特定技能の費用相場|公的調査と公開料金で見る内訳

特定技能の費用|採用・支援委託費・申請費用の内訳と相場
受入企業向け 2026年10月の手数料改定対応

特定技能の費用|採用・支援委託費・申請費用の内訳と相場

特定技能の費用は「1人あたりいくら」ではまとめられません。採用時に1回だけかかる費用、雇用している間ずっとかかる支援委託費、年単位で発生する申請・届出の費用。この3つが別々に積み上がります。この記事では、何にいくらかかるのかを項目ごとに分解し、登録支援機関の委託費をどう見比べるか、採用ルートで総額がどう変わるかまで整理します。

読了 約10分 更新日:2026年10月10日 カテゴリ:特定技能/費用 執筆:行政書士 鹿間英樹
執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所・東京都行政書士会新宿支部/登録番号 第24080583号)/特定技能・技術・人文知識・国際業務を中心に累計500件超の在留申請に対応
この記事の結論
  • 費用は初期費用・毎月の支援委託費・年単位の申請費用の3層に分かれます。見積りを比べるときは、この3つを分けないと判断を誤ります。
  • 初期費用は採用ルートで数倍変わります。海外から50万円〜150万円、国内在住者25万円〜60万円、自社の技能実習生からの移行10万円〜20万円が目安です(費目を積み上げた概算)。
  • 継続費用の中心は支援委託費。公的調査では月額の中央値22,500円、公開料金の集計では20,000円でした。金額そのものより、何が含まれていて何が別料金かを内訳で確認します。
  • 入管に納める手数料は、2026年10月1日から、許可される在留期間に応じた金額に改定されました。

費用の全体像|3層に分けて把握する

特定技能の費用を検討するとき、最初にやるべきは金額を調べることではなく、発生の仕方で分類することです。1回だけの費用と、毎月積み上がる費用を同じ表に並べると、判断を誤ります。

層発生タイミング主な内容
初期費用採用決定から入社まで(1回)人材紹介手数料、送出機関手数料、在留資格の申請費用、渡航費、住居の準備費用
月額費用雇用中は毎月登録支援機関への支援委託費(自社支援の場合は発生しない)
年単位の費用年1回または在留期間ごと在留期間更新許可申請、定期届出、分野別団体の負担金・会費(建設分野など)

給与は含めていません

この記事で扱うのは、給与や社会保険料以外の「採用と受入れに伴う費用」です。報酬は日本人と同等額以上であることが要件であり、コスト削減の対象にはなりません。給与水準を下げる方向での検討は、要件を満たさなくなるため成り立ちません。

初期費用の内訳

初期費用が最も大きくなるのは、海外から呼び寄せる場合です。ここを基準に項目を押さえておくと、他のルートとの差分が見えます。

この記事の金額の出どころ

この記事で示す金額は、次の3つを分けて示しています。①公的機関が公表した調査の数値(出典を明記)、②料金を公開している事業者の金額を集計した結果(集計の方法と件数を明記)、③当事務所が実務で見てきた範囲の目安です。②は料金を公開している事業者に偏るため、市場全体の相場とは一致しません。

入国までにかかった費用の分布(公的調査)

厚生労働省の「令和7年 外国人雇用実態調査」には、入職前に日本以外に住んでいた労働者が入国に要した費用の分布が、在留資格別に示されています。特定技能は次のとおりです。

入国に要した費用特定技能技能実習
20万円未満22.2%11.0%
20万円〜40万円未満17.9%21.0%
40万円〜60万円未満24.2%20.6%
60万円〜80万円未満11.7%15.3%
80万円〜100万円未満13.4%14.5%
100万円以上8.4%15.6%

厚生労働省「令和7年 外国人雇用実態調査の概況」第18表(令和8年8月31日公表、令和7年9月30日現在)。これは労働者本人が入国までにかけた費用の総額で、会社と本人のどちらが負担したかは区別されていません。

