その「雇用契約書」、本当に大丈夫?外国人特有の労働条件と入管法・労働法のダブルチェックポイント

その「雇用契約書」、本当に大丈夫?外国人特有の労働条件と入管法・労働法のダブルチェックポイント | 行政書士しかま事務所

その「雇用契約書」、本当に大丈夫?外国人特有の労働条件と入管法・労働法のダブルチェックポイント

読了時間:約12分
2025年5月24日

この記事を読むとわかること

  • 外国人雇用契約書で絶対に必要な労働条件明示事項
  • 在留資格の種類によって雇用契約書で特に注意すべき点
  • 入管審査でチェックされる給与・職務内容の記載方法
  • 労働法違反・入管法違反にならないための契約条項
  • 外国人特有のトラブルを避けるための契約上の工夫

こんなお悩みありませんか?

  • 「外国人向けの雇用契約書、日本人と同じでいいの?」
  • 「ビザ申請で、契約書のどの部分が入管に見られるの?」
  • 「"母国への帰国費用は本人負担"って書いても大丈夫?」
  • 「試用期間や解雇条項、外国人にも同じように適用できる?」
  • 「在留資格の活動範囲と契約上の職務内容がズレていないか不安…」

1. はじめに:外国人雇用の契約書、なぜ「ダブルチェック」が必要?

行政書士しかま事務所(https://gyousei-shikama-office.com/)の鹿間英樹です。最近、外国人雇用に関する相談を日々お受けしている中で、特に多いのが雇用契約書に関するお悩みです。

近年、労働力不足の解決策として外国人雇用が一般化する中で、企業の人事・労務担当者の皆様からは「外国人向けの雇用契約書はどう作成すればよいのか」「日本人と同じ契約書でよいのか」といったご質問を頻繁にいただきます。

確かに、外国人従業員も日本で働く以上、労働基準法をはじめとする労働関連法規の適用を受けることは間違いありません。しかし、外国人雇用の場合、それだけでは不十分です。

外国人雇用における「ダブルチェック」の必要性

外国人雇用では、労働基準法等の「労働法」の遵守に加えて、出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づく「在留資格制度」の観点からも雇用契約書をチェックする必要があります。つまり、法的に二重の基準をクリアしなければならないのです。

本記事では、この「労働法」と「入管法」という2つの異なる法的視点から、外国人雇用契約書の適切な作成方法とチェックポイントを具体的に解説いたします。企業の皆様が安心して外国人雇用を実現し、コンプライアンスを確保するための実践的なガイドとしてご活用ください。

2. 大前提!労働基準法が定める「労働条件の明示義務」とは

外国人雇用契約書を検討する前に、まずは日本の労働法の基本である労働基準法第15条の「労働条件の明示義務」について確認しておきましょう。これは国籍を問わず、すべての労働者に適用される基本ルールです。

2024年4月の法改正により、労働条件の明示事項が拡充されており、企業は以下の事項を労働者に明示することが義務付けられています。

絶対的明示事項(書面での明示が必要)

  • 労働契約の期間に関する事項
  • 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
  • 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
  • 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  • 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

2024年4月改正で追加された明示事項

  • 就業場所・業務の変更の範囲(雇入れ直後の就業場所・業務だけでなく、将来の配置転換等により変更される可能性のある就業場所・業務の範囲)
  • 更新上限の有無と内容(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限の有無とその内容)
  • 無期転換申込機会及び無期転換後の労働条件(無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約更新のタイミングの明示など)

なお、2019年4月からは労働者本人が希望すれば、FAXや電子メール等による電磁的方法での明示も可能となっていますが、出力して書面を作成できるものに限られます。

重要な注意点

外国人だからといって労働条件の明示義務が免除されることはありません。むしろ、言語や制度の理解不足によるトラブルを防ぐため、より丁寧な説明と明示が求められると考えるべきです。

3. チェックポイント1:在留資格と「職務内容」の一致は絶対!

