外国人材のホテル業務における技術・人文知識・国際業務ビザ取得ガイド【令和6年改訂版】

外国人材のホテル業務における技術・人文知識・国際業務ビザ取得について申請方法や必要書類、許可事例・不許可事例を解説します。専門的なサポートが必要な方は行政書士しかま事務所へお問い合わせください。

技術・人文知識・国際業務ビザとは?

基本的なポイント解説

「技術・人文知識・国際業務ビザ」は、日本で外国人が専門的な知識や技術を持って働くために必要な在留資格です。このビザは、学術的な知識や専門的な技能を必要とする業務に従事する外国人に適用されます。特に、法律、経済、工学といった分野だけでなく、外国文化に基づく業務も含まれ、多様な業務に対応しています。

ホテル・旅館での外国人就労に必要なビザの種類

外国人が日本国内でホテルや旅館業務に従事する場合に「技術・人文知識・国際業務ビザ」を取得することができます。特に、外国人観光客の増加に伴い、通訳、フロント業務、外国語対応の広報などが求められるケースでは、このビザが適用されます。

なお、特定技能制度を活用して働くことも可能です。特定技能制度の詳細はこちら(特定技能1号の解説)

特定技能1号で外国人を受け入れるには?~初めての申請から就労開始まで~

近年、日本は深刻な人手不足に直面しており、様々な業界で労働力不足が深刻化しています。この課題を解決するため、政府は2019年4月に新たな在留資格「特定技能」を創設し…

ホテル業務で認められる主な業務

このビザで認められる業務は、専門的な知識や技術を要するもので、単純労働は含まれません。以下が主な業務の一例です

  • フロント業務(外国語対応):外国人観光客への対応を中心としたフロント業務。
  • コンシェルジュサービス:観光案内や、宿泊客へのサービス提供。
  • マーケティング・PR活動:外国人観光客向けのマーケティングや広報活動。
  • 通訳・翻訳業務:外国語を使用した業務全般。
  • 外国人客向けのツアーガイド:観光客のツアーガイドとしての業務。

これらの業務は、専門的な知識や外国語のスキルを活かして外国人観光客へのサービス向上を図るものです。

外国人材のホテル・旅館業務での就労条件

在留資格の明確化の背景【観光立国アクションプログラム】

日本政府は「観光立国」を目指し、外国人観光客の増加に伴う人材不足に対応するため、観光産業における外国人労働者の受け入れを推進しています。その一環として、ホテル・旅館業務に従事する外国人に対する在留資格が明確化されました。

「技術・人文知識・国際業務ビザ」に該当する業務とは?

このビザの対象となる業務は、主に「専門的な知識や技術を要する業務」および「外国文化に基づく思考や感受性を必要とする業務」です。具体的には、外国語を用いたフロント業務、通訳、翻訳、広報業務などが該当します。

必要な学歴・職歴の要件

ビザ取得には、次の要件を満たす必要があります。

  • 関連する学科を専攻した大学卒業者
  • 専門学校の専門課程を修了した者
  • 10年以上の実務経験を持つ者

実務経験の判断基準

学歴がない場合でも、関連する実務経験が10年以上ある場合、ビザ申請が可能です。この実務経験には、大学や専門学校での専攻科目に関連する実務も含まれます。

報酬要件

外国人労働者が受ける報酬は、日本人従業員と同等額以上である必要があります。これに違反した場合、ビザが不許可となるケースもあります。


ホテル業務でのビザ申請プロセス

外国人材が日本でホテル業務に従事するためには、適切なビザ申請が必要です。

在留資格認定証明書交付申請

「在留資格認定証明書交付申請」は、申請人が母国にいる場合に、日本で就労するために必要なビザの基礎となる証明書を取得するための手続きです。ホテル業務に従事する外国人材の採用を希望する日本の企業は、まずこの手続きを出入国在留管理庁に行います。申請が許可されると、申請人は母国の日本大使館または領事館でビザを取得し、日本に入国することが可能となります。

