特定技能の届出が年1回に変更受入れ企業・登録支援機関が押さえるべき義務と罰則

【2025年4月改正】特定技能の届出が年1回に変更|受入れ企業・登録支援機関が押さえるべき義務と罰則
📢 2025年4月改正

特定技能の届出が年1回に変更
受入れ企業・登録支援機関が
押さえるべき義務と罰則

2025年4月から定期届出の頻度が「四半期ごと」から「年1回」に変更されました。届出不履行は30万円以下の罰金、さらに受入れ停止のリスクも。最新の義務と罰則を行政書士が解説します。

⏱ 読了時間:約15分 📅 2025年12月16日更新 ✍️ 行政書士 鹿間英樹

🚨 2025年4月からの重要な変更点

旧制度

四半期ごと
(年4回)

新制度(2025年4月〜)

年1回
(4/1〜5/31に提出)

💡 この記事の結論

定期届出は年1回に減ったが、
随時届出・支援計画履行・協力確認書は引き続き必須

届出不履行は30万円以下の罰金、最悪の場合は受入れ停止に

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特定技能制度の現状(29万人突破)

特定技能制度は2019年4月の創設以来、日本の人手不足対策として重要な役割を担い、外国人材活用の中核制度となっています。

📊 特定技能の在留外国人数(2025年2月末時点)

293,008人

特定技能1号

1,351人

特定技能2号

16分野

対象分野

分野別・国籍別の状況

分野人数割合
飲食料品製造業74,538人26.2%
工業製品製造業45,279人15.9%
介護44,367人15.6%
建設38,578人13.6%
農業29,331人10.3%

📋 特定技能1号と2号の違い

1号:通算5年まで、家族帯同不可、支援計画が必要
2号:更新回数に上限なし、家族帯同可、支援計画不要

現在、2号は11分野で受入れ可能(介護を除く)

受入れ機関(企業)の義務と基準

特定技能外国人を受け入れる企業には、多くの義務と基準が課されています。これらを満たさないと、受入れができません。

受入れ機関の基準

  • 雇用契約が適正:報酬額が日本人と同等以上、適切な労働条件
  • 機関自体が適切:5年以内に出入国・労働法令違反がない、暴力団関係者でない
  • 支援体制がある:支援責任者・担当者の選任、十分な能力を有している
  • 支援計画が適切:支援計画の内容が基準省令に適合している

受入れ機関の主な義務

🚨 これらの義務を怠ると罰則・受入れ停止のリスク

①特定技能雇用契約の適正な履行(労働関係法令の遵守)
②特定技能外国人に対する適切な支援の実施(支援計画の履行)
③出入国在留管理庁への各種届出(変更届・定期届出など)
④分野別協議会への参加
⑤受入れ状況等に関する文書の作成・管理
⑥地域における共生施策に関する連携(協力確認書の提出)

【2025年4月改正】届出義務の変更点

2025年4月から、特定技能に関する定期届出の頻度が大きく変更されました。

受入れ機関の届出

区分届出内容期限
随時届出
(変更なし)
雇用契約の変更・終了14日以内
支援計画の変更14日以内
受入れが困難となった場合14日以内
行方不明者が発生した場合14日以内
基準適合性に関する変更14日以内
定期届出
(改正)
受入れ状況・活動状況・支援実施状況年1回(4/1〜5/31)
※旧:四半期ごと

⚠️ 注意:随時届出は引き続き14日以内

定期届出の頻度は減りましたが、随時届出(雇用契約変更・終了、支援計画変更など)は引き続き14日以内の届出が必要です。

「定期届出が年1回になったから楽になった」と油断せず、随時届出は漏れなく行いましょう。

年1回の定期届出で注意すべきこと

定期届出の頻度が減った分、一度に報告すべき情報量が増えます

日頃から支援状況や就労状況のきちんとした記録を残しておくことが重要です。5月末の提出期限に慌てないよう、年間を通じて記録を蓄積しておきましょう。

【重要】届出不履行の罰則とリスク

届出の不履行や虚偽の届出には、重大なリスクがあります。

🚨 届出不履行のリスク

指導・助言(入管法第19条の19)
罰則(30万円以下の罰金)
欠格事由に該当(重大・悪質な場合)→ 受入れ機関として活動できなくなる
登録取消し(登録支援機関の場合、入管法第19条の32)

特に重大視される違反

  • 外国人からの保証金の徴収や違約金の定め
  • 報酬額が日本人と同等以上でない場合
  • 虚偽の届出や届出の不履行
  • 支援計画の不履行

⚠️ 一度行政処分を受けると5年間受入れ不可

欠格事由に該当すると、その後5年間は外国人の受入れができなくなります

最新の法令や運用を把握し、法令遵守の徹底を図ることが必要です。

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当事務所では、届出のサポートから支援計画の作成まで対応しています。

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支援計画の10項目(1号特定技能)

1号特定技能外国人の受入れには、「1号特定技能外国人支援計画」の作成・提出が義務付けられています。法務省令で定められた10項目の支援をすべて含める必要があります。

