技人国の審査が厳格化|店舗管理・キャリアプラン不許可の実態

技人国の審査が厳格化|店舗管理・キャリアプラン不許可の実態【令和6年12月】
🚨 令和6年12月〜

【令和6年12月〜】
技人国の審査が厳格化
——店舗管理NG化と
キャリアプラン・スキームの崩壊

飲食店・サービス業で「技術・人文知識・国際業務」ビザを使って外国人を採用しようとお考えの企業様へ。入管審査の運用が明確に厳格化されました。以前は「なんとなく通っていた」申請が、次々と不許可になっています。

⏱ 読了時間:約12分 📅 令和8年1月 ✍️ 行政書士 鹿間英樹
⚠️

令和6年12月〜 入管審査の運用が厳格化

出入国在留管理庁から新たな審査資料が公開され、店舗管理業務の「△」判定期間未確定キャリアプランの明確な不許可翻訳・通訳業務の業務量審査が明示されました。本記事は入管庁公式資料に基づいています。

📄 参照:出入国在留管理庁「飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について」「許可・不許可事例(別紙3)」

1.「店長=技人国」はもう通用しない

入管が示した「業務×在留資格」の対応表

出入国在留管理庁は、飲食店における業務と在留資格の対応関係を公式資料で明示しています。

📄 入管庁公式資料

「飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について」(PDF)

この資料に、各在留資格で従事可能な業務内容が一覧表で示されています。

この資料の内容を整理すると以下のようになります。

在留資格調理業務接客業務店舗管理業務店舗経営
技術・人文知識・国際業務××△(注1)
特定技能1号(外食業)×
特定技能2号(外食業)
特定活動(告示46号)○(注2)

出典:出入国在留管理庁「飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について」

注目すべきは、店舗管理業務が「△」であり、店舗経営が「○」という点です。

「△」が意味するもの

📄 入管庁の注釈(注1)

在留資格「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動として店舗管理業務が認められるかどうかは、勤務する店舗の具体的態様や外国人の具体的活動内容・キャリアパス全体等を総合的に考慮して、個別に判断します。なお、自らが調理業務・接客業務に従事することは認められません

つまり、「店長」という肩書だけでは許可されません。その店長が実際に何をしているかが問われるのです。

現場の実態との乖離

多くの飲食店では、店長であっても繁忙時には厨房に入り、ホールで配膳もします。これが日本人店長であれば何の問題もありません。

しかし、技人国ビザの外国人がこれを行うと、在留資格該当性を欠く活動となり、不許可・取消しのリスクが生じます。

🚨 「店長だから大丈夫」は危険

飲食業や建設業など、現業を含む業務形態の法人等に係る在留諸申請では、法人の規模や従業員数等、客観的事実を積み重ねて、現業の有無について常に検討する必要があるとされています。

「店長だから大丈夫だろう」という認識は、今すぐ改めてください。

2.「いつか本部へ」キャリアプランは完全否定された

令和6年12月頃からの運用強化

出入国在留管理庁が公開している「許可・不許可事例」(別紙3)に、極めて重要な不許可事例が掲載されています。

キャリアステッププラン関連の不許可事例

経営学部を卒業した者から飲食チェーンを経営する企業の本社において管理者候補として採用されたとして申請があったが、あらかじめ「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事することが確約されているものではなく、数年間に及び期間未確定の飲食店店舗における接客や調理等の実務経験を経て、選抜された者のみが最終的に「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務へ従事することとなるようなキャリアステッププランであったことから、「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事するものとして採用された者に一律に課される実務研修とは認められず、不許可となったもの

ポイント:「数年間」「期間未確定」「選抜次第」「確約なし」——これらが揃った場合、研修として認められない

ブローカー・スキームの封殺

率直に申し上げます。この不許可事例は、一部の悪質なブローカーや人材会社が使っていたスキームを明確に封じるものです。

彼らの手口はこうでした。

  • 留学生に「大手チェーンの本部採用」を謳う
  • 技人国ビザで在留資格変更を申請
  • 「キャリアアッププラン」として現場配属
  • 実態は単純労働者として無期限に店舗で使い倒す

