特定技能の随時届出|6種類の一覧と14日以内の起算日
特定技能の随時届出|6種類の届出事由・様式・14日以内の起算日
定期届出が年1回に変わり、受入企業が日常的に向き合う届出は随時届出になりました。事由が生じるたびに、14日以内の提出が求められます。しかもこの14日は、退職日からではなく「原因となる事由が生じた日」から数えます。届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れることができなくなります。
- 随時届出を提出するのは受入企業(特定技能所属機関)です。支援の全部を委託していても、登録支援機関が届け出ることはできません。
- 所属機関の随時届出は6種類。雇用契約、支援計画変更、支援委託契約、受入れ困難、基準不適合、支援計画の実施困難です。
- 14日の起算日は「原因となる事由が生じた日」です。退職日ではありません。ここを取り違えると期限を過ぎます。
- 実際に退職しなくても届出が必要な場合があります。受入れの継続が困難となった時点、または1か月以上活動できない事由が生じた時点です。
- 届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れることができなくなります。
随時届出を出すのは受入企業です
最初に押さえるべき点です。出入国在留管理庁は、特定技能所属機関による随時届出について、次のように示しています。
登録支援機関は届出を行えません
随時届出は特定技能所属機関(受入れ企業または個人事業主)が届け出る必要があり、外国人への支援実施のために登録支援機関と委託契約を締結していても、登録支援機関が届出を行うことはできないとされています。
支援を全部委託していると、届出も含めて任せているつもりになりがちです。しかし委託によって届出義務が移ることはありません。提出されていなかった場合の不利益も、受入企業に及びます。
誰が書類を作成できるかは、別の論点です
届出義務者が受入企業であることと、届出書を誰が作成できるかは別の問題です。改正行政書士法のもとでの役割分担については、申請書類は誰が作成できるのかで整理しています。
所属機関の随時届出6種類と参考様式
特定技能所属機関が提出する随時届出は、次の6つです。
| 届出が必要となる事由 | 参考様式 |
|---|---|
| 雇用契約の内容を変更した/雇用契約を終了した/新たな雇用契約を締結した | 特定技能雇用契約に係る届出書 参考様式第3-1-1号/第3-1-2号 |
| 支援計画の内容を変更した/支援責任者・担当者を変更した/委託する登録支援機関を変更した/自社支援に切り替えた | 支援計画変更に係る届出書 参考様式第3-2号 |
| 支援委託契約の内容を変更した/終了した/締結した | 支援委託契約に係る届出書 参考様式第3-3-1号/第3-3-2号 |
| 特定技能外国人の受入れを継続することが困難となった | 受入れ困難に係る届出書 参考様式第3-4号 |
| 特定技能基準省令の基準を満たさなくなった | 基準不適合に係る届出書 参考様式第3-5号 |
| 1号特定技能外国人支援計画の実施が困難になった | 支援計画の実施困難に係る届出書 参考様式第3-7号 |
添付書類は、届出の種類ごとに提出資料一覧が公表されています。様式および提出資料一覧は改正されることがありますので、提出前に最新版をご確認ください。
「新たな雇用契約の締結」の意味
1つ目の届出にある「新たな雇用契約の締結」とは、雇用契約を終了した後、在留期限内に同一の特定技能所属機関と再度雇用契約を締結した場合を指すとされています。他社への転職の場面ではありません。
14日の起算日を取り違えない
随時届出は、届出事由が生じてから14日以内に提出します。実務で最も多い誤りが、この起算日です。
退職日から数えるのではありません
受入れ困難に係る届出は、特定技能外国人が退職または1か月以上活動ができない原因となる事由が生じた日から14日以内に提出することとされています。実際に事由が発生した日ではありません。
たとえば本人から退職の申出があり、その時点で受入れの継続が困難になったのであれば、申出のあった日が起算日です。1か月後の退職日を起算日として数えると、期限を過ぎているおそれがあります。
実際に退職しなくても届出が必要です
受入れ困難の届出は、実際に特定技能外国人が退職するか否かに関わらず、受入れの継続が困難となった時点で必要とされています。所属機関都合の退職、病気・けが、行方不明、死亡などが例として挙げられています。
また、入国または在留資格変更の許可を受けた後に、1か月以上活動ができない事由が生じた場合も届出が必要です。
生産ラインの縮小
受注減などにより、本人の従事する業務が1か月以上停止する場合が想定されています。
業務中の病気・けがによる休業
労災の手続きとは別に、入管への届出が必要になります。
妊娠・出産・育児のための休業
本人が就労を継続する意思をもっていても、1か月以上活動できない状態であれば届出の対象です。
私生活上の病気・けがによる休業
業務外の事由による休業も、期間が1か月以上に及ぶ場合は同様です。
