建設業の技能実習生を特定技能1号へ|2026年版・移行完全ガイド
建設業の技能実習生を特定技能1号へ移行する完全ガイド|育成就労制度施行までに知るべきこと
建設業で技能実習生を特定技能1号に移行させたい企業様向けの専門ガイドです。建設業は他分野と異なり、JAC加入・CCUS登録・建設特定技能受入計画の認定など複数の手続きが並行して必要になります。さらに2027年4月の育成就労制度施行と2026年4月2日問題により、移行の準備期間は今まで以上に重要となっています。本記事では建設業の技能実習生移行に必要な手続き、スケジュール、費用、注意点を実務目線で解説します。
建設業の技能実習2号良好修了者は、試験免除で特定技能1号に移行可能です。ただし建設業特有の手続き(JAC加入・CCUS登録・建設特定技能受入計画の認定)が必要なため、在留期限の6ヶ月前からの準備開始が必須です。さらに2027年4月の育成就労制度施行に向けて、2026年4月2日以降に技能実習2号を開始した実習生は3号移行ができなくなるため、特定技能1号への移行が現実的な選択肢となります。試験免除での移行は経過措置として2030年頃まで継続するため、今は計画的な移行を進めるべき時期です。
2026年以降の最重要トピック|育成就労制度施行までのタイムリミット
2027年4月1日に育成就労制度が施行されることが正式決定しました(2025年9月閣議決定、同年12月政令公布)。建設業は技能実習生の最大受入分野の一つであり、影響が最も大きい業界です。
特に、2026年4月2日以降に技能実習2号を開始した実習生は、施行日時点で2号の就労期間が1年未満となり、技能実習3号への移行ができなくなります。該当する実習生は技能実習2号の在留期限までに「特定技能1号への移行」など次のキャリアパスを決定する必要があります。試験免除での移行は経過措置として2030年頃まで利用可能です。
こんな状況に心当たりはありませんか?
- 技能実習生の在留期限が迫っているが、引き続き建設現場で働かせたい
- 建設業の特定技能は手続きが複雑で、何から始めればよいか分からない
- JAC加入やCCUS登録、受入計画認定など、聞き慣れない手続きが多くて不安
- 育成就労制度が始まる前に、今いる技能実習生の処遇を決めたい
- 2026年4月以降に2号を始めた実習生がいるが、3号移行できないと聞いた
- 初めて建設業で特定技能を受け入れるが、何から準備すればよいか分からない
一つでも当てはまる企業様は、この記事を最後までお読みください。
建設業の技能実習→特定技能1号移行の全体像
建設業で技能実習生を特定技能1号に移行させる際、他分野と決定的に違う点は「入管申請の前に国土交通省への建設特定技能受入計画の認定が必要」という二段階構造です。この特殊性を理解せずに準備を進めると、在留期限に間に合わずに就労の空白期間が発生したり、最悪の場合は帰国せざるを得ない事態になります。
建設業の移行手続きが二段階である理由
| 段階 | 申請先 | 取得するもの | 標準審査期間 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 国土交通省 | 建設特定技能受入計画の認定 | 1.5〜2ヶ月(地域により3〜4ヶ月) |
| 第2段階 | 出入国在留管理庁 | 在留資格変更許可 | 約2ヶ月 |
他分野では入管申請のみで完了するのに対し、建設業では国交省の認定がない状態で在留資格申請をしても許可されません。つまり事前の準備期間として最低3〜4ヶ月、安全圏では6ヶ月を見込んでスケジュール管理する必要があります。
並行申請も可能だが、認定証は必須
建設特定技能受入計画認定申請と入管への在留資格申請は並行して申請可能ですが、入管の許可には受入計画認定証の添付が必須です。並行申請するメリットは時間短縮ですが、認定が下りなければ在留資格は許可されないため、あくまで認定取得が大前提です。
試験免除の要件|建設業の技能実習修了者だけの特典
建設業で技能実習2号を良好に修了した外国人は、特定技能1号への移行において技能試験・日本語試験の両方が免除されます。これは建設業の技能実習修了者にとって最大のアドバンテージで、計画的に活用すれば在留資格変更が極めてスムーズに進みます。