このスキームに乗ってしまった留学生は、気づいたときには在留資格の正当性を失い、更新不許可や取消しのリスクを抱えることになります。

🚨 虚偽申請のリスク

「本社勤務予定」と申請しておきながら実態は店舗での現場作業というケースは、虚偽申請として在留資格取消しの対象となり得ます。

⚠️ ご注意ください

「とりあえず現場で修業」「キャリアプランを作れば大丈夫」という提案をしてくる業者には、十分ご注意ください。

💡 「うちの申請、大丈夫?」と不安な方へ

技人国の申請・更新に不安がある場合は、申請前に専門家にご相談ください。初回相談無料で対応しています。

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3.「翻訳・通訳ができます」では通らない

業務量の審査が厳格化

飲食店やサービス業で外国人を採用する際、「母国語ができるから通訳として」という申請が後を絶ちません。しかし、入管はこれを厳しく見ています

翻訳・通訳業務の不許可事例①

翻訳・通訳専門学校において、日英通訳実務を履修した者が、ビル清掃会社において、留学生アルバイトに対する通訳及びマニュアルの翻訳に従事するとして申請があったが、留学生アルバイトは通常一定以上の日本語能力を有しているものであり、通訳の必要性が認められず、また、マニュアルの翻訳については常時発生する業務ではなく、翻訳についても業務量が認められず不許可となったもの。

翻訳・通訳業務の不許可事例②

翻訳・通訳専門学校において、日英通訳実務を履修した者が、翻訳・通訳業務に従事するとして申請があったが、稼働先が飲食店の店舗であり、通訳と称する業務内容は、英語で注文を取るといった内容であり、接客の一部として簡易な通訳をするにとどまり、また、翻訳と称する業務が、メニューの翻訳のみであるとして業務量が認められず不許可となったもの。

「接客+ついでの通訳」は通訳業務ではない

入管が見ているのは以下のポイントです。

  • 十分な業務量があるか:「メニュー翻訳」「たまに外国人客対応」では不十分
  • 通訳の必要性があるか:日本語ができるスタッフへの通訳は必要性なし
  • 実態が接客でないか:「英語で注文を取る」は接客であり、通訳ではない

🚨 業務内容の精査は必至

「外国人客が多いから通訳として」という申請は、ほぼ確実に業務内容を精査されます。

4. 留学生の「資格外活動オーバー」は採用後に発覚する

在留状況の審査強化

令和6年12月の運用強化では、申請人の在留状況も厳しく審査されるようになりました。

資格外活動オーバーによる不許可事例

商学部を卒業した者から、貿易業務・海外業務を行っている企業との契約に基づき、海外取引業務に従事するとして申請があったが、申請人は「留学」の在留資格で在留中、1年以上継続して月200時間以上アルバイトとして稼働していたことが今次申請において明らかとなり、資格外活動許可の範囲を大きく超えて稼働していたことから、その在留状況が良好であるとは認められず、不許可となった

企業が知らなくても不許可になる

ここで注意すべきは、採用予定の企業がこの事実を知らなくても関係ないという点です。

留学生が以前のアルバイト先で週28時間を超えて働いていた場合、その留学生を採用しようとする企業の申請は不許可になります。企業側に落ち度がなくても、です。

📋 採用前の確認必須事項

  • 在留カードの資格外活動許可欄
  • 過去のアルバイト履歴と勤務時間
  • 特に長期休暇期間以外の勤務実態

🚨 採用前の在留歴確認は必須

留学生を採用する際は、過去の在留状況(アルバイト時間等)を必ず確認してください。入管は申請時に在留歴を詳細に調査します。

5. 在留資格取消制度の存在を忘れていませんか

許可後も安心できない

仮に技人国ビザの許可が下りたとしても、それで終わりではありません。入管法第22条の4には在留資格取消制度が定められています。

📄 取消事由の例

  • 第5号:在留資格に係る活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること
  • 第6号:在留資格に応じた活動を3か月以上継続して行うことなく在留していること

よくある誤解

在留資格取消しの対象となるケース

「キャリアプラン」と称して現場労働をさせるスキームも、許可時点では書類上問題がなくても、実態が発覚すれば在留資格取消の対象となります。

取消しを受けた場合、直ちに退去強制手続に移行する場合と、30日を超えない範囲内で出国期間が指定される場合があります。いずれにしても、その外国人の日本での就労は終わりです。