いずれも「退職していないから届出は不要」と判断してしまいやすい場面です。休業に入る段階で、届出の要否を確認してください。
提出方法と提出先
提出先は、地方出入国在留管理局または同支局です。2021年4月1日から、特定技能制度における全ての届出を対象として、出入国在留管理庁電子届出システムを利用できます。利用には事前の利用者登録が必要です。
郵送する場合は到達日で判断されます
随時届出Q&Aでは、届出事由が生じてから14日以内に地方出入国在留管理局または同支局に到達することが示されています。投函日ではありませんので、期限間際の郵送は避けてください。
登録支援機関が行う届出
登録支援機関にも、受入企業とは別に届出義務があります。所属機関の随時届出とは別枠の手続きです。
| 届出・報告の内容 | 様式 |
|---|---|
| 登録支援機関の登録事項を変更したとき | 別記第29号の16様式 登録支援機関概要書(参考様式第2-2号)の添付が必要 |
| 支援業務を休止したとき/廃止したとき | 参考様式第4-1号 |
| 支援業務を再開するとき | 参考様式第4-2号 再開予定日の1か月前までに提出 |
| 1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告 | 参考様式第4-3号 |
「この場合、届出は必要ですか」
休業に入った、退職の申出があった、支援体制を変更した。
届出の要否と起算日の判断から、ご相談いただけます。着手金は不要です。
よくある質問
随時届出は登録支援機関が代わりに提出できますか。
できません。出入国在留管理庁は、特定技能所属機関による随時届出は特定技能所属機関が届け出る必要があり、外国人への支援実施のために登録支援機関と委託契約を締結していても、登録支援機関が届出を行うことはできないとしています。
14日はいつから数えますか。
受入れ困難に係る届出は、特定技能外国人が退職または1か月以上活動ができない原因となる事由が生じた日から14日以内です。実際に事由が発生した日ではないとされています。退職日を起算日として数えると、期限を過ぎるおそれがあります。
14日を過ぎてしまった場合、もう提出できませんか。
提出は可能です。随時届出Q&Aでは、速やかに提出すること、届出が遅延した理由の説明が必要であることが示されています。
対象者がすでに他の在留資格に変更している場合も届出は必要ですか。
必要です。「特定技能」の在留資格で在留している間に発生した事由については、すでに他の在留資格に変更している場合や、すでに出国している場合であっても届出が必要とされています。
定期届出とは別に提出するのですか。
別に提出します。定期届出は対象期間が4月1日から翌年3月31日、提出期間は翌年5月31日まで(5月31日が土日祝日の場合は翌開庁日)とされています。随時届出は、これとは別に事由が生じるたびに提出します。定期届出については定期届出の書き方と提出書類をご覧ください。
ご依頼と費用
随時届出は1件あたりの作業量こそ大きくありませんが、要否の判断と起算日の管理が実務の中心になります。当事務所は特定技能に特化し、来客対応を行わない完全オンライン体制で運営しています。届出のみのご依頼も承っています。
| 種類 | 報酬(税別) | 備考 |
|---|---|---|
| 随時届出 | 20,000円 | 1件あたり |
| 定期届出 | 30,000円 | 1所属機関あたり3名まで。4名以降は1名につき5,000円を加算 |
| 在留期間更新許可申請 | 30,000円 | 1名あたり |
| 初回相談 | 無料 | 届出の要否確認のみでも可 |
まとめ
この記事のまとめ
- 届出義務者は受入企業——支援を全部委託していても、登録支援機関は届け出られない
- 所属機関の随時届出は6種類——雇用契約/支援計画変更/支援委託契約/受入れ困難/基準不適合/支援計画の実施困難
- 14日の起算日は「原因となる事由が生じた日」——退職日ではない
- 退職しなくても届出が必要な場合がある——受入れ継続が困難となった時点、1か月以上活動できない事由が生じた時点
- 郵送は到達日で判断される——期限間際の投函は避ける
- 登録支援機関側にも別枠の届出がある——登録事項変更、休止・廃止、再開、特異事案報告
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参考にした一次情報
出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月改正)
出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」に掲載の各参考様式
この記事の情報について
本記事は2026年9月5日時点で出入国在留管理庁が公表している情報に基づいています。参考様式および提出資料一覧は改正されることがありますので、届出にあたっては必ず最新の様式および公式情報をご確認ください。個別の事案については専門家にご相談ください。
執筆:行政書士 鹿間英樹(行政書士しかま事務所/東京都新宿区西新宿4-40-5 西新宿ビューハイツ903)



