【宿泊業向け】技人国と特定技能どちらで雇用すべき?
【宿泊業向け】技人国と特定技能
どちらで雇用すべき?
ホテル・旅館で外国人を雇用する際に必ず直面する「技人国」と「特定技能」の選択。業務範囲の決定的な違いを理解しないと法律違反のリスクも。行政書士が両者を徹底比較し、最適な選択をサポートします。
⚡ 結論:業務内容で選択が決まる
🎓 技人国(技術・人文知識・国際業務)
フロント・通訳・マーケティングなど
専門業務を任せたい場合
※客室清掃・配膳は原則NG
🏆 特定技能(宿泊)
フロントから客室清掃・配膳まで
幅広い現場業務を任せたい場合
※即戦力として活用可能
📞 「うちのホテルにはどちらが合っている?」
業態・ニーズに合わせた最適なビザ選択をアドバイスします。
5分でわかる比較表
| 比較項目 | 技人国 | 特定技能(宿泊) |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 専門知識を活かす専門職向け | 人手不足分野を支える即戦力確保 |
| 主な業務範囲 | フロント、通訳、マーケティング、企画等 ※単純労働は原則不可 | フロント、接客、レストラン、客室清掃等 ※宿泊業の幅広い業務が可能 |
| 人材の要件 | 大卒以上(専門が関連) または実務経験10年以上 | 技能試験+日本語試験の合格者 または技能実習2号良好修了者 |
| 在留期間の上限 | 上限なし(更新可能) | 通算5年まで ※2号移行で無制限に |
| 家族の帯同 | 可能(家族滞在ビザ) | 1号:原則不可 2号:可能 |
| 転職の自由度 | 同一業種内で比較的自由 | 同一分野内で可能 (届出が必要) |
| 永住権取得 | 10年在留で申請可能 | 1号:対象外 2号:10年在留で申請可能 |
業務範囲の決定的な違い(最重要)
比較表で最も重要なポイントは「業務範囲」です。この違いを理解せずに採用を進めると、後々大きな問題となる可能性があります。
🎓 技人国でできること
- フロント業務:予約管理、チェックイン・アウト対応
- 通訳・翻訳業務:外国人客への通訳、パンフレット翻訳
- マーケティング:海外向けSNS運用、プロモーション企画
- 企画・管理業務:イベント企画、売上分析
- 営業業務:旅行代理店との折衝
🏆 特定技能でできること
- 上記の技人国業務すべて
- 客室関連業務:ベッドメイキング、客室清掃
- レストラン業務:配膳、接客、厨房補助、片付け
- 館内清掃:ロビー、廊下、トイレ等の清掃
- その他:荷物運搬、駐車場案内
特定技能は技人国の業務+現場作業をカバー
特定技能は技人国の業務に加えて、現場作業(現業)も幅広くカバーできるのが大きな特徴です。宿泊業の人手不足を解消するには、この「幅広い業務範囲」が大きなメリットとなります。
🚨 【要注意】技人国ビザで客室清掃は原則NG!
宿泊業界で最も多い誤解がこの点です。技人国は専門職向けのビザであるため、以下の業務を主たる業務として従事させることは「資格外活動」=法律違反になります。
NGな業務:
・客室清掃・ベッドメイキング
・レストランでの皿洗い・配膳
・荷物の運搬
・単純な案内業務(通訳要素なし)
発覚した場合のリスク:
・外国人本人:在留資格取消、強制退去の可能性
・雇用企業:不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
・今後の外国人雇用に大きな支障
人材要件の違い
🎓 技人国の人材要件
- 学歴要件:大学卒業以上(専攻と業務の関連性が必要)
- 実務経験:関連業務での10年以上の実務経験(学歴要件の代替)
- 語学力:日本語能力に特定の基準なし
- 採用しやすい人材:日本の大学・専門学校卒業の留学生
🏆 特定技能の人材要件
- 技能要件:宿泊業技能測定試験の合格
- 日本語要件:日本語能力試験N4以上
- 学歴要件:なし(実務能力重視)
- 試験免除:技能実習2号(宿泊関連)を良好に修了した者
📋 採用戦略のポイント
技人国向け:大学で観光学、経営学、語学などを専攻した留学生や、本国で関連業務経験のある人材がターゲット
特定技能向け:学歴より実務能力を重視。技能実習生からの移行や、試験合格者の中途採用が中心
メリット・デメリット比較
🎓 技人国のメリット・デメリット
✅ メリット
- 在留期間に上限なし
- 家族帯同が可能
- 転職の自由度が高い
- 永住権取得への道筋が明確
- 高い専門性を期待できる
⚠️ デメリット
- 現場作業に従事させられない
- 学歴・専門性の確認が必要
- 採用できる人材が限定的
- 給与水準が高めになる傾向
🏆 特定技能のメリット・デメリット
✅ メリット
- 幅広い業務に対応可能
- 即戦力としての活用
- 学歴不問で採用しやすい
- 現場のニーズに直結
- 技能実習生からの移行が可能
⚠️ デメリット
- 在留期間が通算5年まで
- 家族帯同が原則不可
- 転職時の手続きが必要
- 試験合格が必要
- 支援体制の構築が必要
どちらを選ぶべき?判断基準
🎓 技人国が適している場合
専門人材を長期育成したい企業向け
- 外国人客への高品質な接客・通訳サービスを重視
- 海外向けマーケティングを強化したい
- 長期的な人材育成・定着を重視
- 専門性の高い業務を任せたい
🏆 特定技能が適している場合
現場の即戦力が欲しい企業向け
- 現場の幅広い業務をこなせる即戦力が欲しい
- 清掃や配膳なども含めて任せたい
- 人手不足の早急な解決が必要
- 比較的短期間での戦力化を重視
✅ 成功のポイント
どちらが良い・悪いではなく、企業の目的と戦略によって最適なビザが異なります。
・自社の業態とニーズを明確にした上でビザを選択
・法的制約を正しく理解し、適切な業務配分を実施
・専門家のサポートを受けて確実な申請手続きを実行
料金・サポート内容
💰 宿泊業の外国人ビザ申請料金
✅ ワンストップサポート内容
・コンサルティング:どちらのビザが適切かのアドバイス
・書類作成:事業計画書・理由書の作成
・必要書類の収集・作成支援
・入管への申請手続き代行
・申請後のフォローアップ
まとめ:専門知識の「技人国」、現場力の「特定技能」
📝 この記事のまとめ
- 業務範囲が決定的に違う:技人国は専門業務のみ、特定技能は現場作業も可能
- 技人国で客室清掃はNG:法律違反のリスク、罰則あり
- 人材要件も異なる:技人国は大卒要件、特定技能は試験合格
- 在留期間:技人国は上限なし、特定技能1号は5年まで
- 選択基準:任せたい業務内容で決まる
⚠️ 間違った選択のリスク
間違った選択をすると、せっかく採用した外国人材を適切に活用できないばかりか、最悪の場合は法律違反となってしまう可能性もあります。
適切な在留資格の選択と確実な申請は、専門家への相談が最も確実で効率的な解決策です。
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📋 この記事の情報について
本記事の内容は2025年12月16日時点の情報に基づいて作成しており、一般的な情報提供を目的としています。法令改正や運用変更により内容が変わる場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁のウェブサイト等でご確認ください。個別のケースによって判断が異なる場合がありますので、具体的な申請に関しては専門家にご相談ください。

