特定技能「5年の壁」が緩和!最長6年の在留・期間3年への延長が実現
特定技能「5年の壁」が緩和!
最長6年の在留・期間3年への延長が実現
2025年9月30日、特定技能制度の運用要領が大幅改正されました。産休・育休・病気療養期間の「5年カウント除外」、在留期間の最長3年への延長、2号試験挑戦者の最長6年在留——企業の人材戦略に大きな影響を与えるこの改正、御社は対応できていますか?
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改正内容と御社への影響を無料で診断します。在留期間延長・5年の壁緩和の適用可否をお伝えします。
📖 この記事を読むとわかること
- 2025年9月30日改正の2大ポイント(5年の壁緩和・在留期間延長)
- 「5年カウント除外」の対象となる期間と申請方法
- 在留期間3年を取得するための条件
- 特定技能2号試験挑戦者の「最長6年」特別措置
- 企業が今すぐ対応すべきこと
改正の概要——何がどう変わったのか
2025年9月30日、出入国在留管理庁は「特定技能外国人受入れに関する運用要領」を改正しました。これは特定技能制度が2019年に始まって以来、最も大きな緩和措置と言えます。
🔓 変更点① 5年の壁緩和
改正前
特定技能1号は通算5年まで。産休・育休・病気療養中もカウント対象。
改正後
産休・育休・病気療養等の期間を、申請により5年のカウントから除外可能に。
📅 変更点② 在留期間延長
改正前
在留期間は最長1年。毎年の更新手続きが必要。
改正後
在留期間が最長3年に延長。更新頻度が大幅に減少。
さらに!特定技能2号挑戦者には特別措置
特定技能2号の技能試験を受験する外国人については、最大6年まで特定技能1号としての在留が認められるようになりました。これにより、試験準備をしながら就労を継続することが可能になります。
【変更点①】5年の壁緩和の詳細
特定技能1号の「通算5年」という制限は、これまで多くの企業と外国人労働者にとって大きな課題でした。今回の改正により、一定の期間を5年のカウントから除外できるようになりました。
除外対象となる期間
- 産前産後休業期間
労働基準法に基づく産前6週間・産後8週間の休業 - 育児休業期間
育児・介護休業法に基づく育児休業 - 病気療養期間
医師の診断に基づく病気等による療養のための休業 - その他やむを得ない事情による期間
天災等による一時帰国、家族の緊急事態対応など
⚠️ 注意:自動的に除外されるわけではない
これらの期間は「自動的に」除外されるわけではありません。本人からの申請に基づき、入管が認めた場合に除外されます。
申請には、休業の事実を証明する書類(休業届、診断書、出産証明書など)が必要です。また、休業中も在留資格は維持されている必要があります。
適切な申請手続きを行わないと、5年のカウントはそのまま進んでしまいます。
実際のケースで考える
ケース:産休・育休を取得した場合
Aさん(ベトナム人・製造業勤務)
・2021年4月に特定技能1号で入国
・2023年10月〜2024年9月の1年間、産休・育休を取得
改正前:産休・育休期間も含めて5年カウント。2026年3月に5年到達で在留終了。
改正後:産休・育休期間の1年を除外申請。認められれば、2027年3月まで在留可能に。
【変更点②】在留期間3年への延長
これまで特定技能1号の在留期間は最長1年でしたが、今回の改正により最長3年に延長されました。これにより、更新手続きの頻度が大幅に減少し、企業・外国人双方の負担が軽減されます。
🏢 企業のメリット
- ✓ 更新手続きの頻度減少(最大1/3に)
- ✓ 人事・総務の事務負担軽減
- ✓ 中長期的な人材育成計画が立てやすく
- ✓ 行政書士への依頼コスト削減
- ✓ 安定した労働力の確保
👤 外国人のメリット
- ✓ 在留の安定性が大幅に向上
- ✓ 更新手続きの心理的負担軽減
- ✓ キャリア形成に集中できる
- ✓ 生活基盤の安定化
- ✓ 住宅ローン等の審査で有利に
⚠️ 3年の在留期間は「自動付与」ではない
重要なポイントです。全ての申請者に自動的に3年の在留期間が付与されるわけではありません。
3年の在留期間を取得するためには、以下の要素が総合的に審査されます:
- これまでの在留状況(素行・納税・届出等)が良好であること
- 受入れ機関(企業)の経営状況が安定していること
- 雇用契約の内容が適切であること
- 支援体制が整っていること
逆に言えば、これまでの在留管理をしっかり行ってきた企業・外国人にとっては、3年の在留期間を取得できるチャンスです。
特定技能2号挑戦者の「最長6年」特別措置
今回の改正で最も注目すべき点の一つが、特定技能2号の技能試験挑戦者への特別措置です。
特定技能2号を目指す人は、最長6年在留可能に