海外から呼び寄せる場合の費目

費用項目金額の目安根拠
人材紹介手数料20万円〜50万円料金を公開している事業者の金額(後述)
送出機関への費用国によって大きく異なる公的調査の平均額(後述)
在留資格の申請費用5万円〜15万円行政書士の報酬(当事務所は50,000円・税別)
渡航費(航空券)5万円〜10万円当事務所が実務で見てきた範囲
住居の準備費用10万円〜50万円当事務所が実務で見てきた範囲(地域差が大きい項目)
入国前後のサポート費用委託費に含む場合と別建ての場合がある後述の支援委託費の章を参照

すべての費目が必ず発生するわけではありません。採用経路によっては、人材紹介手数料と送出機関への費用の一方しか生じないこともあります。

人材紹介手数料|公開されている料金

2026年10月時点で、料金を公開している事業者の金額を確認したところ、特定技能では年収比例ではなく定額が主流で、実額は20万円〜50万円でした。明示されている金額で最も多かったのは30万円です。人数に応じて単価を下げる設定(1〜10名は40万円、20名以上は25万円など)や、紹介料を0円としている事業者もあります。

参考|日本人を含む人材紹介手数料の水準

厚生労働省の「職業紹介事業報告書の集計結果」によると、令和6年度の常用就職1件あたりの手数料は約103万円です。職種別では、介護が59万7千円、看護が72万5千円とされています。これは日本人を含む全求職者の数値で、外国人材に限った統計ではありませんが、特定技能の紹介手数料(20万円〜50万円)がどの位置にあるかの参考になります。

送出機関への費用|公的調査の数値

送出機関への支払額については、出入国在留管理庁が技能実習生を対象に実態調査を行っています(令和4年7月26日公表、有効回答2,184名)。

国籍送出機関への支払費用の平均回答数
全体521,065円1,336
ベトナム656,014円632
中国578,326円277
カンボジア571,560円68
ミャンマー287,405円80
インドネシア231,412円242
フィリピン94,191円37

出入国在留管理庁「技能実習生の支払い費用に関する実態調査の結果について」(令和4年7月26日公表)。技能実習生を対象とした調査で、特定技能の数値ではありません。平均値のみが公表されており、中央値は示されていません。また、これは技能実習生本人が支払った額で、受入企業の負担額ではありません。

誰が負担するかは、国と契約によって変わります

送出国の制度や契約によって、費用を負担するのが本人か企業かが変わります。たとえばフィリピンのように、本人からの費用徴収が制限され、受入側の負担となる国もあります。見積りを取るときは、金額だけでなく誰が何を負担する前提になっているかを確認してください。

住居費は「実費」で説明できる形にしておく

住居を会社が借り上げて本人に負担させる場合、雇用条件書に記載する住居費は実費に相当する額である必要があります。相場を根拠にした金額設定は、申請時に説明を求められる可能性があります。初期費用の見積り段階で、借上コストと本人負担の関係を整理しておくと、後の書類作成がスムーズです。考え方は特定技能の雇用条件書で整理しています。

登録支援機関の支援委託費|相場と内訳の見方

特定技能1号の受入企業には、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援の実施義務があります。この支援を登録支援機関に委託する場合、毎月の委託費が発生します。受入れが続く限り発生し続けるため、総額への影響は初期費用より大きくなります。

公的な調査での金額

登録支援機関への委託費について、金額まで示した公的な調査は多くありません。確認できたのは、厚生労働省の補助事業として国際厚生事業団(JICWELS)が行った介護分野の調査です。登録支援機関が受入事業者から徴収している金額が示されています。

区分平均中央値回答数
毎月払い(法令に定める支援内容)22,773円22,500円127
受入れ時(法令に定める支援内容)87,808円45,000円90
受入れ時(法令に定める支援内容以外)154,660円100,000円63

国際厚生事業団「介護分野における特定技能制度の推進方策に関する調査研究」報告書 第6章(厚生労働省 令和3年度 老人保健健康増進等事業)。令和3年10月〜12月に実施された登録支援機関向けアンケートです。介護分野・2021年時点の数値である点にご注意ください。「法令に定める支援内容以外」には、人材の紹介(平均127,652円)や在留資格の申請支援などが含まれます。

