特定技能2号の更新で問われること|誓約書の記載と実態のずれ
特定技能2号の更新|誓約書で問われる指導・管理の実態
2026年8月20日以降の在留諸申請から、2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)の提出が必要になりました。指導を受ける対象者を氏名で特定して記載する様式です。それ以前に2号を取得した方にとっては、次の更新がこの様式の初回になります。10月19日の改正で指導対象者の扱いが柔軟になりましたが、更新のたびに指導・管理の実態を書面で示すことに変わりはありません。何を示すことになるのか、あらかじめ確認しておく必要があります。
- 更新のたびに、指導・管理の実態を書面で示すことになります。誓約書は在留期間更新許可申請の提出書類にも記載されており、指導を受ける対象者の氏名・事業所及び所属部署名・役職又は地位・指導を受ける職務内容を記載します。
- 2号の業務は、技能実習生または1号特定技能外国人の業務と同一であってはならないとされています。誓約書ではこの違いも記載します。
- 指導対象者の条件は2026年10月19日に改正されました。原則は同一の事業所・同一の部署ですが、別の事業所の者や他の2号から指導を受けている者も、合理的な事情を説明できれば個別に判断されます。一時的に足りない場合は、様式の留意事項5で理由を説明して申請できます。
- 書けない場合は、書き方ではなく業務分担の問題です。役職の発令や職務範囲の整理には時間がかかるため、早めの確認が必要になります。
- 記載内容と実態に相違があれば在留資格が取り消される可能性があり、虚偽記載は特定技能所属機関の欠格事由に該当するとされています。
次の更新から何が変わるのか
出入国在留管理庁は令和8年8月5日、2号特定技能外国人の在留諸申請について、業務内容と指導を受ける対象者を申告する誓約書を新たに求めると公表しました。適用は8月20日以降の申請からです。同日付の運用要領改正で、この誓約書が特定技能2号の確認対象の書類として掲げられました。
2号特定技能外国人に付与される在留期間は、3年、1年又は6月です。初回から3年が出るとは限らないため、1年で許可された方は取得の翌年に更新を迎えます。
これまでとの違い
従来の2号の申請では、技能試験の合格や分野ごとに定められた実務経験を証明する資料により、技能水準を確認する形が中心でした。指導を受ける対象者を氏名で特定し、その職務内容まで記載する様式は設けられていませんでした。
今回の誓約書によって、分野別運用方針が定める「複数の作業員を指導」「工程を管理する業務」といった2号の業務内容が、具体的な人と業務の形で示されることになります。
したがって、8月20日より前に2号を取得した方については、次の更新がこの様式を作成する最初の機会になります。誓約書そのものの記載事項は、特定技能2号「業務内容に関する誓約書」の書き方で整理しています。
更新申請でも提出します
この誓約書は、在留資格変更許可申請だけでなく在留期間更新許可申請でも提出します。特定技能2号の提出書類一覧表に、提出書類として記載されています。
つまり、2号で在留を続ける限り、更新のたびに指導・管理の実態を書面で示すことになります。
誓約書で書くことになる2つのこと
様式は大きく2つのパートに分かれています。
2号本人の業務内容
所属部署名、役職又は地位、具体的な職務内容。加えて、技能実習生や1号特定技能外国人との職務内容の違いを記載します。
指導を受ける対象者
氏名(外国人の場合は在留カード番号も)、事業所及び所属部署名、役職又は地位、指導を受ける職務内容。様式には5名分の欄があり、足りない場合は追加します。
「同一であってはならない」が基準です
運用要領では、2号が通常従事する業務は技能実習生または1号特定技能外国人の業務と同一であってはならないとされています。また、指導業務・管理業務・自らの判断による専門的技術的業務であること、分野ごとに定められた対象者数以上を指導していることが明記されています。
つまり、1号との違いを書けないのであれば、書き方の問題ではなく業務分担の問題ということになります。
指導対象者の条件(10月19日改正)
指導を受ける対象者として記載できる人には条件があります。この部分は2026年10月19日に改正され、扱いが柔軟になりました。
| 論点 | 改正前 | 改正後(2026年10月19日〜) |
|---|---|---|
| 別の事業所に 出勤している者 | 対象者に含まれない | 原則は含まれないが、合理的な事情があれば柔軟に取り扱う。様式の留意事項3に理由を記載する |
| フルタイム勤務 ではない者 | 対象者に含まれない | 改正後の運用要領の記載から、この文言はなくなりました |
