【完全ガイド】特定技能外国人採用手順・書類・支援義務を徹底解説

【2025年4月改正対応】特定技能外国人採用の完全ガイド|手順・書類・支援義務を徹底解説
📋 2025年4月改正対応

【完全ガイド】特定技能外国人採用
手順・書類・支援義務を徹底解説

特定技能外国人の採用を検討している企業向けに、採用の手順必要書類支援義務を完全解説。2025年4月改正のポイント(届出年1回化、協力確認書、オンライン申請)にも対応した最新版ガイドです。

⏱ 読了時間:約15分 📅 2025年12月17日更新 ✍️ 行政書士 鹿間英樹

📌 この記事の結論

2025年4月改正で届出が年1回に簡素化
ただし「協力確認書」の提出が新たに必要に

オンライン申請+電子届出で書類省略のメリットあり。初めての受入れでも専門家のサポートでスムーズに

📞 「特定技能の採用を検討中」「2025年改正への対応が不安」

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特定技能制度の概要と2025年4月改正のポイント

特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するため2019年4月に創設された外国人材受入れの制度です。2024年12月末時点の特定技能在留外国人数は約28.5万人に達し、前年同期比で約7.6万人増加しています。

2025年4月1日には大幅な制度改正が施行され、企業の事務負担軽減や手続きの簡素化が図られました。一方で、地方公共団体との連携義務など新たな要件も追加されています。

2025年4月改正の4つのポイント

改正①

届出制度の変更:年1回に簡素化

四半期ごとの定期届出が年1回に変更。「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」として一本化され、提出期間は翌年4月1日〜5月31日に。

改正②

オンライン化の促進:書類省略が可能に

オンライン申請+電子届出の両方を行うことで、適格性に関する書類の提出が省略可能に。窓口申請では書類省略は不可。

改正③

面談規定の柔軟化:オンライン面談OK

3ヶ月に1回以上の定期面談はオンラインでも正式に可能に。ただし、年1回以上の対面面談が推奨。面談記録は1年以上保存が必要。

改正④

共生社会への連携強化:協力確認書が必要

地方自治体が実施する共生社会実現施策への協力が義務化。活動拠点・住居地の市区町村から「協力確認書」の取得が必要に。

特定技能の対象16分野

2024年には従来の12分野から16分野へと拡大し、以下の分野で特定技能外国人の採用が可能です。

介護
ビルクリーニング
工業製品製造業
飲食料品製造業
外食業
建設業
造船・舶用工業
自動車整備業
航空業
宿泊業
農業
漁業
🆕 鉄道
🆕 木材産業
🆕 自動車運送業
🆕 林業

※青枠は2024年に新しく追加された4分野です

特定技能外国人採用の手順(8ステップ)

特定技能外国人の採用は、在留資格「特定技能1号」を取得するための申請手続きと、外国人材の採用手順を同時に進めていく必要があります。以下が基本的な流れです。

1

特定技能制度の理解と受入れ体制の確認

自社が受入れ可能な分野かどうか、受入れ要件を満たしているかの確認を行います。

確認事項:対象分野における人手不足状況、欠格事由(5年以内の出入国関係法令違反等)の有無、機関要件の充足状況、支援体制の構築可能性
2

採用計画の策定・雇用契約書作成

どのような人材を、どのような方法で採用するかの計画を立てます。内定後は雇用契約書の作成・締結が必要です。

海外から採用:在留資格認定証明書(COE)の交付申請が必要
国内から採用:技能実習生や留学生からの資格変更許可申請
3

支援計画の作成と体制整備

「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、外国人材の生活支援体制を整えます。自社で実施するか、登録支援機関に委託するかを決定します。