公開されている料金を集計した結果

公的な調査が限られるため、料金をサイトで公開している事業者の金額を集計しました(2026年10月時点、14件)。

集計月額(1名あたり)
中央値20,000円
最小5,000円
最大38,500円

集計の方法:金額に幅がある場合は下限値、複数プランがある場合は通常の開始プランの金額を採用しました。税別・税込は各社の表示のままで、混在しています。税別表示を税込に換算しても、中央値は20,000円で変わりませんでした。

この集計には偏りがあります

料金を公開しているのは、主に小規模な事務所と、価格の安さを打ち出している事業者です。大手を含む比較記事では、掲載された事業者のほとんどが「要問い合わせ」でした。したがって上の中央値20,000円は「料金を公開している事業者の中央値」であり、市場全体の相場ではありません。実際の見積りはこれより高くなることがあります。

項目金額の目安備考
支援委託費(月額)2万円台が一つの目安月25,000円なら年30万円、月35,000円なら年42万円
初期対応費(機関による)委託費に含む場合と別建ての場合がある事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保の支援など

委託費に含まれるものと、別料金になりやすいもの

同じ「月3万円」でも、含まれる範囲は機関によって違います。金額を並べて比べる前に、内訳をそろえてください。

項目確認するポイント
定期面談(3か月に1回以上)訪問か、オンラインか。訪問の場合の交通費が別途かどうか
相談・苦情対応対応時間、対応言語、緊急時の連絡体制
通訳の費用月額に含まれるか、都度の実費か。対応言語の範囲
公的手続きへの同行市区町村での手続きへの同行が含まれるか、回数の制限があるか
住居の確保の支援物件探し、契約の同行、保証人の手配まで含むか
日本語学習の機会の提供教材の紹介までか、教室やオンライン講座の費用を含むか
届出書類の作成後述のとおり、報酬を得て行う場合は行政書士法の制限がかかります

見積りを比較する5つの軸

1

月額に含まれる範囲

上の表の項目のうち、どこまでが月額に含まれるか。安く見える見積りほど、別料金の項目が多い場合があります。

2

初期費用の有無

入国前後の対応(事前ガイダンス、送迎、住居の確保)が月額と別に請求される形か。初年度の総額はここで変わります。

3

対応言語と体制

受け入れる人材の母国語に対応できるか。担当者が何名で、緊急時に誰が動くか。安さの理由が体制の薄さであれば、結局は社内の工数が増えます。

4

分野の実績

自社の分野での支援実績があるか。分野ごとに生活面の課題(勤務時間帯、寮の形態、通勤手段など)が違うため、実績の有無は対応の質に表れます。

5

申請書類の扱い

在留資格の申請書類や届出の作成を、誰が行う前提になっているか。見積書の費目と契約書の業務範囲で確認します。

支援委託費に申請書類の作成費が含まれていないか

報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは、行政書士または行政書士法人に限られます(行政書士法第19条第1項。他の法律に別段の定めがある場合などは除かれます)。同項は「いかなる名目によるかを問わず」と定めているため、支援委託費という名目でも、実質が申請書類の作成の対価であれば問題になり得ます。詳しくは特定技能の書類作成は誰に頼むかをご覧ください。

支援は登録支援機関、申請書類の作成は行政書士、という形で契約を分けておけば、費用の内訳も明確になります。当事務所は多くの登録支援機関と提携しており、支援の委託先はそのままで、申請書類の作成だけをご依頼いただく形にも対応しています。

見積書の内訳を一緒に確認します

他社の見積書や支援委託契約書を見ながら、何にいくら払っているかを整理するご相談に対応しています。
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支援を自社で行う場合の費用

支援を自社で実施すれば、登録支援機関への委託費は発生しません。月25,000円で委託している場合なら1名あたり年30万円、5名なら年150万円の差になり、受入れ人数が増えるほど金額は大きくなります。

ただし、委託費がそのまま浮くわけではありません。支援担当者の人件費、通訳や教材の費用、面談記録の管理といった社内のコストが発生します。また、支援責任者・支援担当者の選任、本人が理解できる言語での相談体制など、体制面の基準を満たす必要があります。

