技人国ビザの更新が突然不許可に?特定技能への変更で在留資格を守る方法
技人国ビザの更新が突然不許可に?
特定技能への変更で在留資格を守る方法
「今まで問題なく更新できていたのに、なぜ?」——そんな声が増えています。飲食店の店長、ホテルスタッフ、製造業で働く方は特に注意が必要です。この記事では、技人国ビザ更新が厳しくなっている本当の理由と、特定技能への戦略的変更という解決策を、入管業務専門の行政書士がわかりやすく解説します。
❓ こんな不安を感じていませんか?
一つでも当てはまる方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読めば、技人国ビザ更新のリスクを正確に把握し、最適な対策を立てることができます。
なぜ今、技人国ビザの更新が厳しくなっているのか
結論から言います。特定技能制度の定着により、入管の審査基準が根本的に変わりました。これまで「技人国ビザで問題なし」だった仕事が、「それは特定技能の仕事でしょ」と判断されるケースが急増しているのです。
「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)ビザは、大学や専門学校で学んだ専門知識を活かして働くためのビザです。エンジニア、通訳、マーケティング担当など、いわゆる「ホワイトカラー」の仕事に就く外国人の多くが、このビザで日本に滞在しています。
しかし2019年、新しい在留資格「特定技能」が創設されました。これは人手不足が深刻な分野で、現場の「技能」を活かして働く外国人を受け入れるための制度です。
⚠️ 入管の考え方が変わった
特定技能制度が定着した今、入管はこう考えるようになりました。
「この仕事は、大学で学んだ専門知識を使う仕事ですか?それとも、現場で身につけた技能を使う仕事ですか?後者なら、技人国ビザではなく特定技能ビザが適切です」
——入管審査官の判断基準(筆者の実務経験に基づく)
つまり、「現場の仕事が多い=専門知識を活かしていない=技人国ビザの要件を満たさない」という判断がされやすくなっているのです。
これは単なる「審査の厳格化」ではありません。日本政府の外国人材受け入れ政策全体の転換を反映しています。政府は特定技能制度を通じて、現場で働く外国人材の受け入れを拡大する方針を明確にしており、その結果として、従来の技人国ビザの適用範囲が実質的に狭められているのです。
📌 この変化で影響を受ける人
- 飲食店の店長・マネージャー(接客業務も行う)
- ホテルのフロントスタッフ(現場オペレーションが中心)
- 製造業の「生産管理」「品質管理」担当(ライン作業も行う)
- 小売店のスーパーバイザー(売場に立つことが多い)
- その他、「管理職」の肩書きだが現場仕事が多い人
【実例】更新が危ない技人国ビザの具体的パターン
「自分は大丈夫なのか?」——多くの方がそう心配されています。ここでは、当事務所が実際に相談を受けた事例をもとに、更新が危険な具体的パターンを紹介します。
ケース1:飲食チェーン店の店長Aさん
30代・ベトナム出身・在日7年目
📋 Aさんの状況
大学で経営学を専攻し、卒業後に大手飲食チェーンに就職。現在は都内の店舗で店長を務めている。「経営管理」「マネジメント」という業務内容で技人国ビザを取得・更新してきた。
入管が問題視するポイント
- 勤務時間の60%以上が、ホールでの接客・配膳・レジ打ちなどの現場オペレーション
- 「店長業務」の内容が、アルバイトのシフト管理や売上報告など、専門性の低い作業が中心
- メニュー開発や経営戦略への関与がほとんどない
- 他の店舗の日本人店長と業務内容に差がない
ケース2:シティホテルのフロントスタッフBさん
20代・中国出身・在日5年目
📋 Bさんの状況
日本の専門学校でホテル経営を学び、卒業後にシティホテルに就職。「通訳・翻訳」「フロント業務」という業務内容で技人国ビザを取得。中国語対応の強化という名目で採用された。
入管が問題視するポイント
- 通訳・翻訳業務は全体の20%程度。残りはチェックイン・チェックアウト対応が中心
- ベルスタッフや荷物運搬の業務も行っている
- 宿泊プラン企画やマーケティングへの関与がない
- 「中国語対応」以外に、他のフロントスタッフとの業務の差がない
ケース3:食品工場の生産管理担当Cさん
30代・フィリピン出身・在日8年目
📋 Cさんの状況
母国で工学部を卒業し、来日後に食品工場に就職。「生産管理」「品質管理」という業務内容で技人国ビザを取得。現在は製造ラインの管理者として勤務している。
入管が問題視するポイント
- 「生産管理」の実態が、ライン作業員への指示出しや自身もライン作業を担当
- 「品質管理」が目視検査など、専門知識を必要としない作業中心
- 工程改善や技術開発などの高度な業務への関与がない
- 大学で学んだ工学知識との関連性を説明できない
あなたの仕事をチェックしてみてください
以下の質問に「はい」が多いほど、更新リスクが高い可能性があります。
- 勤務時間の半分以上が、現場での作業(接客、製造、清掃など)ですか?