外国人雇用における最も重要なチェックポイントは、雇用契約書に記載する「職務内容」が、その外国人が持つ(またはこれから申請する)在留資格で許可されている活動内容と完全に一致していることです。

入管法では、外国人は許可された在留資格の範囲内でのみ就労が可能とされています。この原則に反した雇用契約を締結することは、企業にとって大きなリスクとなります。

主要な就労系在留資格と対応する職務内容

技術・人文知識・国際業務

理学、工学、人文科学の分野に属する技術・知識を要する業務、外国の文化に基盤を有する思考・感受性を要する業務

例:システムエンジニア、通訳・翻訳、海外営業、貿易業務、デザイナー、語学講師など

特定技能(1号・2号)

特定産業分野に属する相当程度の知識・経験を要する技能業務

例:介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業など12分野

技能

産業上の特殊な分野に属する熟練した技能業務

例:外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工、毛皮加工、動物の調教、石油・地熱等掘削調査、パイロットなど

絶対に避けるべき事例

  • 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格者に対して、工場での単純作業を主な職務として記載する
  • 「特定技能(介護)」の在留資格者に対して、介護以外の業務(例:清掃業務)を中心とした職務内容を記載する
  • 在留資格と明らかに異なる業務内容を「その他業務」として曖昧に記載する

適切な職務内容記載のポイント

  • 在留資格の許可要件と合致する具体的な業務内容を明記する
  • 付随的業務がある場合は、主たる業務との関係性を明確に示す
  • 業務内容の変更可能性がある場合は、在留資格の範囲内であることを確認・記載する

雇用契約書の職務内容と実際の業務が乖離している場合、不法就労助長罪(入管法第73条の2)や在留資格取消し(入管法第22条の4)のリスクが生じます。企業は在留資格申請時だけでなく、継続的に業務内容と在留資格の整合性を確保する必要があります。

4. チェックポイント2:「給与・報酬」は日本人と同等以上が原則

外国人雇用における給与設定は、労働法と入管法の両面から厳格な基準が設けられています。特に入管法の観点では、多くの就労系在留資格において「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」が在留資格許可の要件となっています。

入管法における報酬基準

在留資格「技術・人文知識・国際業務」「技能」「特定技能」等では、以下の基準が適用されます

"日本人が同様の業務に従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること"

これは基本給だけでなく、各種手当、賞与等を含めた年収ベースでの判断となります。

労働法における最低基準

  • 最低賃金法の遵守:地域別最低賃金または特定最低賃金の適用
  • 労働基準法第3条(均等待遇):国籍を理由とする差別的取扱いの禁止
  • 同一労働同一賃金:同じ業務に従事する日本人労働者との均衡

雇用契約書における給与記載のベストプラクティス

1. 基本給の明確な記載

月額基本給を具体的な金額で明示(例:月額基本給 250,000円)

2. 各種手当の詳細記載

住宅手当、通勤手当、職務手当等の支給条件と金額を明記

3. 賞与・昇給に関する規定

支給時期、支給基準、査定方法等を具体的に記載

4. 年収見込み額の提示

入管審査では年収ベースで判断されるため、年収見込み額を併記することを推奨

特に注意が必要なケース

  • 試用期間中の減額:極端な減額は在留資格審査で問題視される可能性
  • 成果報酬制度:最低保証額が日本人同等基準を下回る場合は要注意
  • 諸控除の過大設定:社宅費等の控除が過大で実質賃金が低下するケース

給与設定は単に法令遵守の問題だけでなく、優秀な外国人人材の確保と定着にも直結する重要な要素です。適正な給与水準の設定により、企業の競争力向上と外国人社員のモチベーション維持の両立を図ることができます。

5. チェックポイント3:「契約期間」と在留期間の関係性

外国人雇用における契約期間の設定は、労働契約法や労働基準法に基づく一般的な規制に加えて、在留資格の有効期間との関係性を考慮する必要があります。適切な契約期間の設定は、企業の人事戦略と外国人社員の在留安定の両立を図る上で重要な要素となります。

契約期間と在留期間の基本的な関係

契約期間 ≠ 在留期間

雇用契約の期間と在留資格の有効期間は必ずしも一致する必要はありませんが、相互に影響し合う関係にあります。

在留期間更新への影響

有期雇用契約の場合、契約期間の長短や更新実績が在留期間更新審査において考慮される要因となります。

無期労働契約の場合

在留期間更新時に安定した雇用関係を示せる
外国人社員の定着促進に効果的
試用期間の設定や解雇条項には特に注意が必要

有期労働契約の場合

契約期間は原則3年以内(労働基準法第14条)
更新の可能性や基準を明確に記載
短期間の契約は在留期間更新時に不利に働く可能性

契約期間設定における実務上の推奨事項

1. 在留期間を考慮した期間設定

初回は在留期間と同程度または短めの期間で設定し、更新により段階的に長期化を図る

2. 更新基準の明文化

2024年4月改正により、更新基準の明示が法的義務となったため、客観的な基準を設定

3. 在留期間更新サポートに関する記載

企業として在留期間更新手続きへの協力体制を明記することで、外国人社員の安心感向上を図る

無期転換ルールとの関係

2024年4月の改正により、無期転換ルールに関する説明義務が強化されています。

無期転換申込権発生の条件:

・同一の使用者との間で有期労働契約が通算5年を超える場合

・契約更新時に労働者から無期転換の申込みがあった場合、使用者は承諾したものとみなされる

外国人雇用では、無期転換により在留安定性が向上し、優秀な人材の長期確保が可能となるメリットがあります。

契約期間の適切な設定は、法令遵守はもちろん、外国人社員との信頼関係構築や人材の定着促進にも大きく影響します。企業の事業戦略と外国人社員のキャリア形成を両立できる契約期間を検討することが重要です。

6. チェックポイント4:外国人特有の条項と注意点(帰国費用、言語など)

外国人雇用契約書では、日本人の雇用では一般的に想定されない事項についても検討し、必要に応じて明確に規定しておく必要があります。これらの条項は、将来のトラブル予防と円滑な労務管理の実現に重要な役割を果たします。

帰国旅費の取扱い

一般的な原則

雇用契約終了後の帰国旅費は、労働基準法上、原則として労働者本人の負担とされています。ただし、企業が任意で負担することは可能です。

特定技能外国人の場合

特定技能制度では、受入れ機関(企業)が「帰国に要する旅費を負担すること」が支援計画の一環として義務付けられています(ただし、外国人が自己都合により帰国する場合等、一定の例外あり)。

契約書記載例

【企業負担の場合】
「雇用契約期間満了時または会社都合による雇用契約終了時の帰国旅費については、会社が負担する。ただし、自己都合による中途退職の場合は、この限りではない。」

【本人負担の場合】
「帰国に要する旅費については、労働者本人の負担とする。」

契約書の言語と理解確保

法的要請

雇用契約書を外国人の母国語で作成することは法的には必須ではありませんが、契約内容の十分な理解確保は重要です。

実務上の推奨事項

日本語に加えて母国語の翻訳版を作成する、または重要事項について母国語での説明書を別途準備することを推奨します。

一時帰国の取扱い

外国人社員の一時帰国は、日本人社員には一般的でない事象です。事前に明確なルールを定めておくことで、トラブルを防止できます。

記載すべき事項

  • ・一時帰国時の休暇の取扱い(年次有給休暇、無給休暇等)
  • ・長期一時帰国時の社会保険料等の取扱い
  • ・一時帰国の事前申請手続き
  • ・緊急時の一時帰国に関する特例規定

文化・宗教的配慮に関する条項

宗教的配慮

宗教上の祈りの時間確保、宗教的祝日への配慮等について、可能な範囲での配慮を明記

食事に関する配慮

社員食堂でのハラル食品対応、食事手当の支給方法等、宗教的・文化的背景への配慮

コミュニケーション支援

日本語研修の機会提供、通訳サポートの体制等について明記

注意すべき差別的条項

以下のような条項は、国籍を理由とする差別的取扱いに該当する可能性があり、避けるべきです

  • ・外国人であることを理由とした不合理な制約や義務の設定
  • ・日本人社員と異なる不利な労働条件の設定
  • ・在留資格に関係のない過度な制限や監視規定

外国人特有の条項は、相互理解と信頼関係の構築を目的として設定すべきです。一方的な制約ではなく、企業と外国人社員の双方にとってメリットのある内容を心がけることが重要です。

7. チェックポイント5:労働時間、休日、休暇、社会保険等の基本事項

外国人雇用においても、労働時間、休日、休暇、社会保険等の基本的な労働条件は、日本人従業員と全く同じ基準で適用されます。ただし、外国人特有の状況を考慮した配慮や明確な説明が、より一層重要となります。

労働時間に関する基本事項

法定労働時間

  • ・1週間:40時間以内
  • ・1日:8時間以内
  • ・休憩:1日6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上

時間外労働

  • ・36協定の締結・届出が必要
  • ・月45時間、年360時間の上限
  • ・割増賃金:25%以上

外国人雇用における特別な注意点

在留資格「留学」でのアルバイトは週28時間以内の制限があります。また、「家族滞在」の配偶者等が就労する場合も同様の制限があり、資格外活動許可が必要です。

休日・休暇制度

法定休日

毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上の休日を与える必要があります。

年次有給休暇

・雇入れから6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に付与

・初年度:10日、以降勤続年数に応じて最大20日まで増加

・2019年4月から年5日の取得が企業の義務

外国人特有の配慮事項

母国の祝祭日への配慮:宗教的・文化的に重要な祝祭日について、可能な範囲での休暇取得に配慮

一時帰国のための連続休暇:年次有給休暇と特別休暇を組み合わせた長期休暇の取得支援

家族関連の特別休暇:母国の家族の重篤な病気や冠婚葬祭のための緊急帰国支援

社会保険制度

健康保険・厚生年金保険

  • ・適用事業所で働く外国人も加入義務
  • ・保険料は労使折半
  • ・脱退一時金制度あり(年金)