| 他の2号から 指導を受けている者 | 対象者に含まれない | 専門性の異なる2号が同一人を指導する場合など、合理的な理由があれば含める |
| 対象者数が 足りない場合 | 記載なし | 一時的な不足であれば、留意事項5にチェックを入れ理由を記載して申請できる |
分野ごとに必要な対象者数は様式に参考として示されており、多くの分野で2名以上です。自動車整備分野と航空分野の空港グランドハンドリング区分は1名以上、航空分野の航空機整備区分・漁業分野・外食業分野は対象者がいない場合も差し支えないとされています。
更新で足りない場合は、前回チェックしたかどうかで変わります
留意事項5のチェック欄には、次回の在留期間更新許可申請の際に指導対象者数を充足していない場合は、その更新が不許可となり得ることを理解していると書かれています。
前回の申請でこのチェックを入れている場合、今回の更新までに体制を整えておくことが前提になります。整っていなければ、不許可の可能性があります。
人の入れ替わりでも影響します
条件を満たしているかどうかは、時間の経過でも変化します。取得時に人数を満たしていても、更新時には足りなくなっていることがあります。
- 対象者が退職した
- 対象者が別の事業所へ異動した
- 対象者の勤務形態や担当業務が変わり、実際には指導していない状態になった
- 同じ事業所で2人目の2号を受け入れ、指導対象者が重なった(専門性の違いを説明できるか)
いずれも通常の人事の中で起こることです。これらが誓約書の要件に影響するという点を意識しておくことが、更新をスムーズに進める前提になります。
更新前に確認すること
確認しておきたい5点
- 2号本人の役職又は地位が発令され、社内で認識されているか
- 2号本人の職務に、自らの判断を伴う場面があるか(工程順序の決定、品質や安全の最終判断など)
- 同一の事業所・同一の部署に、指導対象者が分野の必要数だけ在籍しているか
- その対象者が他の2号からも指導を受けている場合、専門性の違いを説明できるか
- 前回の申請で留意事項5にチェックを入れた場合、その後に体制が整っているか
- 雇用条件書や賃金規程が、記載する役職や職務内容と整合しているか
1点目と2点目は、書き出してみると差がはっきり出ます。「社員」「作業員」といった表記では1号や技能実習生と区別がつきません。班長、職長、主任、店長など、社内で発令している役職名を記載することになります。
職務内容も同様で、「調理」「製造」「施工」といった一語では違いが出ません。どの工程で、何を、誰の判断で決めているのか。自らの判断が入る場面を書き出すと、1号との違いが自然に見えてきます。
いつから着手するか
在留期限の3か月前には状況を確認しておくことをおすすめします。役職の発令や職務範囲の整理、人員の配置には時間がかかるためです。1年の在留期間が付与されている方は、許可が下りた時点で次の更新を意識しておくくらいでちょうどよいと考えています。
書けないと分かったときの対応
確認した結果、指導対象者が足りない、1号との違いを説明できない、という場合があります。この場合に取れる対応は限られます。
業務分担を組み直す
2号本人に指導・管理の業務を実際に担わせ、1号や技能実習生との役割を分けます。実態を伴わせることが前提です。
役職を発令する
指導・管理の立場にあることを社内の人事上も明確にします。あわせて雇用条件書や処遇との整合を確認します。
配置を見直す
指導対象者が同一の事業所・同一の部署にいる状態を作ります。採用や配置転換を伴う場合は数か月を見込んでください。
一時的な不足であれば、留意事項5で説明する
採用プロセス中や、離職・休職による一時的な不足であれば、様式の留意事項5にチェックを入れ、理由と解消の見込みを記載して申請します。ただし次の更新までに整えることが前提で、整っていなければその更新が不許可となり得るとされています。
形式的な対応は取れません
人数を満たすために形だけ役職を付ける、実際には指導していない人を記載する、といった対応は取れません。
入管庁は、記載内容と実際の内容に相違がある場合は在留資格が取り消される可能性があること、虚偽の内容を記載した場合は特定技能所属機関としての欠格事由に該当することを明示しています。欠格事由に該当すれば、影響は2号だけでなく特定技能外国人の受入れ全体に及びます。
誓約書には2号特定技能外国人本人の署名欄があります。本人が内容を理解したうえで署名する構造になっているため、実態と異なる記載を本人に署名させることも避けなければなりません。
「この体制で更新できますか」
指導対象者が要件を満たしているか、1号との違いを説明できるか。
更新期を迎える前の段階からご相談いただけます。着手金は不要です。
よくある質問
更新のときも誓約書は必要ですか。
