【技人国ビザ】学歴・専攻と職務内容の「関連性」とは?
【技人国ビザ】学歴・専攻と
職務内容の「関連性」とは?
技人国ビザ申請で最も重要な審査項目が「学歴・専攻と職務内容の関連性」。大学卒は比較的柔軟、専門学校卒は厳格に審査されます。OK例・NG例を具体的に、採用理由書の書き方まで行政書士が解説します。
💡 この記事の結論
「関連性」の判断基準は学歴で大きく異なる
大学卒は柔軟、専門学校卒は厳格
具体的かつ論理的な説明と、適切な書類が許可への道
大学卒(学士・修士・博士)
比較的柔軟に判断される
幅広い分野の業務との関連性が認められやすい
専門学校卒(専門士・高度専門士)
厳格に審査される
専攻と直接的かつ具体的に関連する業務が必要
📞 「この学歴と業務で関連性は認められる?」
申請前に専門家が関連性を診断します。不許可になる前にご相談を。
なぜ「関連性」がこれほど重要なのか?
技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)は、専門的・技術的分野で活躍する外国人材を受け入れるための在留資格です。「誰でもできる仕事」ではなく、「専門知識・技術を活かす仕事」に従事することが前提です。
📋 「関連性」が厳しく審査される3つの理由
①制度の趣旨維持:専門的・技術的分野での外国人受入れという趣旨を守るため
②単純労働との区別:技人国ビザは単純労働を対象としていない
③偽装申請の防止:実際には専門性と無関係な業務に従事させる偽装申請を防ぐため
⚠️ 「関連している」と思うだけでは不十分
審査官は提出書類から「この外国人は本当に専門的な知識・技術を活かす業務に従事するのか」を判断します。
客観的かつ説得力のある説明がなければ、制度の濫用や偽装の疑いがあるとみなされるリスクがあります。
【大学卒】関連性の判断基準とOK/NG例
大学を卒業した外国人の場合、専攻分野と職務内容の関連性については、比較的柔軟に判断される傾向があります。
大学卒が柔軟に判断される理由
大学教育は「広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること」を目的としています(学校教育法第83条)。
つまり、大学は幅広い教養と応用力を身につける場所であり、専攻分野だけでなく、関連する幅広い業務への適性が認められやすいのです。
大学卒のOK例・NG例
- ✓ 経済学部卒業 → 金融機関での経済分析
- ✓ 商学部マーケティング専攻 → 企画・マーケティング部門
- ✓ 理工学部情報工学科 → ITエンジニア
- ✓ 外国語学部英語学科 → 国際営業・貿易実務
- ✓ 社会学部メディア専攻 → 広報・PR業務
- ✓ 経営学部 → 企業の経営企画・営業職
- ✗ 文学部歴史学科 → プログラマー(IT関連科目履修なし)
- ✗ 芸術学部音楽学科 → 経理・財務(関連科目履修なし)
- ✗ 理学部物理学科 → 翻訳業務(語学力の証明なし)
- ✗ 経済学部 → 機械設計技術者(専門知識なし)
※関連科目を履修していた、卒業後に関連分野の実務経験がある場合は、説明次第で認められる可能性あり
✅ 大学卒の関連性立証のポイント
・学部・学科名だけでなく、具体的な履修科目内容が重要
・卒業論文や研究テーマと業務の関連性も有効な立証材料
・専攻の知識やスキルが仕事のどの部分で具体的に活かされるかを明確に
・文系学部の場合、幅広い分野の業務との関連性が認められやすい
【専門学校卒】関連性の判断基準とOK/NG例
専門学校卒業者の場合、大学卒業者に比べて専攻と職務内容の関連性がより厳格に審査されます。
🚨 専門学校卒は「直接的な関連性」が必要
専門学校は「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成」することを目的としており、特定の専門分野に特化した教育を行う機関です。
そのため、専攻した内容と直接的かつ具体的に関連する業務でなければ、原則として許可されません。
専門学校卒の追加要件
📋 専門学校卒の申請要件
・「専門士」または「高度専門士」の称号取得が必要
・修了した専門課程の教育内容と就職先での業務内容に相当程度の関連性が必要
専門学校卒のOK例・NG例
- ✓ IT専門学校(Java開発コース)→ Javaプログラマー
- ✓ デザイン専門学校(グラフィックデザイン科)→ Webデザイナー
- ✓ ビジネス専門学校(国際ビジネス科)→ 貿易事務
- ✓ 観光専門学校(ホテル科)→ ホテルの宿泊予約管理
- ✗ IT専門学校(プログラミングコース)→ 営業職
- ✗ 調理師専門学校 → レストランホールスタッフ
- ✗ 経理専門学校 → 一般事務
- ✗ 日本語専門学校 → スーパーの商品管理
- ✗ デザイン専門学校 → デザイン事務所の「一般事務」
⚠️ 同じ業界でも職種によってはNG
「デザイン専門学校卒→デザイン事務所」でも、実際の業務が「来客対応・電話応対・書類作成」などの一般事務であれば、専門性との関連がなく不許可になります。
業界ではなく「実際の業務内容」が専門性と関連しているかが重要です。
✅ 専門学校卒の関連性立証のポイント
・カリキュラムの詳細(シラバス)と職務内容を一つ一つ対応付けて説明
・学んだ専門技術・知識・ソフトウェア等が実際の業務でどう使われるかを具体的に
・卒業制作や実習内容と業務の関連性を示す
・専門学校での学びが業務上不可欠である理由を明確に
【実務経験】10年以上の経験で申請する場合