4

地方公共団体との連携【2025年改正】

特定技能外国人が活動・居住する市区町村の窓口で「協力確認書」を取得します。

⚠️ 重要:2025年4月改正により、地方公共団体が実施する「共生社会の実現」に関する施策への協力が義務となりました。
5

在留資格の申請

新規採用の場合は在留資格認定証明書交付申請、国内採用の場合は在留資格変更許可申請を行います。

2025年改正ポイント:オンライン申請と電子届出の両方を行うことで書類省略のメリットが得られます。窓口申請では書類省略不可。
6

COE交付後の手続き(海外採用の場合)

在留資格認定証明書(COE)交付後、外国人材に送付し、母国の日本大使館・領事館でビザ(査証)を取得してもらいます。

COEの有効期間は原則3ヶ月。相手国の状況により延長される場合あり。
7

受入れ準備と入国後の手続き

宿舎の確保や受入れオリエンテーションの準備を行います。入国後は住民登録、銀行口座開設、保険加入手続きなどを支援します。

8

就労開始後の支援と定期届出

支援計画に基づく定期的な支援の実施と、年1回の定期届出を行います。

主な支援・届出:3ヶ月に1回以上の面談(オンライン可)、生活オリエンテーション、年1回の定期届出(翌年4/1〜5/31提出)、在留期間更新申請

📋 就労開始までのスケジュール目安

初めて特定技能外国人を受け入れる場合、申請準備から就労開始まで通常3〜6ヶ月程度かかります。特に新規採用の場合は、ビザ発給や来日の準備を含めると余裕を持ったスケジュール設定が必要です。

2025年4月の制度改正に対応するため、オンライン申請環境の整備や地方自治体との連携体制構築などにも時間を要する場合がありますので、早めの準備を心がけましょう。

📞 「手続きが複雑でよくわからない…」

特定技能の申請は書類も多く複雑です。専門家が申請から届出までトータルサポートします。

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申請に必要な書類一覧

特定技能外国人の受入れには、多くの書類が必要です。2025年4月改正により、一定の条件を満たす場合は書類省略が可能になりました。

主な必要書類(新規申請の場合)

📁 在留資格認定証明書交付申請/変更許可申請の必要書類

・在留資格認定証明書交付申請書(または変更許可申請書)
・写真(申請前3ヶ月以内に撮影)
・特定技能雇用契約書の写し
・特定技能外国人の報酬に関する説明書
・特定技能所属機関概要書
・登記事項証明書
・業務執行に関与する役員の住民票の写し
・特定技能所属機関の役員に関する誓約書
・労働保険料等納付証明書(未納なし証明)
・社会保険料納入状況回答票又は領収証書の写し
・納税証明書(その3)
・法人住民税の市町村発行の納税証明書
1号特定技能外国人支援計画書
地方公共団体発行の協力確認書【2025年改正】
・分野別協議会加入証明証

2025年改正による書類省略の条件

✅ 書類省略が可能になる条件

【必須条件】
オンライン申請と電子届出の両方を行っていること
・以下の「一定の事業規模のある機関」のいずれかに該当すること

【一定の事業規模のある機関の条件(いずれか1つ)】
①日本の証券取引所に上場している企業
②保険業を営む相互会社
③イノベーション創出企業(高度専門職省令対象企業)
④一定の条件を満たす企業等(資本金・売上高などの条件あり)
⑤前年分の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
特定技能所属機関として3年間の継続した受入れ実績があり、過去3年間に債務超過となっていない法人

⚠️ 窓口申請では書類省略不可

書類省略のメリットを受けるには、オンライン申請と電子届出の両方が必須条件です。窓口申請の場合は、企業の規模や受入れ実績に関わらず、全ての適格性に関する書類(登記事項証明書、決算報告書、納税証明書など)の提出が必要です。

オンライン申請体制の整備をお勧めします。

義務的支援の10項目と支援計画の作成

特定技能1号外国人を受け入れる企業は、「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、外国人の日本での生活を支援する義務があります。

