経営管理ビザ更新できない?3000万円厳格化と在留資格変更の選択肢
経営管理ビザ、次の更新で「適合見込み」が必要に。
——3,000万円、準備できますか?
「経過措置があるから2028年まで大丈夫」——そう思っていませんか?それは誤解です。経過措置期間中であっても、次回の更新申請で「新基準への適合見込み」を示す専門家評価書の提出が必要になります。1年更新の方は、今すぐ対策を始める必要があります。
🚨 経過措置の「罠」
次回更新で評価書が必要
経過措置期間中(〜2028年10月)でも、更新時には
「3,000万円に到達する見込み」を専門家が評価した書類の提出が求められます
📌 この記事の結論
新基準を満たす見込みがない場合、
「在留資格変更」が唯一の選択肢です。
資本金3,000万円への増資、常勤職員の雇用、学歴・経験要件——これらを次回更新までに「達成する見込み」を示せない場合、経営管理ビザの更新は難しくなります。技術・人文知識・国際業務(技人国)や特定技能への変更を、今から検討する必要があります。
❓ こんな状況に心当たりはありませんか?
一つでも当てはまる方は、この記事を最後までお読みください。
あなたの日本での生活を守るために、今すぐ知っておくべき情報です。
経営管理ビザ厳格化:何が変わったのか
2025年10月16日、経営管理ビザの取得・更新要件が大幅に厳格化されました。従来の「資本金500万円」「学歴不問」という比較的緩やかな基準から、国際的にも厳しい水準へと引き上げられています。
| 項目 | 旧基準 | 新基準(2025年10月〜) |
|---|---|---|
| 資本金 | 500万円以上 | 3,000万円以上 |
| 常勤職員 | 2名以上(資本金と択一) | 1名以上(資本金と両方必須) |
| 学歴・経験 | 不問 | 大卒 または 経営3年以上 |
| 日本語能力 | 不問 | N2相当の体制(本人または職員) |
| 事業計画書 | 任意 | 専門家(税理士等)の評価必須 |
⚠️ なぜ厳格化されたのか
従来の「資本金500万円」という基準は、国際的に見て極めて低い水準でした。「お金で買えるビザ」と揶揄され、事業実態のないペーパーカンパニーによる在留資格取得の温床となっていました。
改正のポイント①:資本金6倍に
最も影響が大きいのは資本金要件です。500万円から3,000万円への引き上げは、多くの小規模事業者にとって現実的ではありません。
改正のポイント②:常勤職員が必須に
従来は「資本金500万円」または「常勤職員2名」のどちらかを満たせばよかったのですが、改正後は「資本金3,000万円」かつ「常勤職員1名以上」の両方を満たす必要があります。
💡 常勤職員の要件
常勤職員は、日本人、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者のいずれかでなければなりません。「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザを持つ外国人は常勤職員としてカウントできません。さらに、N2相当の日本語能力を持つ者が必要です。
改正のポイント③:学歴・経験が必須に
これまで問われなかった経営者の経歴について、以下のいずれかが必須となりました。
- 大学卒業(経営・商学系でなくてもOK)
- 経営・管理について3年以上の実務経験
「経過措置」の罠——次回更新で評価書が必要
「経過措置があるから2028年10月までは大丈夫」——この認識は危険な誤解です。
🚨 経過措置の正しい理解
経過措置期間中(〜2028年10月15日)の更新申請は、新基準を満たしていなくても「経営状況や改正後の基準に適合する見込み等を踏まえて許否判断を行う」とされています。
つまり、「適合する見込み」を示せなければ、経過措置中でも更新不許可になるということです。
📜 出入国在留管理庁の公表内容
施行日から3年を経過した後になされた在留期間更新許可申請については、改正後の基準に適合する必要があります。
なお、審査においては、経営に関する専門家の評価を受けた文書を提出いただくことがあります。
専門家評価書とは
更新申請時に求められる「専門家評価書」とは、中小企業診断士、公認会計士、税理士などの経営専門家による評価書類です。以下の内容を具体的に示す必要があります。