雇用保険

  • ・31日以上雇用見込み + 週20時間以上で加入
  • ・失業給付の受給可能
  • ・外国人雇用状況届出義務

労災保険

  • ・在留資格に関係なく適用
  • ・保険料は企業が全額負担
  • ・不法就労者にも適用

国民年金・国民健康保険

  • ・適用事業所以外で働く場合
  • ・住民登録者は原則加入義務
  • ・短期滞在者は適用除外

外国人雇用状況の届出義務

企業は外国人を雇い入れた場合及び離職した場合、ハローワークへの届出が義務付けられています(雇用対策法第28条)。届出を怠った場合、30万円以下の罰金が科されることがあります。

雇用契約書における記載のベストプラクティス

1. 詳細で分かりやすい記載

法定最低限の記載だけでなく、外国人が理解しやすいよう具体的で詳細な説明を心がける

2. 社会保険制度の説明

母国にはない制度もあるため、各保険の概要と給付内容を分かりやすく説明

3. 手続きサポートの明記

各種手続きにおける企業のサポート体制を明示し、外国人社員の不安を軽減

労働時間、休日、休暇、社会保険等の基本的な労働条件は、法令遵守の観点だけでなく、外国人社員の定着と安心感の確保にも直結します。制度の趣旨と手続きを丁寧に説明し、必要なサポートを提供することで、良好な労使関係を構築できます。

8. 不適切な契約が招くリスク:労働紛争と入管トラブル

外国人雇用における不適切な雇用契約書は、労働基準法等の労働関連法規違反と入管法違反という二重のリスクを企業にもたらします。これらのリスクを理解し、適切な予防策を講じることが、企業の持続的発展と外国人雇用の成功には不可欠です。

労働法違反による法的リスク

労働基準監督署による監督・指導

  • ・労働条件明示義務違反:労働基準法第15条違反(30万円以下の罰金)
  • ・賃金不払い:労働基準法第24条違反(30万円以下の罰金)
  • ・労働時間違反:労働基準法第32条違反(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)
  • ・是正勧告・指導票の交付、改善報告書の提出義務

民事上の責任

  • ・未払い賃金の支払い義務(遅延損害金、付加金含む)
  • ・労働契約法違反による損害賠償責任
  • ・安全配慮義務違反による損害賠償責任
  • ・慰謝料請求のリスク

社会的信用の失墜

  • ・企業名公表による信用失墜
  • ・優秀な人材の採用困難
  • ・取引先との関係悪化
  • ・ブランドイメージの毀損

入管法違反による深刻な影響

不法就労助長罪(入管法第73条の2)

構成要件:事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせること

刑事罰:3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、またはその併科

典型例:在留資格外の業務に従事させる、就労不可の在留資格者を雇用するなど

在留資格申請への悪影響

  • ・新規申請の不許可
  • ・在留期間更新の不許可
  • ・在留資格変更の不許可
  • ・在留資格取消し処分(入管法第22条の4)

企業活動への長期的影響

  • ・今後の外国人雇用における入管審査の厳格化
  • ・特定技能外国人等の受入れ機関としての欠格事由該当
  • ・業界内での信用失墜と競争力低下
  • ・国際的な企業イメージの悪化

リスク回避のための予防策

雇用前のチェック体制

  • ・在留カードの確認と真偽判定
  • ・在留資格と職務内容の適合性確認
  • ・資格外活動許可の要否判断
  • ・雇用契約書の法令適合性チェック

継続的な管理体制

  • ・在留期間満了日の管理
  • ・実際の業務内容の定期確認
  • ・労働条件の履行状況確認
  • ・法改正情報の継続的収集

社内教育・研修の実施

  • ・人事担当者への法令研修
  • ・現場管理者への啓発活動
  • ・外国人社員との定期面談
  • ・トラブル発生時の対応マニュアル整備

専門家との連携

  • ・行政書士による入管手続きサポート
  • ・社会保険労務士による労務管理指導
  • ・弁護士による法的リスク評価
  • ・定期的な契約書見直し・改善

コンプライアンス投資の意義

適切な雇用契約書の作成と運用は、短期的にはコストと感じられるかもしれませんが、長期的には以下のような大きなメリットをもたらします

  • ・法的トラブルの予防による経営リスクの軽減
  • ・優秀な外国人人材の安定確保と定着促進
  • ・企業の社会的信用とブランド価値の向上
  • ・グローバル展開における競争力強化

