難易度加算が発生する場合があります。料金は事前のヒアリングにて確定しますので、まずは無料相談をご利用ください。
サポート内容
- 受入要件の適合性診断(JAC加入・CCUS登録・建設業許可・監督処分歴の確認)
- 建設特定技能受入計画の作成(全16書類の準備と整合性チェック)
- 同等報酬の証明資料作成(比較対象日本人の選定・説明書の作成)
- オンライン申請代行(外国人就労管理システムでの申請)
- 補正対応(国交省からの問い合わせ対応)
- 在留資格申請(認定後のビザ申請もワンストップ対応)
- 受入れ後のサポート(定期報告、更新手続き、計画変更申請)
よくある質問
まとめ
この記事のまとめ
- 建設分野は2段階プロセス——受入計画認定 → 在留資格申請の順序が必須
- 受入企業の認定基準は全9項目——建設業許可、JAC加入、CCUS登録、監督処分歴なし、国内人材確保、人数制限、正社員同等待遇、安全衛生教育、技能向上
- 外国人の認定条件4項目——CCUS技能者登録、業務適合性、月給制での同等報酬、重要事項事前説明
- 添付書類は全16種——受入企業6種・就労環境4種・外国人6種。書類間の整合性が厳しく審査される
- 同等報酬の証明には比較対象日本人の賃金台帳・実務経験証明書が必要——いない場合は公的賃金統計
- よくある不備7パターンを把握——JAC・CCUS未完了、報酬不整合、書類間の不一致、求人票不足、監督処分歴、引き戻し
- 労働者派遣は完全禁止——直接雇用のみ
- 審査期間は2〜4ヶ月——就労予定日の6ヶ月前からの申請を推奨
- 育成就労制度施行(2027年4月)後も枠組みは維持される見込み——現行ノウハウは継続有効
- 改正行政書士法(2026年1月)——書類作成は行政書士の独占業務として明確化
建設特定技能受入計画の認定申請は、必要書類が16種類と多く、書類間の整合性も厳しく審査されます。
確実な認定取得のために、建設分野に精通した専門家のサポートをご活用ください。
建設特定技能受入計画の認定申請、すべてお任せください
JAC加入からCCUS登録、受入計画の作成・申請、在留資格申請まで、建設分野特有の複雑な手続きをワンストップでサポートします。
育成就労制度施行を見据えた中長期戦略のご相談も承ります。
この記事の情報について
本記事は2026年4月25日時点の法令・運用、および国土交通省「建設特定技能受入計画のオンライン申請について【新規】手引き」(2025年4月4日版)に基づいて作成しています。育成就労制度の詳細(分野別運用方針、転籍制限期間、監理支援機関の許可基準等)は今後順次具体化される予定です。法令改正や運用変更により内容が変わる場合がありますので、最新情報は国土交通省・出入国在留管理庁のウェブサイト等でご確認ください。個別の案件については必ず専門家にご相談ください。