義務的支援の10項目

1

事前ガイダンス

入国前に、労働条件・活動内容・支援内容・生活環境などについて説明

2

住居確保・生活契約支援

賃貸住宅の契約支援や社宅提供、ライフラインの契約支援

3

生活オリエンテーション

日本のルール・マナー、公共交通機関の利用方法などを説明

4

公的手続きの同行

住民登録、銀行口座開設、携帯電話契約などに同行して支援

5

日本語学習の機会提供

日本語教室等の情報提供、学習教材の提供、自社での日本語研修

6

相談・苦情対応

職場や生活上の相談・苦情について、外国人が理解できる言語で対応

7

外国人と日本人との交流促進

地域住民との交流イベント開催、地域の交流活動に関する情報提供

8

転職支援(必要な場合)

雇用契約終了後に就労を希望する場合、求人情報の提供等の支援

9

定期的な面談・通報

3ヶ月に1回以上の面談を行い、問題があれば入管局へ通報

10

地方公共団体との連携【新】

市区町村と連携し、共生社会実現のための施策に協力。「協力確認書」の提出が必要

2025年改正:定期面談の柔軟化

📋 オンライン面談の正式認可

✅ 3ヶ月に1回以上の定期面談はオンラインでも正式に可能
✅ ただし、外国人の同意が必要
✅ 面談の録画を残し、1年以上保存する必要あり
✅ 初回面談や担当者変更時は対面が推奨
年1回以上の対面面談が望ましいとされている

登録支援機関の活用方法

初めて特定技能外国人を受け入れる企業にとって、義務的支援の実施は大きな負担となる場合があります。そこで活用できるのが「登録支援機関」です。登録支援機関は出入国在留管理庁に登録された機関で、支援計画の実施を委託することができます。

登録支援機関のメリット

✅ 登録支援機関に委託するメリット

専門的知識・経験:外国人支援のノウハウを持つ専門家に任せられる
多言語対応:様々な言語で外国人とコミュニケーションが可能
社内リソースの節約:自社で支援担当者を配置する必要がなくなる
コンプライアンス確保:法令に則った適切な支援が実施される
トラブル対応:問題発生時に専門家の対応が受けられる
定期届出のサポート:年1回の届出作成や提出代行も可能

登録支援機関の標準的な費用目安

💰 費用の目安

初期費用:2〜5万円程度(入国時の空港出迎え、住民登録等の初期手続き支援)
月額費用:1.5〜3万円程度/人(定期面談、相談対応、日本語学習支援等)
更新申請支援:3〜5万円程度(在留期間更新申請の書類作成・申請代行)

※費用は目安であり、地域や支援内容の詳細により変動します。複数の登録支援機関から見積りを取ることをお勧めします。

⚠️ 委託しても最終責任は企業にあり

登録支援機関に全ての支援を委託した場合でも、最終的な支援義務・責任は企業(特定技能所属機関)にあります。委託先が適切に支援を実施しているか確認する責任があり、問題がある場合は改善を求める必要があります。

特定技能1号と2号の違い

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があり、在留期間や家族帯同、業務内容などに違いがあります。長期的な人材活用を視野に入れる場合、特定技能2号への移行も検討する価値があります。

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年まで更新回数制限なし(無期限更新可能)
家族帯同原則不可配偶者・子の帯同可能
対象分野16分野すべて11分野
技能水準相当程度の知識・経験が必要熟練した技能が必要(監督・指導経験等)
試験要件技能試験+日本語試験2号試験(より高度な内容)
支援計画必要不要

📋 2号移行を見据えた人材育成計画

特定技能1号で受け入れた外国人材を将来的に2号へ移行させることを視野に入れる場合、入社時から計画的な育成が重要です。

・入社後早期から専門性の高い業務に従事させる
・日本語能力向上のための支援を積極的に行う
・後輩指導や小規模チームのリーダーなど、指導経験を積ませる
・定期的なスキルアップ研修を実施する
・2号試験の情報収集と試験準備のサポートを行う

よくある質問(FAQ)