外国人雇用におけるリスク管理は、単なる法令遵守を超えて、企業の持続的成長と競争力向上に直結する重要な経営課題です。適切な予防策への投資により、安心して外国人雇用を推進できる基盤を構築することが可能となります。

9. まとめ:適法な雇用契約で、外国人社員と良好な関係を

本記事では、外国人雇用における雇用契約書の作成において、労働基準法等の労働関連法規と入管法という二重の法的要請を満たすための具体的なチェックポイントを詳しく解説してまいりました。

重要なポイントの再確認

労働法の完全遵守

2024年4月改正を含む最新の労働条件明示義務への対応

在留資格との整合性

職務内容と在留資格の活動範囲の完全一致

適正な給与設定

日本人同等以上の報酬基準の確保

外国人特有の配慮

文化的背景や生活環境を考慮した条項設定

継続的な管理体制

雇用後の適切な労務管理とサポート体制

リスク管理の徹底

労働紛争と入管トラブルの予防策実施

外国人雇用成功の本質

外国人雇用における雇用契約書は、単なる労働条件の確認書ではありません。それは以下の重要な意味を持つ「法的文書」です

信頼関係の基盤:企業と外国人社員の相互理解と信頼を築く出発点
コンプライアンスの証明:労働法と入管法の両面からの法令遵守の証左
安心感の提供:外国人社員の不安を軽減し、安定した就労環境を保証
企業価値の向上:適切な外国人雇用による組織力強化と競争力向上

多様性がもたらす企業の成長

適切な雇用契約書に基づく外国人雇用は、企業に以下のような多大なメリットをもたらします

  • ・多様な価値観や発想による イノベーション創出
  • ・グローバル市場への理解と進出支援
  • ・組織の活性化と創造性向上
  • ・労働力不足の解決と事業継続性確保
  • ・企業の国際的信用と競争力向上
  • ・社会貢献と企業価値の向上

専門家との連携の重要性

外国人雇用は、労働法、入管法、税法、社会保険法等、多岐にわたる法令が関係する複雑な領域です。不明な点や複雑なケースについては、以下の専門家との連携が不可欠です

行政書士:在留資格申請、雇用契約書の入管法適合性チェック
社会保険労務士:労働条件、社会保険、労務管理全般
弁護士:労働紛争予防、法的リスク評価
税理士:税務処理、国際税務

外国人雇用は、日本の少子高齢化社会における重要な解決策の一つであり、同時に企業の国際競争力向上の鍵でもあります。適法かつ適切な雇用契約書の作成と運用により、外国人社員と企業の双方がWin-Winの関係を築き、持続的な成長を実現することができるのです。

複雑で専門性の高い外国人雇用の分野において、企業の皆様が安心して外国人社員を迎え入れ、良好な関係を継続していけるよう、私たち専門家も全力でサポートしてまいります。

行政書士しかま事務所の雇用契約書サポート

外国人雇用の第一歩、適法な雇用契約書から。専門家が貴社をサポートします。

当事務所のサポート内容

雇用契約書の入管法適合性チェック

在留資格申請の観点から契約書内容を精査し、入管審査で求められる基準への適合性を確認

契約書の作成・改善提案

企業の実情に合わせた適法な雇用契約書の作成および既存契約書の改善提案

在留資格申請手続きサポート

雇用契約に基づく在留資格の新規申請、更新、変更手続きを一貫してサポート

継続的なコンプライアンス支援

法改正への対応、定期的な見直し、トラブル予防のための継続的サポート

こんな企業様にご利用いただいています

「外国人向けの雇用契約書を初めて作成する」企業様
「既存の契約書が法的に問題ないか不安」な企業様
「在留資格申請と合わせて契約書も見てほしい」企業様
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選ばれる理由

豊富な実績:多数の外国人雇用案件を手がけた経験と実績
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情報の時点:本記事は2025年5月24日時点の法令・制度に基づいて作成されています。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な雇用契約の作成・レビューや法的判断については必ず専門家にご相談ください。労働法規に関する最終的なアドバイスは社会保険労務士にご確認ください。法令の改正や運用変更により内容が変更される場合がありますので、最新情報は関係官庁の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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