6. では、どうすればよいのか【解決策】

✅ 適法に外国人を採用する3つの方法

1

在留資格の選択を誤らない

サービス業・飲食業で現場業務に従事させたいのであれば、そもそも技人国は適切な在留資格ではありません

  • 特定技能(外食業分野):調理・接客・店舗管理すべて可能
  • 特定活動(告示46号):日本の大学卒業+N1で幅広い業務が可能
2

技人国で申請するなら「経営管理」要素の立証を

どうしても技人国で店舗勤務者を採用したい場合は、以下を明確に立証する必要があります。

  • 現場作業に一切従事しないこと
  • 衛生管理、従業員管理、会計管理、在庫管理等の管理業務が主たる業務であること
  • 明確な期限付きの研修計画(期間未確定は不可)
  • 研修後の配置が確約されていること
3

安易なスキームに乗らない

「うちに任せれば通る」「キャリアプランを作れば大丈夫」という業者の言葉を鵜呑みにしないでください。

不許可になった場合、企業は採用計画の遅延、申請費用の損失だけでなく、場合によっては入管から「不正申請を行う企業」として認識されるリスクを負います。外国人本人は在留資格を失い、最悪の場合は帰国を余儀なくされます。

7. まとめ:審査基準の変化一覧

令和6年12月〜 審査基準の変化

項目以前の認識現在の審査実態
店舗管理(店長業務)「店長なら技人国でOK」現場作業を含むと不許可リスク大
キャリアプラン研修「数年現場→いつか本部」期間未確定・選抜制は明確に不許可
翻訳・通訳業務「外国語ができれば通訳で申請」業務量・必要性を厳格に審査
留学生の在留状況「採用企業には関係ない」資格外活動オーバーは不許可事由
許可後の実態「許可が出れば安心」実態乖離は在留資格取消の対象

入管審査は確実に厳格化しています。「以前は通ったから」「他社では通ったらしい」という情報に惑わされず、最新の審査基準に基づいた適正な申請を行ってください。

入管審査で重視される5つのポイント

  • 1 申請人の実際の業務内容(書類上の記載ではなく実態)
  • 2 在留資格と業務内容の該当性(現業を含むかどうか)
  • 3 研修・キャリアプランの具体性と確約の有無
  • 4 翻訳・通訳等の業務の量と必要性
  • 5 申請人の過去の在留状況(資格外活動の遵守等)

これらのポイントを踏まえ、最新の審査基準に基づいた適正な申請を行ってください。

よくある質問(FAQ)

飲食店の店長を技人国ビザで採用できますか?
令和6年12月以降、店舗管理業務は「△(個別判断)」となり、自ら調理・接客に従事する場合は不許可となります。店長であっても繁忙時に厨房やホールで働く場合は、技人国ではなく特定技能(外食業)を検討すべきです。
「数年現場で修業→いつか本部」というキャリアプランは認められますか?
認められません。令和6年12月の入管審査運用強化により、期間未確定かつ選抜制のキャリアプランは明確に不許可事由となりました。研修は明確な期限と、研修後の配置が確約されている必要があります。
外国語ができるスタッフを「通訳」として技人国で採用できますか?
十分な業務量がなければ認められません。「メニュー翻訳」「英語で注文を取る」程度では業務量不足として不許可になります。通訳業務が主たる業務として成立するだけの量と必要性が求められます。
技人国が難しい場合、飲食店で外国人を雇うにはどうすればいいですか?
特定技能(外食業分野)が最適です。調理・接客・店舗管理すべてに従事でき、現場作業が主であっても問題ありません。日本の大学卒業かつN1取得者であれば、特定活動(告示46号)も選択肢になります。

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📋 免責事項・参照資料

本記事の内容は令和8年1月時点の情報に基づいています。

参照資料:出入国在留管理庁公開資料「飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について」「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」「許可・不許可事例(別紙3)」「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」

入管審査の運用は随時変更される可能性がありますので、個別案件については専門家にご相談ください。

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