- あなたの仕事は、日本人の同僚と大きく変わりませんか?
- 大学・専門学校で学んだことと、今の仕事の関連性を説明するのは難しいですか?
- 「管理職」の肩書きだけど、部下への指示より自分で作業することが多いですか?
- 特定技能の対象分野(外食、宿泊、製造など)に関係する仕事をしていますか?
更新が不許可になるとどうなる?最悪のシナリオ
「まさか自分が不許可になるなんて」——そう思っている方も多いでしょう。しかし、技人国ビザの更新が不許可になった場合、あなたの人生は一変します。
🚨 更新不許可後に起こること
- 即座に就労不可
不許可の通知を受けた瞬間から、今の職場で働くことができなくなります。給料をもらうことも違法になります。 - 30日以内に出国
「出国準備」のための短期滞在に変更されますが、通常30日以内に日本を離れなければなりません。 - 家族も帰国
配偶者や子どもが「家族滞在」ビザで滞在している場合、あなたが帰国すれば家族のビザも維持できなくなります。 - 再入国が困難に
不許可の履歴が残るため、将来的に日本で働くビザを取得することが非常に難しくなります。 - キャリアの断絶
日本で築いてきたキャリア、人間関係、生活基盤のすべてを失うことになります。
これは脅しではありません。当事務所にも、「まさか自分が」と思っていた方が、更新不許可になって途方に暮れている状態で相談に来られるケースが増えています。
「7年間、一度も問題なく更新できていました。会社からも評価されていて、昇進もしました。それなのに、突然の不許可。妻と子どもと一緒に日本で暮らしてきたのに、全部なくなるなんて信じられませんでした」
——当事務所に相談に来られた40代男性(製造業勤務)
だからこそ、「不許可になる前」に対策を打つことが重要なのです。
特定技能への変更という「戦略的選択」
技人国ビザの更新が危ういと感じたとき、最も現実的な解決策は何でしょうか?
それは、「特定技能」ビザへの在留資格変更です。
「え、特定技能って"格下"じゃないの?」——そう思った方もいるかもしれません。
確かに、特定技能は「現場の技能」を評価するビザです。技人国ビザの「専門知識」とは性質が異なります。しかし、これを「格下げ」と考えるのは間違いです。
💡 考え方を変えてみてください
サッカーに例えてみましょう。あなたは「ミッドフィルダー」として契約しましたが、実際の試合では「フォワード」の動きをしています。監督(入管)から「君の動きはフォワードだよね。ミッドフィルダーとして契約するのはおかしい」と言われました。
この場合、無理に「ミッドフィルダーとして認めてください」と主張し続けるより、「フォワード」として正式に契約し直す方が、試合に出続けられますよね?
特定技能への変更は、「降格」ではなく「ポジションの最適化」なのです。
特定技能への変更が「戦略的」である3つの理由
- 在留の安定性が確保できる
今の仕事を続けながら、合法的に日本に滞在できます。更新不許可のリスクから解放されます。 - 将来の選択肢が広がる
特定技能2号に移行すれば、家族帯同も可能になり、永住権取得への道も開けます。技人国ビザと同等の将来が描けます。 - 企業にとってもメリット
会社は優秀な人材を失わずに済みます。外国人雇用のノウハウも蓄積され、今後の採用にも活かせます。
📌 重要なポイント
特定技能への変更は、技人国ビザの在留期限が切れる前に行う必要があります。不許可になってからでは遅いのです。「危ないかも」と思ったら、すぐに専門家に相談することをお勧めします。
特定技能に変更するメリットとデメリット【徹底比較】
特定技能への変更を検討する際は、メリットとデメリットを正確に理解することが不可欠です。ここでは、包み隠さずお伝えします。
👍 メリット
✅ 在留資格が安定する
最大のメリットです。更新不許可の不安から解放され、今の職場で合法的に働き続けられます。
✅ 特定技能2号で永住への道が開ける
特定技能2号に移行すれば、在留期間の上限がなくなり、家族帯同も可能。永住権取得の道も開けます。
✅ 同じ分野内で転職できる
同一の特定産業分野内であれば転職が可能。キャリアアップの機会も確保されます。
✅ 会社のリスクも軽減
企業は優秀な人材を失わずに済みます。外国人雇用のノウハウ蓄積にもつながります。
👎 デメリット
❌ 家族帯同ができない(1号の場合)
特定技能1号では、原則として配偶者・子を日本に呼べません。既に家族と暮らしている場合、これは極めて重大な問題です。
❌ 異なる業界への転職が難しい
同一分野内でしか転職できません。「外食」から「IT」への転職などは、別のビザが必要です。
❌ 心理的な抵抗感
「技人国から特定技能へ」を「降格」と感じてしまう方もいます。周囲の目が気になる方も。
❌ 会社の負担が増える
企業は「支援計画」の策定・実施が義務付けられます。登録支援機関への委託費用も発生します。
⚠️ 特に注意すべき人
日本で配偶者・子どもと暮らしている方は、特定技能1号への変更を慎重に検討してください。1号では家族帯同ができないため、家族と離れて暮らすか、家族も帰国するかの選択を迫られます。
ただし、特定技能2号への移行を見据えた計画であれば、一時的な制限として受け入れられる場合もあります。個別の状況に応じた判断が必要です。