なお、支援体制の基準は2027年4月1日に改正され、事業所ごとに常勤の役員または職員から支援責任者・支援担当者を選任することなどが求められます。これから切替えを検討する場合は、改正後の基準も前提に考える必要があります。

分かれ目は「兼務でできるか、専任を採用するか」

どちらが有利かは人数だけでは決まりません。既存の社員が兼務でき、その工数を按分できる場合は、数名規模でも差額が出ます。一方、専任の担当者を新たに採用する場合は人件費が丸ごと乗るため、数名規模では委託のほうが安くなることが多くなります。担当者の人件費、通訳の必要性、拠点の数を踏まえて、年間の総額で比較してください。要件の判断材料は特定技能の自社支援で整理しています。

申請・届出にかかる費用(2026年10月の手数料改定)

費用項目金額の目安頻度
在留資格認定証明書交付申請5万円〜15万円(当事務所は50,000円・税別)採用時
在留資格変更許可申請5万円〜15万円(当事務所は50,000円・税別)採用時・2号移行時
在留期間更新許可申請3万円〜5万円(当事務所は30,000円・税別)在留期間ごと
定期届出の作成3万円程度から(当事務所は3名まで30,000円・税別)年1回
入管に納める手数料許可される在留期間に応じた金額(2026年10月1日改定)許可時(実費)

入管の手数料は2026年10月1日から変わりました

在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の手数料は、改定前のように一律ではなく、許可される在留期間に応じた金額になりました。1年の許可と3年の許可では納付額が変わるため、予算を組むときは許可見込みの期間も踏まえて考える必要があります。

適用の基準は申請の受付日です。2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料(収入印紙による納付)となります。なお、在留資格認定証明書交付申請には手数料はかかりません。

オンライン申請は納付方法も変わりました

2026年10月1日以降に受け付けられたオンライン申請では、収入印紙での納付ができなくなり、コンビニ決済または銀行決済に変わりました。あわせて決済手数料が加算されます。窓口で申請した場合は、従来どおり収入印紙で納付します。

許可される在留期間手数料決済手数料支払額の合計
3月以下10,000円330円10,330円
3月超6月以下15,000円330円15,330円
6月超1年未満21,000円330円21,330円
1年27,000円330円27,330円
1年超3年未満42,000円330円42,330円
3年以上5年未満56,000円550円56,550円
5年以上65,000円550円65,550円

出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について(2026年10月1日以降の申請分のみに適用)」による、在留資格変更許可・在留期間更新許可の場合の金額です。窓口申請の金額は別に定められています。詳しくは在留資格の変更・更新手数料の改定をご覧ください。

支払いのタイミングにも注意してください

オンライン申請では、審査が終わったあとに決済の案内メールが届き、在留カード等を受け取る前日までに支払う必要があります。複数の申請をまとめて支払うことはできず、申請ごとの支払いになります。クレジットカード決済とQRコード決済には対応していません。

届出も費用が発生する書類です

定期届出や随時届出も、出入国在留管理庁に提出する書類です。報酬を得て作成を依頼する場合は行政書士法の対象になります。届出の種類と期限は特定技能の随時届出、様式と書き方は特定技能の定期届出で解説しています。

分野によって追加でかかる費用

見積りの比較で見落とされやすいのが、分野固有の費用です。同じ特定技能1号でも、分野によって必要な手続きと負担が違います。

分野追加で発生し得るもの
建設建設技能人材機構(JAC)への加入(正会員団体を通じるか賛助会員)が必要です。受入負担金は、2024年7月分から1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円です。このほか、加入形態に応じた会費(賛助会員の企業は年会費24万円、正会員の建設業者団体は年会費36万円。正会員団体の傘下で受け入れる場合はJACへの年会費はなく所属団体の会費)、建設特定技能受入計画の認定申請に関する費用、建設キャリアアップシステムの登録費用が発生します
その他の分野分野別の協議会への加入が必要です。加入時の費用の有無は分野によって異なるため、所管省庁・協議会の公表内容で確認してください