必要です。特定技能2号の提出書類一覧表に、2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)が在留期間更新許可申請の提出書類として記載されています。更新のたびに作成することになります。
指導を受ける対象者の条件はどうなっていますか。
2026年10月19日の改正で扱いが変わりました。原則として、指導対象者は2号特定技能外国人と同一の事業所に出勤し、同一の部署に所属する者です。ただし、別の事業所の者や、他の2号から指導を受けている者についても、合理的な事情があると認められる場合は個別に判断されます。改正前にあった「フルタイム勤務ではない者は含まれない」という記載は、改正後の運用要領からなくなりました。
1号との職務内容の違いが書けない場合はどうすればよいですか。
運用要領では、2号が通常従事する業務は技能実習生または1号特定技能外国人の業務と同一であってはならないとされています。違いを説明できない場合は、書き方の問題ではなく業務分担の問題です。更新までに役職の発令や職務範囲の整理が必要になります。
形式的に役職を付けて対応することはできますか。
できません。記載内容と実際の内容に相違がある場合は在留資格が取り消される可能性があり、虚偽の内容を記載した場合は特定技能所属機関としての欠格事由に該当するとされています。影響は特定技能外国人の受入れ全体に及びます。
2号の更新に納税や社会保険の状況は影響しますか。
在留期間更新許可申請では、納税義務のほか公的義務の履行が考慮されます。納税義務を履行していない場合や、国民健康保険・国民年金の保険料を一定程度納付していない場合は、消極的な要素として評価されることとなります。
ご依頼と費用
2号の更新は、様式を埋める作業というより「指導・管理の実態を書面で示せる状態にする」作業です。対象者の在籍状況・勤務形態・配置の確認から、役職や職務内容の整理、誓約書の作成、本人の署名取得まで対応します。当事務所は特定技能に特化し、来客対応を行わない完全オンライン体制で運営しています。
| 手続き | 報酬 | 備考 |
|---|---|---|
| 在留期間更新許可申請 (特定技能2号) | 50,000円 | 1名あたり 誓約書の作成を含む |
| 特定技能2号への移行 (在留資格変更許可申請) | 50,000円 | 1名あたり |
| 家族滞在の申請 (認定・変更) | 50,000円 | 1名あたり |
| 初回相談 | 無料 | 体制の確認のみでも可 |
まとめ
この記事のまとめ
- 2026年8月20日以降の在留諸申請から誓約書が必要——それ以前に2号を取得した方は次の更新が初回
- 書くのは本人の業務内容と、指導を受ける対象者——対象者は氏名まで特定する
- 2号の業務は技能実習生・1号と同一であってはならない——違いを書けないなら業務分担の問題
- 10月19日の改正で条件が柔軟に——別の事業所、他の2号から指導を受けている人も理由を書けば個別判断
- 退職・異動でも人数は変わる——一時的な不足なら留意事項5で説明できる
- 確認は在留期限の3か月前までに——役職の発令や配置の見直しには時間がかかる
- 形式的な対応は取れない——虚偽記載は欠格事由に該当し、受入れ全体に影響する
2号の更新をご検討中の企業様へ
体制の確認から誓約書の作成、申請まで。
全国オンラインで対応しています。準備段階のご相談も歓迎です。
参考にした一次情報
出入国在留管理庁「2号特定技能外国人の業務内容について」(令和8年8月5日)出入国在留管理庁「『特定技能外国人受入れに関する運用要領』の一部改正について」(令和8年8月20日・令和8年10月19日)
参考様式第1-32号「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」(令和8年10月19日改正)
出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q102〜Q105
出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」
出入国在留管理庁「特定技能2号 提出書類一覧表」
出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」に掲載の参考様式第1-32号
この記事の情報について
本記事は2026年10月20日時点で出入国在留管理庁が公表している情報に基づいています。提出書類や運用は今後変更・補足される可能性がありますので、申請にあたっては必ず最新の提出書類一覧表および様式をご確認ください。許可の可否は個別の審査によります。個別の事案については専門家にご相談ください。
執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所/東京都新宿区西新宿4-40-5 西新宿ビューハイツ903)