試験免除のための要件
- 技能実習2号を良好に修了していること(技能実習1号からの移行は不可)
- 技能実習の職種・作業と特定技能1号の業務区分に関連性があること(同一区分内であることが必要)
「良好に修了」とは
良好な修了の判定基準
以下のいずれかに該当することで「良好に修了」と認められます。
① 技能実習2号で技能検定3級または同等の評価試験に合格している
② ①の試験に合格していない場合は、受入企業(特定技能所属機関)が作成した「技能実習中の従事業務の内容や態度に関する評価書」を提出することで証明
技能実習職種と特定技能業務区分の対応
建設業の技能実習職種は、特定技能の3区分(土木・建築・ライフライン設備)にどう対応するかが移行可否を左右します。代表的な対応関係は以下のとおりです。
| 技能実習職種(例) | 移行可能な特定技能業務区分 |
|---|---|
| 建築大工、鉄筋施工、左官、内装仕上げ | 建築 |
| とび、型枠施工、コンクリート圧送施工 | 土木・建築(業務内容により判断) |
| 建設機械施工、配管 | 土木またはライフライン・設備 |
| 電気通信、保温保冷 | ライフライン・設備 |
職種と業務区分の関連性は事前確認を
関連性が認められない区分への移行は、試験免除が適用されません。技能実習職種から見て複数の業務区分が選択肢となるケースもあるため、特定技能でどの業務に従事させたいかと、技能実習で習得した技能との関連性を事前に整理しておくことが重要です。判断に迷う場合は専門家にご相談ください。
育成就労制度施行と建設業への影響
2024年6月公布の改正法により、技能実習制度は2027年4月1日に「育成就労制度」へ移行することが正式決定しました。建設業は技能実習生の主要受入分野であり、制度移行の影響を最も強く受ける業界の一つです。
既存の建設業技能実習生はどうなるか
経過措置の基本ルール
- 2027年3月31日までに入国した技能実習生は、在留期限までは技能実習として継続可能
- 施行日時点で技能実習中の方は、所定の試験合格等により技能実習2号・3号への移行も可能(最大5年まで)
- 技能実習修了後の特定技能1号への試験免除移行は2030年頃まで利用可能
- 育成就労への途中切り替えは原則不可
2026年4月2日問題|3号移行ができないケース
既に過ぎた重要なデッドライン
2026年4月2日以降に技能実習2号を開始した実習生は、2027年4月1日時点で2号の就労期間が1年未満となり、技能実習3号への移行ができなくなります。3号移行には2号で1年以上の就労実績が必要となるためです。
該当する実習生は、技能実習2号の在留期限までに次のキャリアパスを決定する必要があります。最も現実的な選択肢が「特定技能1号への移行」です。
育成就労制度では試験免除特典が消える
育成就労制度施行後は、育成就労から特定技能1号への移行に試験合格が必須となります(試験免除なし)。一方、現在の技能実習修了者は試験免除で特定技能1号へ移行可能で、この経過措置は2030年頃まで継続します。今いる技能実習生にとって、この期間の移行は最大のキャリアチャンスです。
| 項目 | 技能実習からの移行 | 育成就労からの移行 |
|---|---|---|
| 技能試験 | 同分野なら免除 | 合格必要 |
| 日本語試験 | 同分野なら免除 | JLPT N4以上等が必要 |
| 利用期限 | 2030年頃まで(経過措置) | 恒久的 |
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移行手続きの全体スケジュール
建設業の技能実習→特定技能1号移行は、複数の手続きを並行して進める必要があります。在留期限の6ヶ月前から準備を開始するのが理想的なスケジュールです。
推奨スケジュール(在留期限6ヶ月前から)
| 6ヶ月前 | 準備開始|JAC加入・CCUS登録・建設業許可の確認 |
|---|---|
| 5ヶ月前 | 受入計画作成|雇用契約書・支援計画・同等報酬の根拠資料の整備 |
| 4ヶ月前 | 国交省へ受入計画認定申請|オンラインで申請(外国人就労管理システム) |
| 3ヶ月前 | 入管へ在留資格変更申請|並行申請も可能(ただし認定証は必須) |