特定技能外国人の採用・受入れについて、特に2025年4月の制度改正に関連した質問と回答をまとめました。

Q 2025年4月の制度改正で最も大きく変わった点は何ですか?
A 最も大きな変更点は①四半期ごとの定期届出が年1回に変更されたこと、②地方公共団体との連携が義務化され「協力確認書」が必要になったこと、③オンライン申請と電子届出を両方行うことが書類省略の条件となったこと、の3点です。
Q 協力確認書は全ての申請で必要ですか?更新時も必要ですか?
A はい、2025年4月以降の全ての申請(新規・変更・更新)で協力確認書が必要です。既に雇用している特定技能外国人の在留期間更新申請時にも、未提出の場合は新たに提出する必要があります。また、活動場所や居住地が変わった場合は、新しい市区町村の協力確認書が必要になります。
Q 定期届出の提出時期と対象期間を教えてください。
A 2025年4月改正後の定期届出は、毎年4月1日から5月31日までの期間に提出します。届出の対象期間は前年4月1日から当年3月31日までの1年間です。例えば、2026年4〜5月に提出する届出は、2025年4月1日から2026年3月31日までの状況を報告することになります。
Q 定期面談はすべてオンラインで実施しても問題ないですか?
A 2025年改正により定期面談はオンラインでも正式に可能になりましたが、初回面談や担当者変更時は対面が推奨されています。また年1回以上の対面面談が望ましいとされています。オンライン面談を行う場合は、外国人の同意を得て、面談の録画を1年以上保存する必要があります。
Q 技能実習生から特定技能への移行時、試験は必要ですか?
A 技能実習2号を良好に修了した場合は、特定技能1号への移行時に技能試験と日本語試験が免除されます。ただし、技能実習とは異なる分野の特定技能に移行する場合は、試験が必要となります。また、技能実習を途中で中止した場合も試験が必要になる場合があります。
Q 特定技能外国人が行方不明になった場合、どうすればいいですか?
A 特定技能外国人が行方不明になった場合は、事由発生から14日以内に「受入れ困難に係る届出」を出入国在留管理庁に提出する必要があります。また、所轄の警察署にも届け出ることをお勧めします。2025年改正後も随時届出の期限は変わらず14日以内となっています。

料金・サポート内容

💰 特定技能ビザ申請の料金

特定技能 認定・変更
50,000
税抜/1人
特定技能 更新
30,000
税抜/1人
技人国 認定・変更
80,000
税抜/1人
技人国 更新
40,000
税抜/1人

✅ 当事務所のサポート内容

特定技能に関する無料相談
在留資格認定証明書交付申請
在留資格変更許可申請
在留期間更新許可申請
各種届出の作成・提出代行
支援計画の作成サポート
地方公共団体との連携支援(協力確認書取得)
特定技能2号への移行相談
2025年改正に完全対応

まとめ

📝 この記事のまとめ

  • 2025年4月改正で届出が年1回に簡素化:ただし「協力確認書」の提出が新たに必要
  • オンライン申請+電子届出で書類省略可能:窓口申請では書類省略不可
  • 定期面談はオンラインでも可能に:年1回以上の対面推奨、録画を1年保存
  • 義務的支援は10項目:登録支援機関への委託も可能(最終責任は企業)
  • 特定技能2号への移行:長期雇用・家族帯同が可能に

⚠️ 初めての受入れは専門家のサポートを

特定技能制度は2025年の改正で申請手続きが簡素化された一方、共生社会との連携や各種届出義務など、企業が対応すべき事項も増えています。

初めて特定技能外国人を採用する企業にとっては、手続きの流れや支援義務の具体的内容を把握することが重要です。専門家のサポートを受けることで、スムーズな受入れが実現できます。

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📋 この記事の情報について

本記事は2025年12月時点の情報に基づいています。特定技能制度の詳細や手続きは、法改正や運用変更により変更される場合があります。実際に申請を行う際は、必ず最新の法令・ガイドラインを確認し、専門家にご相談ください。

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