- 資本金3,000万円への増資計画と実現可能性
- 常勤職員の雇用計画
- 事業の継続性・安定性
- 新基準への適合時期の見込み
⚠️ 「見込み」を示せない場合
「3,000万円に増資する計画がない」「増資の見込みが立たない」という場合、専門家は「適合見込みなし」と評価するしかありません。その評価書を添付して申請しても、更新許可を得ることは極めて困難です。
📅 タイムライン
新基準施行。この日以降の新規申請は新基準が即時適用。既存在留者は経過措置の対象。
ここが重要。新基準を満たしていなくても、「適合する見込み」を示す専門家評価書があれば更新可能。見込みを示せなければ不許可リスク。
経過措置終了。原則として新基準への完全適合が必要。良好な経営状態と納税実績がある場合のみ、個別に総合判断。
⏰ 1年更新の方は特に注意
次の更新が勝負です
更新期限の6ヶ月前には対策を開始してください
更新が難しくなる4つのパターン
当事務所への相談で多いのは、以下のようなケースです。一つでも該当する場合、早急に対策を検討する必要があります。
❌ パターン1:資本金3,000万円を準備できない
現在の資本金が500万円〜1,000万円程度で、増資のための資金調達が困難。借入で増資しても、返済計画との整合性が取れず、専門家から「実現可能性が低い」と評価されるリスクがある。
❌ パターン2:常勤職員を雇用する余裕がない
一人経営や家族経営で事業を運営しており、日本人または永住者等でN2相当の日本語能力を持つ常勤職員を新たに雇用する経済的余裕がない。パート・アルバイトは常勤職員に含まれない。
❌ パターン3:学歴・経験要件を満たさない
大学を卒業しておらず、経営・管理の実務経験も3年に満たない。新基準では学歴または経験のいずれかが必須となったため、どちらも満たさない場合は更新が困難。
❌ パターン4:事業規模の拡大が見込めない
飲食店1店舗など小規模な事業を営んでおり、3,000万円規模の事業に拡大することが現実的でない。売上・利益が横ばいで、増資の原資を確保する見込みが立たない。
💡 該当する場合の選択肢
上記のいずれかに該当し、新基準への「適合見込み」を示すことが困難な場合、別の在留資格への変更を検討する必要があります。変更先として有力なのは、技術・人文知識・国際業務(技人国)と特定技能です。
在留資格変更という選択肢
経営管理ビザを維持することが困難な場合、「経営者」から「従業員」への立場変更を伴いますが、日本での在留を継続できる選択肢があります。
✅ 技術・人文知識・国際業務
- ✓ 大卒者または10年以上の実務経験者向け
- ✓ ホワイトカラー業務(経営企画、通訳、IT等)
- ✓ 資本金要件なし
- ✓ 経営経験を活かせる職種も多い
✅ 特定技能
- ✓ 学歴不問(試験合格で取得可能)
- ✓ 飲食店経営者→外食業分野が有力
- ✓ 現場スキルを活かせる
- ✓ 2号への移行で長期在留も可能
💬 相談事例
「飲食店を経営していましたが、資本金3,000万円は無理でした。特定技能に変更して、今は別の飲食店で調理師として働いています。収入は経営者時代より安定しています」
——当事務所で特定技能への変更をサポートしたベトナム人男性
変更先①:技術・人文知識・国際業務
いわゆる「ホワイトカラー」の就労ビザです。経営者としてではなく、企業に雇用される形で日本での在留を継続できます。
✅ 技人国への変更が向いている人
- 大学卒業者(国内外問わず)
- 10年以上の実務経験がある人(学歴不問)
- 経営企画、マーケティング、貿易業務、IT、通訳・翻訳などの専門職に就ける人
- 日本語能力が高く、オフィスワークができる人
技人国の注意点
⚠️ 令和6年12月から審査が厳格化
技人国ビザについても審査が厳格化されています。特に以下のような申請は不許可リスクが高いです。
- 「店長」「店舗管理」など現場業務が主となる職種
- 「将来は本部で管理業務」というキャリアプランのみの申請
- 単純作業が含まれる業務内容
技人国への変更を検討する場合は、業務内容の専門性を明確に示せる企業・職種を選ぶ必要があります。
変更先②:特定技能
人手不足の分野で働くための在留資格です。学歴不問で、試験に合格すれば取得できます。飲食店経営の経験がある方には、特に有力な選択肢となります。