| 2ヶ月前 | 国交省認定取得|認定証を入管に追加提出 |
| 1ヶ月前 | 入管許可|新しい在留カード受領、就労管理システムへの受入報告 |
技能実習修了の6ヶ月前から受入計画申請が可能
建設特定技能受入計画は技能実習修了の6ヶ月前から申請可能です。関東地方整備局など申請が集中する地域では審査に3〜4ヶ月かかることもあるため、6ヶ月前申請を強く推奨します。受入計画認定後に在留資格変更申請を行えば、在留期限切れによる就労中断のリスクを最小化できます。
建設業の技能実習生移行に必要な準備
建設業で特定技能受入企業になるためには、以下の4つの体制整備が必要です。技能実習生の移行を見据えるなら、できるだけ早期に着手してください。
建設業許可の取得・維持
建設業法第3条第1項の許可が必須です。有効期限切れは認められません。更新時期が迫っている場合は、受入計画申請前に更新を完了させてください。
建設キャリアアップシステム(CCUS)への事業者登録
CCUSへの事業者登録が完了している必要があります(申請中では認定されません)。技能者登録も必要で、特定技能2号を見据えるなら最初から「詳細型」での登録を推奨します。海外在住者は入国後に速やかに技能者登録を行います。
JAC(建設技能人材機構)への加入
JACの正会員団体(全建、全管連等)に加入するか、JACの賛助会員(年会費24万円)として直接加入が必要です。賛助会員の場合は理事会承認に約1.5ヶ月かかります。技能実習生を一定数抱えている企業は、所属する業界団体経由での加入を検討すると効率的です。
支援計画の策定または登録支援機関との委託契約
1号特定技能外国人支援計画(10項目)を自社で実施するか、登録支援機関に委託する必要があります。技能実習からの移行の場合、監理団体が登録支援機関を兼ねていれば連携がスムーズになります。
技能実習生移行特有の注意点
監理団体との関係整理
技能実習中は監理団体が支援業務を行いますが、特定技能移行後は受入企業が直接、または登録支援機関を通じて支援を行います。監理団体が登録支援機関の登録を持っている場合は、そのまま継続契約することも可能です。技能実習からのスムーズな移行を目指すなら、現在の監理団体に登録支援機関の登録があるか確認してください。
月給制への切り替え
建設業の特定技能1号では月給制が必須です。技能実習中に日給制・時給制で就労していた場合は、特定技能移行に合わせて月給制への雇用契約変更が必要となります。同等の技能を有する日本人と同等以上の報酬であることを賃金台帳等で証明する必要があるため、報酬設計には特に注意が必要です。
同等報酬の証明
比較対象日本人の選定が重要
同等報酬の証明には、比較対象となる日本人の賃金台帳と実務経験証明書が必要です。比較対象の日本人がいない場合は、建設業の公的賃金統計調査資料等で根拠を示す必要があります。技能実習中の報酬と特定技能移行後の報酬の差を企業内で説明できるよう、報酬規程の整備を進めてください。
在留期限切れに注意
在留期限を過ぎると不法残留扱いに
技能実習の在留期限を過ぎてしまうと、原則として一度帰国の必要が生じます。建設業特有の二段階審査により他分野より時間がかかるため、在留期限の6ヶ月前からの準備開始が必須です。間に合わない場合の救済策として「特定活動(6月・就労可)」への変更も可能ですが、特定技能1号の通算在留期間にカウントされるなどのデメリットがあります。
移行にかかる費用の全体感
建設業で技能実習生を特定技能1号に移行する場合、行政書士費用以外にも複数の費用が発生します。初年度の費用感を把握しておくことで、適切な予算管理が可能になります。
| 費目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| JAC賛助会員年会費 | 240,000円/年 | 正会員団体経由なら別料金 |
| JAC受入負担金 | 12,500円/月/人 | 2024年7月以降、人材ルート問わず一律 |
| CCUS事業者登録料 | 0〜240,000円 | 資本金により異なる |
| CCUS技能者登録料 | 2,500〜4,900円/人 | 9年間有効 |
| 建設特定技能受入計画認定申請(行政書士) | 80,000円 | 当事務所の場合 |
