【2024年版】就労ビザ申請の徹底解説
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はじめに
この記事では、就労ビザの種類、申請方法、必要書類、申請のポイントなど、就労ビザ取得の全プロセスをわかりやすく説明しています。また外国人労働者のスムーズな入国と就労を実現するための実用的な情報を提供することを目的としています。
1. 就労ビザとは?
就労ビザは、外国人が特定の国で就労するために必要な許可証(在留資格)です。国際化が進む現代社会で企業がグローバルな人材を求める中、外国人労働者の重要性が増しています。
就労ビザには、以下の目的があります。
- 外国人労働者の就労を保証: ビザは、外国人が適正な在留資格に基づいて働いていることを証明し、不法就労を防ぐ役割を果たします。
- 労働力不足を補う: 先進国を中心に、高齢化や人口減少による労働力不足が深刻化しており、就労ビザは外国人労働者を積極的に受け入れ、労働力不足を解消するための重要な役割となっています。
- 国際的な交流を促進: 就労ビザは、異なる国籍や文化を持つ人々が交流し、互いの知識やスキルを共有する機会を提供し、国際的な人材育成と文化交流に貢献します。
就労ビザのメリットとデメリット
メリット
- 人材不足解消: 優秀な外国人労働者を確保することで、雇用の安定を図ることができます。
- 多様性促進: 異なる文化や価値観を持つ人材の採用により、企業文化を活性化
- グローバル化: 国際的なビジネス展開を促進し、競争力を強化
- 人材育成: 外国人労働者への教育・研修を通じて、企業全体の職場定着率の向上
デメリット
- 申請手続きが複雑: 書類準備や審査に時間と労力が必要
- 費用がかかる: 申請手数料、翻訳費用、渡航費用など
- 文化の違い: 言語、コミュニケーション、習慣の違いによる摩擦や誤解
- 法令遵守: 就労ビザに関連する法令を遵守する必要があり、違反時のリスク
就労ビザは、企業にとって多くのメリットをもたらす一方で、デメリットも存在します。企業はこれらのメリットとデメリットを理解した上で、就労ビザの取得を検討する必要があります。
2. 就労ビザの種類
世界各国は、さまざまな専門分野や業務に対応するために、多岐にわたる就労ビザの種類を設定しています。特に日本では、外国人労働者が活躍できるフィールドを明確に区分し、それぞれのビザに応じた条件と要件を定めています。
技術・人文知識・国際業務
- 技術: IT、エンジニアリング、生物学、化学など、科学技術関連の専門知識を要する職種向けのビザ。このビザを通じて、高度な技術力を持つ人材が日本の技術革新に貢献します。
- 具体的な職種例: ソフトウェアエンジニア、化学エンジニア、機械エンジニア、研究者など
- 主な要件: 大学卒業以上の学歴または実務経験、日本語能力試験N4レベル以上
- 人文知識: 法律、経済、人文学など、人文科学の知識を活用する職種に適用されるビザ。このビザは、社会科学の専門家や教育関連の職種で活動する外国人に発行されます。
- 具体的な職種例: 弁護士、会計士、大学教員、ジャーナリストなど
- 主な要件: 大学卒業以上の学歴、日本語能力試験N1レベル以上
- 国際業務: 国際ビジネス、輸出入、国際金融など、国際的な業務に従事する人たち向けのビザ。グローバルなビジネスの展開を支援し、国際経済の発展に寄与します。
- 具体的な職種例:貿易事務、通訳、翻訳者、国際営業担当者など
- 主な要件: 大学卒業以上の学歴または実務経験、日本語能力試験N2レベル以上
特定技能
- 特定技能1号: 日本国内での特定産業における即戦力となる外国人を対象としたビザ。介護、建設、農業など、特定の分野での専門スキルを有する労働者がこのカテゴリーに該当します。
- 具体的な職種例: 介護士、建築作業員、農業従事者など
- 主な要件: 特定技能試験合格、日本語能力試験N4レベル以上
- 特定技能2号: 特定技能1号の活動に加え、より高度なスキルや知識が求められる職種に従事する外国人向けのビザ。長期的なキャリア形成と技能のさらなる向上を目指す人たちに開かれています。
- 具体的な職種例: 介護福祉士、建築監督、農業技術者など
- 主な要件: 特定技能試験2級合格、日本語能力試験N3レベル以上
その他の就労ビザ
- 経営・管理: 企業経営や管理職に従事する外国人向けのビザ。経営戦略の立案や事業運営に関わる重要な役割を担います。
- 具体的な職種例: 会社社長、役員、マネージャーなど
- 主な要件: 経営経験、一定額以上の資金力、日本語能力試験N2レベル以上
- 技能実習: 技術、人文知識、国際業務に加え、日本独自の技術やノウハウを学ぶための実習生向けビザ。日本の技術を海外に伝えることも目的の一つです。
- 具体的な職種例: 介護、機械操作、縫製など