分野別団体の費用は改定されることがあるため、金額は各団体の公表資料でご確認ください。建設分野の受入計画については建設特定技能受入計画の認定申請で解説しています。

採用ルート別の総額比較

同じ特定技能1号でも、どこから採用するかで初期費用は数倍変わります。

採用ルート初期費用の目安発生しない項目
海外から呼び寄せ50万円〜150万円—
国内在住者を採用25万円〜60万円送出機関手数料、渡航費
自社の技能実習生から移行10万円〜20万円人材紹介手数料、送出機関手数料、渡航費、住居の新規準備

各費目を積み上げた概算で、公的な統計ではありません。前述の厚生労働省の調査では、特定技能の方が入国に要した費用は40万円〜60万円未満が最も多く(24.2%)、20万円未満も22.2%でした。ただしこれは本人が負担した分を含む総額で、企業の負担額とは一致しません。

自社の技能実習生からの移行が最もコストを抑えられます

すでに自社で就労している人材のため、紹介手数料と渡航関連の費用が発生せず、住居も継続できることが多いです。加えて、多くの分野では技能実習2号を良好に修了していれば技能試験・日本語試験が免除されるため、試験の受験に伴う時間とコストも省けます。移行のスケジュールと在留期限の逆算は技能実習から特定技能1号への移行で解説しています。

安いルートが常に最適とは限りません

移行できる人材が社内にいなければ、このルートは選べません。また分野によっては受入れ見込数の上限に達して新規の受入れが制限されることがあり、ルートの選択自体が制約を受けます。コストだけでなく、必要な時期に必要な人数を確保できるかを合わせて判断してください。

費用を抑えるための選択肢

1

自社の技能実習生から移行する

紹介手数料と渡航関連費用が不要になり、初期費用を最も大きく圧縮できます。実習生の修了時期から逆算して、変更申請の準備を早めに始めることが前提です。在留期限に間に合わないと一度出国が必要になる場合があるため、時期の管理が実質的なコスト対策になります。

2

支援委託の内容を見直す

委託先を変えることだけが見直しではありません。現在の契約で使っていない項目はないか、通訳や同行が別料金で積み上がっていないかを内訳で確認するところから始めます。受入れ規模が増えているなら、単価の見直しを相談できる場合もあります。

3

申請書類の作成を行政書士に直接依頼する

在留資格の申請書類の作成は、報酬を得て行う場合は行政書士の業務です。受入企業が行政書士と直接契約する形にすると、費用の内訳が明確になり、支援の委託費と申請の費用を分けて管理できます。支援の委託先を変える必要はありません。

削減してはいけない部分があります

報酬額は日本人と同等額以上であることが要件です。また義務的支援の内容を省略することはできません。これらを削る方向の検討は、要件を満たさなくなるため成り立ちません。削減の対象は、あくまで紹介・仲介の費用と、支援の実施方法の選択です。

特定技能の申請費用|当事務所の報酬(すべて税別)
申請・届出の種類報酬備考
在留資格認定証明書交付申請50,000円1名あたり
在留資格変更許可申請50,000円1名あたり
在留期間更新許可申請30,000円1名あたり
定期届出の作成(3名まで)30,000円4名以上はお見積り
初回相談無料全国オンライン対応
必要書類のご案内、申請書類一式の作成、申請取次、追加資料への対応が料金に含まれます。入管に納める手数料(2026年10月1日から、許可される在留期間に応じた金額)、登記事項証明書などの実費は別途です。支援計画書の作成、随時届出の作成にも対応します。税証明書・源泉徴収票の取得は申請人ご本人に行っていただきます。

よくある質問

特定技能外国人を1人受け入れるのに、いくらかかりますか。

採用ルートで大きく変わります。費目を積み上げた概算では、海外から呼び寄せる場合は初期費用が50万円から150万円程度、国内在住者の採用なら25万円から60万円程度、自社の技能実習生から移行する場合は10万円から20万円程度です。厚生労働省の令和7年外国人雇用実態調査では、特定技能の方が入国に要した費用は40万円から60万円未満が最も多く24.2%でした(本人負担分を含む総額)。これに加えて、支援を登録支援機関に委託する場合は月額の委託費が継続して発生します。