| 在留資格変更許可申請(行政書士) | 50,000円/人 | 当事務所の場合 |
| 登録支援機関への委託費用 | 20,000〜40,000円/月/人 | 自社支援の場合は不要 |
例えば技能実習修了者を1名特定技能1号に移行する場合、初年度に必要な行政書士費用は建設特定技能受入計画認定(80,000円)+在留資格変更(50,000円)=130,000円(税抜)が目安です。これに加えてJAC会費・受入負担金・登録支援機関費用などのランニングコストが発生します。
不許可・遅延を防ぐためのポイント
建設業の特定技能受入計画認定申請・在留資格変更申請は、書類間の整合性を厳しく審査されます。よくある不備パターンを把握し、未然に防いでください。
JAC加入・CCUS登録は「申請中」では不可
JAC加入とCCUS登録は完了している必要があります。申請中の状態では受入計画認定申請ができません。技能実習生の移行スケジュールから逆算して、最低3ヶ月前には登録・加入を完了させてください。
同等報酬の根拠は具体的に
「日本人と同等以上」と書くだけでは認められません。比較対象日本人の賃金台帳や実務経験証明書、または建設業の公的賃金統計を用いて具体的な根拠を示してください。技能実習からの昇給幅も合理的に説明する必要があります。
書類間の記載内容の整合性
雇用契約書・雇用条件書・重要事項事前説明書の所定労働時間、休日日数、賃金額、昇給条件等が完全に一致している必要があります。一つでも不整合があると補正対応となり、認定が大幅に遅れます。
監督処分歴の事前確認
申請前5年間に建設業法に基づく監督処分(指示処分・営業停止処分・取消処分)を受けていると認定不可です。「国交省ネガティブ情報等検索サイト」で必ず事前確認してください。
就労管理システムの「引き戻し」は避ける
受入計画申請後にオンラインで「引き戻し・再編集」をすると、再申請日順で審査が始まり、審査順が大幅に遅れます。一度申請したら補正指示を待つことを基本とし、自主的な引き戻しは慎重に判断してください。
よくある質問
料金
建設特定技能受入計画認定申請
80,000円
(税抜)
在留資格変更許可申請
50,000円
(税抜・1人あたり)
在留期間更新許可申請
30,000円
(税抜・1人あたり)
※上記は基本料金です。案件の難易度(複数人の同時申請、特殊な業務区分、不許可歴がある等)に応じて難易度加算が発生する場合があります。料金は事前のヒアリングにて確定しますので、まずは無料相談をご利用ください。
まとめ
この記事のまとめ
- 建設業の技能実習生は試験免除で特定技能1号に移行可能——同分野なら技能試験・日本語試験ともに免除(2030年頃までの経過措置)
- 建設業特有の二段階審査——国交省の建設特定技能受入計画認定 → 入管の在留資格変更の順序が必要
- 準備期間は最低6ヶ月——JAC加入・CCUS登録・受入計画認定・入管申請を並行して進める
- 2026年4月2日問題への対応が必要——同日以降に2号を開始した実習生は3号移行不可。特定技能1号への移行が現実的
- 育成就労制度施行(2027年4月1日)への備え——既存の技能実習生は経過措置で継続可能だが、育成就労からは試験免除特典がなくなる
- 初年度の費用感——行政書士費用は受入計画80,000円+在留資格変更50,000円。これに加えてJAC・CCUS・登録支援機関費用
- 不許可・遅延を防ぐには専門家のサポートが有効——書類間の整合性、同等報酬の根拠、JAC・CCUS登録のタイミング管理など複雑な要素が多い
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この記事の情報について
本記事の内容は2026年4月25日時点の法令・運用に基づいて作成しています。建設特定技能制度、育成就労制度、JAC・CCUSの運用は今後変更される可能性があります。実際の申請にあたっては、国土交通省・出入国在留管理庁・JACの最新情報をご確認ください。育成就労制度の詳細(分野別運用方針、転籍制限期間、監理支援機関の許可基準等)は今後順次具体化される予定です。個別の案件については必ず専門家にご相談ください。
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