特定技能外国人の解雇規制:企業が知っておくべきポイント
【特定技能】外国人の解雇は危険!
「非自発的離職」で1年間雇用禁止
特定技能外国人を「非自発的に離職」させると、1年間は新たな特定技能外国人を雇用できなくなるという重大なペナルティが科せられます。「非自発的離職」の定義、該当するケース・しないケース、トラブル防止策を解説。
🚨 最重要ポイント
非自発的離職者を発生させると
1年間、特定技能外国人を新規雇用できません
フルタイムの日本人労働者を1名でも解雇した場合も対象
📞 「特定技能外国人の解雇を検討している」
解雇前に必ず専門家に相談を。1年間の雇用禁止を回避できる可能性があります。
特定技能外国人の解雇に関する法規制
特定技能外国人を雇用する企業は、一般の労働法規に加え、入管法や特定技能の運用要領に基づく規制も遵守する必要があります。この「二重の法規制」を理解することが、適切な雇用管理の第一歩です。
📋 適用される主な法規制
【労働法規】
・労働基準法に基づく解雇規制(解雇予告、解雇制限など)
・労働契約法第16条「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効」
【入管法・特定技能制度】
・特定技能基準省令第2条(雇用契約の履行確保に関する基準)
・特定技能運用要領に基づく「非自発的離職」の規制
⚠️ 企業に求められる姿勢
特定技能制度は、日本の深刻な人手不足に対応するために創設された制度です。そのため、既存の労働者を解雇して特定技能外国人に置き換えるような運用は制度の趣旨に反するとみなされます。企業は雇用の安定に努める姿勢が求められています。
「非自発的離職」の定義と該当ケース
特定技能制度では「非自発的離職者」の発生が厳しく規制されています。特定技能外国人に従事させる業務と同種の業務に従事していた労働者が、本人の意思に反して離職することを「非自発的離職」と呼びます。
❌ 非自発的離職に該当するケース
- 人員整理のための希望退職の募集や退職勧奨を行った場合
- 賃金低下、賃金遅配、過度な時間外労働など労働条件に重大な問題があった場合
- 故意の排斥、嫌がらせ等の就業環境に重大な問題があった場合
- 本人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了
✅ 非自発的離職に該当しないケース
- 定年その他これに準ずる理由により退職した場合
- 自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇された場合
- 本人の責めに帰すべき重大な理由により契約更新を拒絶した場合
- 自発的に離職した場合
✅ 「自己の責めに帰すべき重大な理由」とは?
・会社内での窃盗や傷害などの犯罪行為
・職場の風紀を乱す行為
・経歴詐称
・正当な理由のない無断欠勤
・改善されない遅刻・欠勤の常習
これらの場合は「非自発的離職」に該当せず、1年間の雇用禁止措置は適用されません。
1年間の雇い入れ禁止とその影響
非自発的離職者を発生させた場合、企業には特定技能外国人を1年間雇い入れできなくなるという重大な制裁が科せられます。
🚨 1年間の雇い入れ禁止が適用される範囲
特定技能外国人の雇用契約締結の前1年以内または締結後に、同種の業務に従事していた労働者を非自発的に離職させた場合が対象です。
対象となる労働者:
・フルタイムで雇用されている日本人労働者
・中長期在留者(技人国ビザなど)
・特別永住者
※パートタイムやアルバイトは含まれません
企業経営への影響
⚠️ 1年間の雇用禁止がもたらす影響
・人材確保計画の見直しを余儀なくされる
・特定技能外国人を前提とした事業拡大計画の延期
・既存の特定技能外国人の在留資格更新にも影響を及ぼす可能性
・特定技能外国人への依存度が高い企業では、事業の継続性に関わる問題に
企業が取るべきトラブル防止策
非自発的離職を防ぎ、法的リスクを回避するために企業が取るべき対策を4つのポイントで解説します。
📝 雇用契約書の適切な作成
・労働条件を明確に記載(業務内容、就業場所、労働時間、報酬など)
・解雇条件を具体的に記載
・有期契約の場合は更新条件を明示
・母国語または理解できる言語での説明
📋 適切な人事記録の管理
・勤怠記録(出勤簿、タイムカード)
・指導・警告の記録
・面談記録
・労働条件通知書のコピー
・退職届(自発的離職の証明として)
💬 日常的なコミュニケーション
・定期的な面談を実施(通訳を介して)
・労働条件や職場環境に関する意見を聞く機会を設ける
・相談窓口を設置し、ハラスメントなどの問題に早期対応
📖 就業規則の整備と周知
・解雇事由を具体的に記載
・懲戒処分の基準を明確に
・理解できる言語で概要を説明
・定期的に内容の確認と理解度チェック
非自発的離職発生時の対応方法
万が一、非自発的離職が発生した場合の適切な対応方法について解説します。
届出義務と手続き
非自発的離職者を発生させた場合、出入国在留管理局への届出が必要です。この届出を怠ると罰金(30万円以下)のリスクがあります。
📄 必要な届出(14日以内)
- 特定技能所属機関等に関する届出書
- 受入れ困難に係る届出書
- 特定技能雇用契約に係る届出書
転職支援義務
非自発的離職が発生した場合、企業には特定技能外国人の転職支援義務が生じます。
✅ 必要な転職支援
・ハローワークへの相談同行
・新たな雇用先の紹介
・履歴書・職務経歴書の作成支援
・面接の準備・同行
・在留資格変更手続きのサポート
※支援を行った場合は「支援実施状況に係る届出」が必要
理由書による疎明
当事務所の実績
当事務所では、非自発的離職(普通解雇)事例において、理由書を通じて特定技能運用要領上の「解雇ではない」ことを疎明し、許可が出た実績があります。
解雇に至った経緯や理由を客観的な証拠とともに明確に説明することで、1年間の雇用禁止措置を回避できる可能性があります。
料金・サポート内容
💰 特定技能ビザ申請の料金
✅ サポート内容
・解雇に関する法的アドバイス(非自発的離職該当性の判断)
・理由書等の書類作成支援(1年間禁止回避のための疎明)
・出入国在留管理局への届出手続き代行
・転職支援計画の策定サポート
・特定技能雇用契約・就業規則の点検・修正アドバイス
まとめ
📝 この記事のまとめ
- 二重の法規制:労働法規と入管法の両方が適用される
- 非自発的離職に注意:解雇だけでなく退職勧奨、労働条件の問題も該当
- 1年間の雇用禁止:フルタイムの日本人を1名でも解雇した場合も対象
- 予防策が重要:雇用契約書、人事記録、コミュニケーション、就業規則
- 発生時は届出必須:14日以内に届出、転職支援義務あり
🚨 解雇を検討する前に必ず相談を
特定技能外国人の解雇は、1年間の雇用禁止という重大なペナルティにつながる可能性があります。解雇を検討する前に、必ず専門家に相談してください。適切な対応により、ペナルティを回避できる可能性があります。
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理由書による疎明で、1年間の雇用禁止を回避できる可能性があります。
📋 この記事の情報について
本記事の情報は2025年12月16日時点のものです。特定技能制度や入管法は法改正により変更される可能性があります。個別のケースにおける判断については、必ず専門家にご相談ください。また、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の個別案件における法的助言を構成するものではありません。
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