事前ガイダンス

労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等を対面またはオンラインで説明

出入国の送迎

入国時は空港→住居、帰国時は空港の保安検査場まで送迎・同行

住居確保・契約支援

連帯保証人・社宅提供、銀行口座・携帯電話・ライフラインの契約支援

生活オリエンテーション

日本のルール・マナー、公共機関の利用、災害時の対応等を説明

公的手続への同行

住居地届出・社会保障・税などの手続への同行、書類作成補助

日本語学習の機会提供

日本語教室の入学案内、学習教材の情報提供等

相談・苦情への対応

職場・生活上の相談・苦情に、外国人が理解できる言語で対応

日本人との交流促進

自治会、地域のお祭りなど行事の案内、参加の補助

転職支援(人員整理時)

会社都合の解雇時に転職先探し、推薦状作成、有給休暇付与等

定期面談・行政機関への通報

3か月に1回以上の面談、労働基準法違反等があれば行政機関に通報

⚠️ 支援計画は「書類」ではなく「実施」が必要

支援計画は単なる「書類上の計画」ではなく、実際に実施する必要があります

特に3か月に1回以上の定期面談は必須です。確実に実施し、その記録を残しておきましょう。

【新規】協力確認書の提出義務

特定技能外国人の増加に伴い、地域における共生施策との連携が重要視されています。特定技能所属機関には、「協力確認書」の提出が義務付けられています。

📋 協力確認書とは?

地方公共団体から共生施策に対する協力を求められた場合に、当該要請に応じ、必要な協力をする旨を記した文書です。

この協力確認書の提出は、在留申請の際の申告事項となります。

協力確認書の提出タイミング

  • 初めて受け入れる場合:雇用契約締結後、在留資格申請を行う前に市区町村へ提出
  • 既に受け入れている場合:施行後、初めての変更・更新申請を行う前に提出

地方公共団体が実施する共生施策の例

✅ 地域の共生施策を活用しよう

・各種行政サービスの案内
・交通ルール・ゴミ出しルールの説明
・医療・公衆衛生情報の提供
・防災訓練への参加案内
・地域イベントへの参加案内
・日本語教室の案内

これらは支援計画の「日本語学習機会の提供」「日本人との交流促進」と一体的に実施できます。

⚠️ 協力要請に応じないとどうなる?

地方公共団体からの共生施策に関する協力要請に応じない場合、地方出入国在留管理局による指導・助言等の対象となる可能性があります。

登録支援機関の役割と義務

受入れ機関が支援業務を自ら実施することが困難な場合、登録支援機関に委託することができます。

登録支援機関とは

登録支援機関とは、受入れ機関から委託を受けて1号特定技能外国人支援計画の全部を実施する者として、出入国在留管理庁長官の登録を受けた機関です。

登録支援機関の義務

  • 適切な支援の実施(支援計画の全部実施)
  • 出入国在留管理庁への届出(登録事項変更、支援業務休廃止等)
  • 特異事案報告:支援計画実施困難時や受入れ機関の基準不適合把握時の報告義務
  • 支援状況に関する文書の作成・保存

⚠️ 委託しても受入れ機関の責任は残る

支援を登録支援機関に委託しても、受入れ機関は登録支援機関と「連名」で定期届出を行う必要があります。

「委託したから全部お任せ」ではなく、受入れ機関としての責任は引き続きあることを理解しておきましょう。

登録支援機関を選ぶポイント

・支援実績が豊富か
・外国人が理解できる言語で対応できるか
・定期面談を確実に実施しているか
・届出・報告を適切に行っているか
・地域の共生施策と連携しているか

料金・サポート内容

当事務所では、特定技能制度に関する最新の法令・運用情報を常にアップデートし、企業のコンプライアンス遵守をサポートしています。

💰 特定技能申請の料金

届出サポートから在留資格申請までトータル対応

海外から採用
認定申請
50,000
税抜/1人
在留期間の延長
更新申請
30,000
税抜/1人

✅ 当事務所のサポート内容

受入れ機関の適合性診断:受入れに必要な体制・基準を満たしているか診断
雇用契約書・支援計画書の作成:法令基準に適合した書類作成
在留資格申請手続き:認定・変更・更新の申請をフルサポート
各種届出サポート:随時届出・定期届出のサポート
協力確認書に関するアドバイス:地方公共団体との連携をサポート
登録支援機関の登録・運営相談:登録申請から運営まで対応

まとめ:法令遵守で持続的な受入れを

特定技能制度は、日本の人手不足対策として重要な役割を担っています。しかし、受入れ企業と登録支援機関には多くの法的義務と責任が伴います。

📝 この記事のまとめ

  • 2025年4月改正:定期届出が四半期ごと→年1回に変更
  • 随時届出は引き続き14日以内:雇用契約変更・終了、支援計画変更など
  • 届出不履行の罰則:30万円以下の罰金、最悪の場合は受入れ停止
  • 支援計画は実施が必要:特に3か月に1回の定期面談は必須
  • 協力確認書の提出:市区町村への提出が義務化

計画的かつ誠実な支援が、外国人の定着と企業の発展につながる

制度が複雑で、最新の法令・運用を把握することが難しい場合は、専門家のサポートを受けることをお勧めします。

「制度がよく分からない」「最新の改正点について詳しく知りたい」「届出の方法が分からない」など、お気軽にご相談ください。

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📋 この記事の情報について

本記事は2025年12月16日時点の出入国在留管理庁資料及び関連法令に基づいて作成しています。法改正や運用は変更される可能性があります。個別具体的な事案については必ず最新情報を確認の上、専門家にご相談ください。

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