育成就労と特定技能の違いを徹底比較
育成就労と特定技能の違いを徹底比較
——コスト・期間・転籍リスク
2026年1月23日の閣議決定で全貌が明らかになった新制度「育成就労」。技能実習に代わる制度として2027年4月に施行予定です。「結局、特定技能とどう違うの?」という疑問に、3つのポイントで即答します。
📌 この記事でわかること
- 育成就労と特定技能の根本的な違い(制度目的・位置づけ)
- 企業が負担するコストの比較(初期費用・月額費用)
- 受入れ可能期間と長期雇用への道筋(3年+5年=8年プラン)
- 【業界別】転籍制限期間(建設2年・製造2年・介護2年等)
【一覧表】育成就労と特定技能 3つの決定的な違い
| 比較項目 | 育成就労 (2027年〜予定) | 特定技能(1号) (現行制度) |
|---|---|---|
| ① 受入期間 | 原則3年間 (修了後に特定技能へ移行) | 通算5年間 (2号になれば更新制限なし) |
| ② 転籍リスク | 制限あり※建設・製造・自動車・介護等は2年 ビルクリーニング等は1年 | 自由 (同一業務区分ならいつでも転職可) |
| ③ 企業コスト | 高い (初期講習費+月額監理費) | 中〜高 (紹介料+月額支援委託費) |
出典:令和8年1月23日閣議決定「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」
1. 制度の位置づけ|育成就労は「入口」、特定技能は「本番」
まず押さえておきたいのは、両制度の「目的」と「位置づけ」の違いです。育成就労は特定技能への移行を前提とした「入口」であり、特定技能は「ゴール」として設計されています。
| 項目 | 育成就労 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 人材育成+人材確保 | 即戦力の人材確保 |
| 位置づけ | 特定技能への「入口」 | 就労の「本番」 |
| 求められる技能 | 入国時は不要(育成前提) | 試験合格レベルの技能 |
| 施行時期 | 2027年4月1日〜(予定) | 2019年4月〜(運用中) |
💡 技能実習との違い
育成就労は技能実習制度に代わる新制度です。技能実習が「国際貢献」を建前としていたのに対し、育成就労は「人材育成と人材確保」を正面から目的に掲げています。これにより、転籍(転職)も一定条件で認められるようになりました。
2. 転職(転籍)リスク|新制度は「1〜2年間辞められない」
🚨 重要:育成就労制度では「転籍」が可能になります
技能実習制度では原則認められなかった「転籍(転職)」が、育成就労制度では一定条件のもとで認められます。ただし、分野によって1年〜2年の転籍制限期間が設けられています。
【業界別】転籍制限期間一覧(閣議決定より)
【2年制限】の分野(スキル習得に時間がかかるため)
- 建設
- 工業製品製造業
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 介護
- 農業
- 漁業
【1年制限】の分野
- ビルクリーニング
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 宿泊
- 航空
💡 企業にとってのメリット
御社の業種が「建設」や「製造」なら、2年間は外国人が他社に引き抜かれるリスクを法的に防げます。これは特定技能にはない大きなメリットです。
| 項目 | 育成就労 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 転職の可否 | 条件付きで可能 | 自由(同一分野内) |
| 転籍制限期間 | 原則1年※建設・製造等は2年 | なし |
| 転籍の条件 | 技能試験・日本語試験合格 | 特になし |
| 初期費用の補填 | 転籍先企業が負担(予定) | なし |
本人意向による転籍の条件(閣議決定より)
- 同一の受入機関で1年以上(分野により2年以内)就労していること
- 技能評価試験(初級)に合格していること
- 日本語能力試験A1相当(N5レベル)以上に合格していること
- 転籍先が同一業務区分であること
- 転籍先機関の適正性が確認されていること
3. コスト比較|育成就労は「初期投資」が必要
「育成就労の方がコストが高い」と言われる理由は、入国後講習などの育成コストが企業負担になるためです。
| 費用項目 | 育成就労 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 初期費用 (1人あたり) | 50〜80万円(見込み) | 20〜50万円 |
| 月額費用 | 3〜5万円/人(監理費) | 2〜3万円/人(支援費) |
| 外国人本人の負担 | 原則なし(企業負担へ移行)※制度詳細による | 国による(本人負担あり) |
| 日本語教育費用 | 企業負担(入国後講習義務) | 原則本人負担 |
入国後講習の義務(介護分野の例)
- 日本語科目:240時間以上(B1相当取得者は80時間)
- 介護技能科目:42時間以上
この講習期間中の生活費・講習費は企業負担となる可能性が高いです。
⚠️ 注意
育成就労の費用詳細は主務省令で確定予定です。最新情報は出入国在留管理庁のサイトをご確認ください。
4. 受入期間|3年+5年の「長期雇用」が可能に
両制度の最大の違いの一つが「在留期間」です。育成就労は3年間の育成期間を経て特定技能1号へ移行することを前提としており、最長で「3年+5年+無期限」=事実上の永続雇用も可能になります。
| 項目 | 育成就労 | 特定技能1号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 原則3年 | 通算5年 |
| 延長の可否 | 試験不合格時は最長1年延長可 | 更新不可(5年で終了) |
| 次のステップ | 特定技能1号へ移行 | 特定技能2号へ移行 |
| 家族帯同 | 不可 | 不可(2号は可) |
外国人材のキャリアパス「8年プラン」
育成就労(3年)→ 特定技能1号(5年)→ 特定技能2号(無期限)
特定技能2号に移行できれば、在留期間の上限がなくなり、家族の帯同も可能になります。介護・建設など16分野で2号への移行が認められており、「未経験から育てて長く定着させたい」なら育成就労からの8年プランが最強です。
5. 結論|どちらを選ぶべきか?
| こんな企業には | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 即戦力が欲しい | 特定技能 | 試験合格者を採用、初期コスト低 |
| 未経験から育てたい | 育成就労 | 3年かけて自社流に育成可能 |
| 転職リスクを抑えたい | 育成就労 | 1〜2年の転籍制限あり |
| コストを抑えたい | 特定技能 | 初期・月額ともに低め |
| 長期定着を目指す | 育成就労→特定技能 | 8年プランで永続雇用も可能 |
育成就労・特定技能のご相談は
行政書士しかま事務所へ
新宿区を拠点に、特定技能・技人国ビザを年間300件以上取り扱う入管業務専門の行政書士事務所です。
2027年4月の育成就労制度施行に向けて、監理支援機関・受入企業様からのご相談を承っております。
「建設」「製造」はもちろん、新たに追加された「リサイクル・産廃」分野の申請可否診断も無料で行っています。
| 申請種類 | 料金(税抜) |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請(特定技能1号) | 50,000円~ |
| 在留資格変更許可申請(特定技能へ変更) | 50,000円~ |
| 在留期間更新許可申請(特定技能) | 30,000円~ |
| 初回相談(60分) | 無料 |
📋 この記事の情報について
本記事の内容は2026年1月時点の法令・運用情報に基づいています。法令の解釈や運用については、最新の情報を必ずご確認ください。具体的な事案については、専門家にご相談することをお勧めします。本記事の内容により生じた損害について、当事務所は一切の責任を負いません。