技人国から特定技能へ変更する具体的な手順
特定技能への変更を決断した場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。本人側と企業側、それぞれの準備を解説します。
本人が準備すること
| 準備項目 | 内容 |
|---|---|
| 特定技能評価試験 | 従事する分野の技能試験に合格する必要があります。 例:外食業技能測定試験、宿泊業技能測定試験、製造分野特定技能1号評価試験など |
| 日本語能力試験 | 日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格 |
| 免除される場合 | 技能実習2号を良好に修了した方は、技能試験・日本語試験が免除される場合があります |
企業が準備すること
📋 1号特定技能外国人支援計画
企業は以下の支援を行う計画を策定し、実施する義務があります。
- 事前ガイダンス(雇用契約の内容、入国手続きの説明など)
- 出入国時の送迎(空港への送り迎え)
- 生活オリエンテーション(住居、銀行口座、生活ルールの説明)
- 日本語学習の機会提供(日本語教室の案内など)
- 相談・苦情対応(母国語で対応できる体制)
- 日本人との交流促進(地域行事への参加支援など)
※自社での実施が難しい場合は、「登録支援機関」に委託することも可能です。
変更手続きの流れとスケジュール
在留資格変更の標準スケジュール(目安:4〜6か月)
専門家への相談・現状分析
技人国ビザ更新の可能性と、特定技能への変更の適否を判断。最適な戦略を立案します。
2〜3週間試験対策・受験
特定技能評価試験、日本語試験の対策と受験。試験は定期的に実施されていますが、日程の確認が必要です。
1〜3か月企業側の受入れ体制整備
支援計画の策定、雇用契約書の作成、登録支援機関との契約など。
2〜3週間在留資格変更許可申請
必要書類を揃えて、管轄の出入国在留管理局に申請します。
1週間審査・許可
入管による審査を経て、許可が下ります。新しい在留カードを受け取って完了です。
1〜3か月⏰ 時間との戦いです
在留期限の6か月前には準備を開始してください。
試験のスケジュール、審査期間を考えると、ギリギリのタイミングでは間に合いません。「危ないかも」と思ったら、すぐに専門家に相談することをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
まとめ:変化に対応できる人が生き残る
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最後に、この記事のポイントを整理します。
📝 この記事のまとめ
- 技人国ビザの審査が厳格化している
特定技能制度の定着により、「現場仕事が多い」と技人国ビザの更新が認められないケースが増加 - 飲食・宿泊・製造業で働く方は要注意
「管理職」の肩書きでも、実態が現場作業中心なら更新不許可のリスクあり - 更新不許可は人生を変える
即座に就労不可、30日以内に出国、家族も帰国——取り返しがつかない事態に - 特定技能への変更は「戦略的選択」
「降格」ではなく「ポジションの最適化」。在留の安定と将来の選択肢を確保できる - 早めの準備が成功の鍵
在留期限の6か月前には専門家に相談を。時間との戦いです
入管の運用方針は、社会情勢や新制度の定着に伴い常に変化しています。「今までこうだったから大丈夫」は通用しません。
しかし、変化を恐れる必要はありません。変化を正確に理解し、柔軟に対応できる人が、日本で安定した在留と将来を手に入れることができるのです。
この記事が、あなたの「次の一手」を考えるきっかけになれば幸いです。
あなたのビザ、次の更新は大丈夫ですか?
「自分の場合はどうなんだろう?」と思ったら、まずはご相談ください。
行政書士しかま事務所では、最新の入管動向を踏まえた戦略的アドバイスを提供しています。
🔍 リスク診断
現在の業務内容から、技人国ビザ更新のリスクを詳細に分析します。
🛤️ 戦略提案
「技人国での更新」と「特定技能への変更」を比較し、最適な選択肢を提案します。
⚙️ 手続き代行
企業の受入れ体制構築から、在留資格変更申請まで一貫してサポートします。
📋 この記事の情報について
本記事の内容は2025年6月29日時点の入管法および関連法規、審査運用に基づいています。入管の運用方針は随時変更される可能性があるため、実際の申請にあたっては最新情報をご確認ください。また、個別の案件については必ず専門家にご相談ください。本記事の内容に基づく判断や行動によって生じた結果について、当事務所は責任を負いかねます。
料金表
| 在留資格 | 手続き内容 | 料金(税別) |
|---|---|---|
| 特定技能 | 海外からの呼び寄せ/VISAの変更 | ¥50,000 |
| VISAの更新 | ¥30,000 | |
| 技術・人文知識・国際業務 | 海外からの呼び寄せ/転職あり更新/変更 | ¥80,000 |
| VISAの更新(転職なし) | ¥40,000 |
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