在留資格変更許可申請

すでに日本に滞在している外国人が、例えば「留学ビザ」などの他の在留資格から「技術・人文知識・国際業務ビザ」への変更を希望する場合には、在留資格変更許可申請を行います。この手続きは、申請者が日本にいる状態で行うことができ、日本国内の企業が採用を行う場合に非常に重要なステップです。

審査期間

申請プロセスにかかる審査期間はケースによって異なりますが、令和6年4月~6月のデータによれば、技術・人文知識・国際業務ビザ在留資格認定証明書交付申請は、平均して51.6日から71.1日程度かかることが一般的です​(標準処理期間)。一方、在留資格変更許可申請は約40~60日程度で処理されることが多いです。

ビザ申請の流れ

以下は、ホテル業務におけるビザ申請の一般的な流れです。

  1. 企業による申請書類の準備
    • 雇用契約書、職務内容の説明書、学歴・職歴証明書などの書類を準備。
  2. 在留資格認定証明書交付申請の提出
    • 出入国在留管理庁にて、企業・行政書士等が申請を代行します。
  3. 証明書の取得とビザの申請
    • 証明書が交付されると、申請人は母国の日本大使館・領事館でビザを申請します。
  4. 入国後の手続き
    • 日本に到着後、必要に応じて在留カードの取得などの手続きを行います。

許可されやすい事例とそのポイント

専門学校・大学での関連学科卒業者

大学や専門学校で観光学やビジネス関連学科を専攻して卒業した外国人が、ホテル業務に就く場合は、許可される可能性が高いです。

通訳、翻訳業務

通訳や翻訳業務は、外国人労働者の文化的バックグラウンドを活かせるため、許可されやすい業務です。特に、母国語を活かした業務に従事するケースでは申請が有利になります。

マーケティングや広報

外国人観光客向けのマーケティングや広報業務は、専門的な知識や文化的な感受性が求められるため、ビザ申請の成功率が高まります。


不許可となる事例とその要因

単純作業ではビザが取れない理由

ビザ申請が不許可となる主な理由は、技術や知識を要しない単純作業が業務の大部分を占める場合です。客室清掃や荷物運搬は該当しません。

研修が長期になると不許可になる理由

採用後、長期間の研修が必要な場合や、その研修内容が専門的でない場合、申請が不許可となるリスクがあります。

専攻と業務の関連性が薄いとビザが不許可になるケース

専攻した学問と従事しようとする業務に関連性が薄い場合も、ビザが不許可となることがあります。


ビザ取得後の注意点

フロント業務中の荷物運搬はどこまで許される?

基本的には、専門的な業務以外の作業は認められませんが、フロント業務中に一時的な荷物運搬などが発生する場合は、許容されることがあります。ただし、これが主たる業務となると問題が生じます。

在留資格と実際の仕事を一致させるためのポイント

在留資格更新の際には、業務内容がビザの範囲内であるかが審査されます。業務が申請時と異なる場合は、不許可となる可能性があるため、業務内容を慎重に確認する必要があります。

在留資格と職務内容の一致を保つためのヒント

日常的な業務内容が、当初申請した内容と一致していることを常に確認することが重要です。また、異なる業務に従事する場合は、事前に専門家に相談しましょう。



まとめ

外国人の雇用に関するビザ申請は非常に重要なプロセスです。

実務経験・学歴・職務内容の一致が成功の鍵
実務経験や学歴が職務内容と一致していることが、ビザ申請成功の重要な要素です。

必要書類の適切な準備
学歴証明書、職歴証明書、雇用契約書などの書類を正確に準備し、必要に応じて専門家に相談しましょう。

成功率を上げるための戦略
業務内容を明確にし、ビザ要件に合致しているかを確認して、書類を整えることがビザ取得のポイントです。


行政書士しかま事務所への相談

外国人材のホテル・旅館業務におけるビザ申請は複雑であり、適切な手続きと書類の準備が求められます。ビザ取得の成功率を高めるためには、専門的な知識を持つ行政書士のサポートが非常に有効です。

「行政書士しかま事務所」では、以下のサポートを提供しています:

  • 外国人材の在留資格申請代行(技術・人文知識・国際業務ビザを含む)
  • ビザ申請に必要な書類作成と提出サポート
  • ビザ申請に関する無料相談

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