登録支援機関の支援委託費の相場はいくらですか。

公的な調査では、介護分野を対象とした国際厚生事業団の調査(令和3年度)で、毎月払いの金額が平均22,773円・中央値22,500円とされています。料金を公開している事業者14件を2026年10月に集計したところ、中央値は20,000円、幅は5,000円から38,500円でした。ただし料金を公開しているのは小規模な事務所や価格を売りにする事業者に偏るため、実際の見積りはこれより高くなることがあります。金額だけでなく、義務的支援のどこまでが含まれるか、通訳費・同行費が別料金かどうかを内訳で確認してください。

支援委託費に申請書類の作成費が含まれていてもよいですか。

報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは、行政書士または行政書士法人に限られます(行政書士法第19条第1項。他の法律に別段の定めがある場合などは除かれます)。同項は名目を問わないため、支援委託費という名目でも、実質が申請書類の作成の対価であれば問題になり得ます。契約の中で支援と申請書類の作成を分けておくことが大切です。

入管に納める手数料はいくらですか。

在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請の手数料は、2026年10月1日から、許可される在留期間に応じた金額に改定されました。適用の基準は申請の受付日で、2026年9月30日までに受け付けられた申請は改定前の手数料です。オンライン申請は収入印紙ではなくコンビニ決済・銀行決済になり、決済手数料(330円または550円)が加算されます。在留資格認定証明書交付申請には手数料はかかりません。

支援を自社で行えば、委託費はなくなりますか。

登録支援機関への委託費は発生しなくなります。ただし支援の実施義務そのものは受入企業にあり、支援責任者・支援担当者の選任や、本人が理解できる言語での相談体制など、体制面の基準を満たす必要があります。担当者の人件費や通訳・記録管理の費用も発生するため、差額で判断することになります。

分野によって追加でかかる費用はありますか。

分野ごとに異なります。建設分野では、建設技能人材機構(JAC)への加入が必要で、受入負担金は、2024年7月分から1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円です。このほか加入形態に応じた会費、建設特定技能受入計画の認定申請に関する費用などが発生します。協議会への加入が必要な分野もあります。

まとめ

この記事のまとめ

  • 費用は3層で把握する——初期費用・毎月の支援委託費・年単位の申請費用
  • 初期費用はルートで数倍違う——海外50万〜150万円、国内25万〜60万円、実習生からの移行10万〜20万円(概算)
  • 支援委託費は月2万円台が目安——公的調査の中央値22,500円、公開料金の中央値20,000円
  • 比較の軸は5つ——月額の範囲・初期費用・対応言語と体制・分野の実績・申請書類の扱い
  • 入管手数料は2026年10月1日改定——許可される在留期間に応じた金額に
  • 分野固有の費用を忘れない——建設分野のJAC加入と受入負担金など
  • 削れない費用がある——報酬の同等性と義務的支援の内容

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参考にした法令・資料

出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」
行政書士法(昭和26年法律第4号)第1条の3・第19条
出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について(2026年10月1日以降の申請分のみに適用)」
一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)「年会費と受入負担金」(1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円、2024年7月分から)
厚生労働省「令和7年 外国人雇用実態調査の概況」第18表(令和8年8月31日公表)
出入国在留管理庁「技能実習生の支払い費用に関する実態調査の結果について」(令和4年7月26日公表)
国際厚生事業団「介護分野における特定技能制度の推進方策に関する調査研究」報告書 第6章(厚生労働省 令和3年度 老人保健健康増進等事業)
厚生労働省「令和6年度 職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」「地域ブロック別の職種別平均手数料額」
一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)「年会費と受入負担金」
支援委託費・人材紹介手数料の集計は、2026年10月時点で料金を公開している事業者のページに基づきます

この記事の情報について

本記事は2026年10月10日時点の法令・運用に基づいています。当事務所の報酬以外の金額は、公開情報および実務で確認した範囲での目安であり、統計調査に基づくものではありません。国・地域・委託先・時期により変動し、保証されるものではありません。制度・様式・手数料は随時改定されるため、実際の検討にあたっては申請時点の最新の公表内容をご確認ください。個別の案件については専門家にご相談ください。

執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所/東京都新宿区西新宿4-40-5 西新宿ビューハイツ903)