技人国ビザは、必要な学歴がない場合でも、十分な実務経験があれば申請可能です。
📋 実務経験要件
・「技術・人文知識」分野:10年以上の実務経験
・「国際業務」分野:3年以上の実務経験
※大学卒業者が翻訳・通訳・語学指導に従事する場合は実務経験不要
⚠️ 実務経験の証明が難しい
実務経験を証明する書類(在職証明書等)は、単なる在籍期間だけでなく、具体的にどのような専門的業務に従事していたかが明確に記載されていることが重要です。
書類の真実性を疑われないよう、公的機関による証明や会社の公印など、信頼性を高める工夫も必要です。
採用理由書の書き方(良い例・悪い例)
「関連性」を立証するうえで、企業が作成する「採用理由書」は最重要書類です。
採用理由書に書くべき内容
- 外国人を採用する必要性・背景
- 採用者の学歴・専攻と業務の関連性
- 具体的にどのような専門知識・技術を活かす業務か
- その外国人の専門性が会社にとってなぜ有益か
- なぜ日本人ではなくその外国人なのか
良い採用理由書の例
申請人は中国の○○大学コンピュータサイエンス学部を卒業し、特にJava言語によるシステム開発と中国の金融システムについて研究しており、卒業論文でも「中国のモバイル決済システムの技術的特徴と課題」をテーマとしていました。
当社が開発中の中国向けモバイル決済システムでは、まさに申請人が習得したJavaプログラミングスキルと中国金融システムの知識が直接活かせるものであり、言語面(中国語・日本語・英語が堪能)でも開発チームと中国現地パートナーとの橋渡し役として大きな貢献が期待できます。
日本人社員では、同等の専門性と語学力を兼ね備えた人材の確保が困難であるため、申請人の採用は当社の事業拡大に不可欠です。
🚨 悪い採用理由書の例
×「人手不足のため外国人を採用したい」
×「本人が希望しているため採用する」
×「営業職として採用する」(具体的な業務内容なし)
×「接客・電話対応・事務作業を担当」(単純労働と判断される)
これらは専門性や関連性が示されておらず、不許可リスクが高いです。
よくある不許可パターンと対策
「関連性」の立証において、よく見られる不許可パターンを理解し、事前に対策を立てることで申請の成功率を高めることができます。
不許可になりやすい5つのパターン
パターン①:単純労働の疑い
パターン②:専門性レベルの乖離
パターン③:採用意図の疑義
パターン④:技術的ミスマッチ
パターン⑤:書類間の矛盾
📝 申請前チェックリスト
☐ 学んだ専門知識・技術と職務内容の関連性を具体的かつ論理的に説明できるか
☐ 職務内容に専門性を要する業務が十分含まれているか
☐ すべての提出書類で職務内容の記載に一貫性があるか
☐ 採用理由書で外国人を採用する必然性が説得力を持って説明されているか
☐ 証明書類(学歴証明、職歴証明等)に不備がないか
料金・サポート内容
当事務所では、「学歴・専攻と職務内容の関連性」の立証を含め、技人国ビザ申請をトータルサポートしています。
💰 技人国ビザ申請の料金
関連性の診断から採用理由書作成、申請までサポート
✅ 当事務所が選ばれる理由
・関連性の事前診断:申請前に関連性が認められるか専門家が評価
・採用理由書の作成:審査のポイントを押さえた説得力ある書類作成
・専門学校卒の申請実績多数:厳格な審査にも対応
・書類間の整合性チェック:矛盾のない申請書類を作成
・全国対応:オンラインで全国どこからでも依頼OK
こんな方は専門家へのご相談を
・専攻と業務内容の関連性が明確でない・説明が難しい場合
・専門学校卒業で「専門士」「高度専門士」の称号について不明点がある場合
・学歴ではなく実務経験での申請を検討している場合
・過去に同様の申請で不許可になった経験がある場合
・採用企業が小規模・新設企業である場合
まとめ:具体的な説明と適切な書類が許可への道
技人国ビザ申請における「学歴・専攻と職務内容の関連性」の立証は、入管審査の核心であり、最も緻密な準備と説明が求められる部分です。
📝 この記事のまとめ
- 大学卒は比較的柔軟:幅広い分野の業務との関連性が認められやすい
- 専門学校卒は厳格:専攻と直接的かつ具体的に関連する業務が必要
- 採用理由書が最重要:なぜその外国人が必要か、専門性をどう活かすかを具体的に
- 単純労働と判断されるとNG:専門性を要する業務が十分含まれているか確認
- 書類間の一貫性:すべての書類で職務内容の記載に矛盾がないか
⚠️ 「関連があるだろう」という自己判断は危険
特に判断が難しいケースや専門学校卒の申請では、専門家の客観的な評価とアドバイスを求めることをお勧めします。
「学歴と業務の関連性」
専門家が診断します
「この学歴と業務で関連性は認められる?」
申請前に専門家が診断し、許可率を高める書類作成をサポートします。
平日9:00〜18:00 / 全国オンライン対応
🚨 「不許可になった…再申請できる?」
不許可案件の見直し・再申請もサポートしています。諦めずにご相談ください。
📋 この記事の情報について
本記事の内容は2025年12月16日時点の情報に基づいて作成しており、一般的な情報提供を目的としています。法令改正や運用変更により内容が変わる場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁のウェブサイト等でご確認ください。個別のケースによって判断が異なる場合がありますので、具体的な申請に関しては専門家にご相談ください。