特定技能2号の技能試験を受験する(または受験を予定している)外国人については、特定技能1号として最大6年まで在留が認められるようになりました。
これにより、通常の5年(+休業期間除外)に加え、試験準備期間としてさらに1年が認められます。
この措置の意義
特定技能2号に合格すれば、在留期間の上限がなくなり、家族帯同も可能になります。つまり、「永住」への道が開けるのです。
しかし、これまでは5年の制限があったため、「試験に落ちたら帰国しなければならない」というプレッシャーの中で試験準備をしなければなりませんでした。
今回の特別措置により、試験準備に集中できる環境が整い、合格率の向上が期待できます。企業にとっても、優秀な人材を長期的に確保できる可能性が高まります。
✅ 2号挑戦をサポートする企業のメリット
外国人社員の2号挑戦をサポートする企業には、以下のメリットがあります:
- 合格すれば、優秀な人材を無期限で雇用可能
- 6年間の就労継続により、スキル・経験が蓄積
- 「人材育成に熱心な企業」として採用競争力向上
- 外国人社員のモチベーション・定着率向上
企業が今すぐ対応すべき3つのアクション
この改正は、企業の人材戦略に大きな影響を与えます。今すぐ対応すべき3つのアクションを解説します。
アクション① 現状把握
自社の特定技能外国人について、現在の在留期間・通算在留年数・休業履歴を確認。新制度の適用可否を診断する。
アクション② 手続き準備
休業期間の除外申請、3年在留期間への切替申請など、必要な手続きを専門家と相談して準備する。
アクション③ 人材戦略見直し
新制度を活用した中長期的な人材育成計画を策定。2号挑戦支援制度の導入も検討する。
⚠️ 「何もしない」は損をする
今回の改正は「自動的に適用される」ものではありません。
休業期間の除外は申請しなければ認められません。
3年の在留期間は審査の結果次第です。
6年の特別措置も2号挑戦を証明する必要があります。
適切な手続きを行わなければ、せっかくの改正の恩恵を受けられません。
新制度を活用した人材確保戦略
今回の改正は、単なる「緩和」ではなく、企業の人材戦略を大きく変えるチャンスです。
戦略①:優秀な人材の長期雇用
これまで「5年で帰国」という前提で採用・育成計画を立てていた企業も、新制度を活用すれば最長6年(さらに2号移行で無期限)の雇用が可能になります。
これにより、より高度な技術・スキルの習得を前提とした育成計画を立てることができ、企業の競争力向上につながります。
戦略②:採用競争力の強化
外国人労働者にとって、「長く働ける企業」は魅力的です。新制度を活用した長期雇用のビジョンを示すことで、優秀な人材の獲得競争で優位に立てます。
採用時のアピールポイント例
「当社では、特定技能2号への挑戦を全面サポート。試験準備期間も含め、最長6年の就労が可能です。合格すれば、無期限の雇用・家族帯同・永住申請への道が開けます。」
このようなメッセージを発信できる企業は、人材獲得競争で大きなアドバンテージを持つことになります。
戦略③:コスト最適化
在留期間が最長3年に延長されることで、更新手続きのコスト(行政書士報酬・社内工数)を最大1/3に削減できます。
また、人材の定着率が向上することで、採用・研修コストの削減にもつながります。
まとめ:この改正をチャンスに変える
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最後に、この記事のポイントを整理します。
📝 この記事のまとめ
- 5年の壁が緩和
産休・育休・病気療養等の期間を、申請により5年カウントから除外可能に - 在留期間が最長3年に延長
更新頻度が減少し、企業・外国人双方の負担軽減 - 2号挑戦者は最長6年
特定技能2号試験に挑戦する人は、特別措置で最大6年在留可能 - 「自動適用」ではない
休業期間除外・3年在留期間は申請・審査が必要 - 企業の人材戦略に大きな影響
新制度を活用すれば、優秀な人材の長期確保が可能に
✅ この改正をチャンスに変えるために
今回の改正は、特定技能制度が始まって以来の大きな緩和措置です。しかし、適切な手続きを行わなければ、その恩恵を受けることはできません。
「うちの外国人社員は対象になるのか」「どんな手続きが必要なのか」——これらの疑問を解消し、新制度をフル活用するために、専門家への相談をお勧めします。
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📋 この記事の情報について
本記事の内容は2025年12月16日時点の法令・運用に基づいて作成しています。法令や運用は変更される可能性がありますので、実際の申請にあたっては最新情報をご確認ください。個別の案件については必ず専門家にご相談ください。本記事の内容に基づく判断や行動によって生じた結果について、当事務所は責任を負いかねます。