- 主な要件: 技能実習計画に基づく実習、日本語能力試験N4レベル以上
- 介護: 日本の高齢化社会に対応するため、介護サービスを提供する外国人労働者向けのビザ。社会的需要の高まりに応じて導入されました。
- 具体的な職種例: 介護士、介護助手など
- 主な要件: 介護福祉士国家試験合格または介護実務経験、日本語能力試験N4レベル以上
- 企業内転勤: 多国籍企業が海外の従業員を日本法人に転勤させる際に必要となるビザ。グローバルな視点からの知識共有や業務の効率化を促進します。
- 具体的な職種例: エンジニア、マーケティング担当者、人事担当者など
- 主な要件: 転勤命令書、一定額以上の給与、日本語能力試験N4レベル以上
- 興行: アーティスト、スポーツ選手、エンターテイメント関連の専門職に発行されるビザ。文化やスポーツの国際交流を支えます。
- 具体的な職種例: 歌手、ダンサー、俳優、スポーツ選手など
- 主な要件: 興行契約書、招聘者による保証、日本語能力試験N5レベル以上
3. 就労ビザ申請フロー
就労ビザの申請は、国によって異なる手続きと要件を有しますが、その基本的な流れは共通しています。特に日本での就労を希望する外国人労働者とその雇用主は、この申請フローを慎重に進める必要があります。
新規申請(COE)
新規の就労ビザ申請は、主に在留資格認定証明書の交付申請から始まります。
この段階では、申請者の職種、経験、予定される労働条件などを詳細に説明する必要があります。許可が出たら、申請者は在留資格認定証明書を受け取り、その証明書を基にビザ(上陸許可)を申請します。このプロセスには、通常、数週間から数か月かかることがあります。
在留資格変更許可申請
既に日本に滞在している外国人が転職する場合などは、在留資格の変更許可を申請する必要があります。
このプロセスでは、新しい就労条件が現在のビザの範囲内にあるか、または新たなビザの取得が必要かを検討します。正確な申請と迅速な手続きが、転職や就労条件の変更を可能にします。
更新申請
就労ビザの有効期限が近づいている場合、ビザの更新申請が必要になります。
この時、申請者は引き続き同じ職種で働く意向があること、雇用条件が継続していることを証明する必要があります。適時に更新申請を行うことで、在留資格の途切れることなく、就労活動を継続できます。
申請時のポイント
申請時期
就労ビザの申請は、ビザの有効期限が切れる前に、または職種変更などの予定がある場合は事前に済ませておくことが重要です。ギリギリになって申請してしまうと、手続きに時間がかかり、意図せず不法就労となってしまう可能性もあります。余裕を持って準備を進めることが大切です。(3か月前から可能)
必要書類
就労ビザの申請には、職務経歴書、雇用契約書、在留資格認定証明書など、様々な書類が必要です。これらの書類は、最新の情報が記入されている必要があります。必要書類のリストは出入国在留管理庁のウェブサイトなどで確認できますが、必要書類はビザの種類や状況によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
審査期間
就労ビザの審査には時間がかかります。審査期間は、申請内容や時期によって異なりますが、数ヶ月かかる場合もあります。そのため、申請は計画的に早めに行うことが勧められます。
スムーズな就労環境の実現
就労ビザ申請は、外国人労働者にとって日本での就労を実現するための重要な手続きです。申請プロセスを理解し、適切に対応することで、外国人労働者と雇用主双方の目指すスムーズな就労環境の実現に繋がります。
4. まとめ
就労ビザ申請から外国人労働者の管理まで、企業が押さえるべきポイント
- 就労ビザの種類
- 職種や専門性に応じて適切なビザは異なります。
- 申請前にどのビザが該当するかを明確にしておくことが重要です。
- 申請手続き
- 申請時期や必要書類、審査期間は事前に確認し、計画的に手続きを進めましょう。
- 必要書類は最新で正確な情報を基に準備することが求められます。
- 不法就労のリスク
- 不法就労は、外国人労働者と雇用主双方に大きなリスクをもたらします。
- 就労ビザを適切に取得し、法令を厳守することが不可欠です。
- 雇用時の注意点
- 就労ビザの取得状況、日本語能力、労働環境、社会保険加入、文化の違いなどに配慮し、適切な対応を行いましょう。
これらのポイントを押さえることで、外国人労働者の雇用はスムーズに進められますが、ビザ申請や手続きには専門的な知識と経験が必要です。行政書士しかま事務所では、就労ビザの申請から外国人労働者の雇用管理まで、幅広いサポートを提供しています。安心してビザ手続きを進めたい方は、ぜひ無料相談をご利用ください。
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