✅ 特定技能への変更が向いている人
- 飲食店を経営していた人→ 外食業分野
- 宿泊施設を経営していた人→ 宿泊分野
- 食品製造業を経営していた人→ 飲食料品製造業分野
- 学歴がない人(試験合格で取得可能)
- 現場仕事に抵抗がない人
特定技能の対象分野(16分野)
| 分野 | 経営管理からの移行におすすめ |
|---|---|
| 外食業 | ◎ 飲食店経営者に最適 |
| 飲食料品製造業 | ◎ 食品関連事業者に最適 |
| 宿泊 | ◎ 宿泊業経営者に最適 |
| 介護 | ○ 介護施設経営者向け |
| ビルクリーニング | ○ 清掃業経営者向け |
| 建設、製造業、農業 等 | △ 該当分野の経験があれば |
特定技能の取得要件
- 技能試験:各分野の技能評価試験に合格
- 日本語試験:日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト合格
- 受入企業:特定技能の受入要件を満たす企業との雇用契約
💡 特定技能2号で長期在留も可能
特定技能1号は最長5年ですが、外食業・宿泊業を含む多くの分野で特定技能2号への移行が可能になりました。2号になれば在留期間の上限がなくなり、家族帯同も認められます。将来的な永住許可申請への道も開けます。
よくあるご質問
はい、必要です。経過措置期間中(2028年10月15日まで)であっても、更新申請時には「改正後の基準に適合する見込み」を示す書類の提出を求められます。経営に関する専門家(中小企業診断士、税理士等)による評価書で、資本金3,000万円への増資計画や常勤職員の雇用計画を具体的に示す必要があります。
はい、条件を満たせば可能です。特定技能への変更には、対象分野の技能試験・日本語試験の合格と、受入企業との雇用契約が必要です。飲食店経営の経験がある方は外食業分野、宿泊業経営の方は宿泊分野など、これまでの経験を活かせる分野への変更が有力な選択肢となります。
次回の更新申請までに対策が必要です。経過措置があるとはいえ、更新時には「新基準への適合見込み」を示す専門家評価書の提出が求められます。資本金3,000万円への増資が現実的でない場合は、更新期限の6ヶ月前までに在留資格変更の検討を始めることをお勧めします。
技人国への変更であれば、家族帯同は引き続き可能です。配偶者・子どもは「家族滞在」の在留資格で日本に滞在できます。一方、特定技能1号は家族帯同が認められていません。配偶者・子どもは帰国するか、独自の在留資格(留学、就労ビザ等)を取得する必要があります。なお、特定技能2号に移行すれば家族帯同が可能になります。
在留資格の変更自体は会社の廃業とは別問題です。ただし、経営管理から技人国や特定技能に変更する場合、他社に雇用される形になるため、経営者としての活動はできなくなります。会社を存続させたまま代表者を変更するか、廃業するかは、別途検討が必要です。
まとめ:今すぐ行動を
📝 この記事のまとめ
- 経営管理ビザは資本金3,000万円・常勤職員必須に厳格化
- 経過措置中でも次回更新で「適合見込み」の評価書が必要
- 1年更新の方は2028年を待たずに対策が必要
- 新基準を満たせない場合は技人国・特定技能への変更を検討
- 飲食店経営者は特定技能「外食業」が有力な選択肢
「経過措置があるから大丈夫」は危険な誤解です。次回更新で「適合見込み」を示せなければ、不許可になるリスクがあります。
3,000万円の資本金を準備できない場合、今から在留資格変更の準備を始める必要があります。試験対策、就職活動、変更申請——すべてに時間がかかります。
⏰ 今すぐ行動してください
更新期限が迫ってからでは、選択肢が限られます。
更新期限の6ヶ月前には、専門家に相談してください。
経営管理ビザの更新・変更
専門家にご相談ください
「次の更新は大丈夫?」「特定技能に変更できる?」
あなたの状況に合わせた最適な選択肢を、専門家がご提案します。
📋 この記事の情報について
本記事の内容は2026年1月時点の法令・運用情報に基づいています。法令の解釈や運用については、最新の情報を必ずご確認ください。具体的な事案については、専門家にご相談することをお勧めします。本記事の内容により生じた損害について、当事務所は一切の責任を負いません。

