【企業向け】海外大学生のインターンシップ受入れ完全ガイド|在留資格「特定活動」の要件を専門家が解説
【企業向け】海外大学生の
インターンシップ受入れ完全ガイド
在留資格「特定活動(告示9号)」の要件を専門家が徹底解説
目次
🌟 はじめに:グローバル人材獲得の新たな扉
デジタル化が進む現代、グローバル人材の獲得競争はかつてないほど激化しています。海外大学生のインターンシップは、企業にとって多様性確保や将来の採用候補者発掘の戦略的手段となっています。
学生に報酬を支払う場合は、ボランティアとは異なり、適切な在留資格(ビザ)の取得が法律で義務付けられています。これが在留資格「特定活動(告示9号)」です。
こんな企業におすすめ
- 優秀な海外大学生を将来の採用候補として発掘したい
- グローバル化に向けて組織の多様性を高めたい
- 海外展開を見据えた人材育成を行いたい
- 産学連携による研究開発プロジェクトを推進したい
- 若い国際的な視点を事業に取り入れたい
この記事で解決できること
- 特定活動(告示9号)の要件を完全理解し、適法な受入れが可能
- 大学との契約から申請まで、必要な手続きを把握できる
- 労働関係法令の適用範囲を正しく理解し、コンプライアンス違反を防げる
- 責任者・指導員の配置や実施計画の作成方法が分かる
- 専門家による申請サポートの内容を知ることができる
しかし、この制度には厳格な要件があり、単なる労働力確保の手段としては認められていません。本記事では、出入国在留管理庁の公式ガイドラインに基づき、企業担当者が知るべき全ての要件と手続きを専門家が詳しく解説いたします。
📋 制度の基本:特定活動(告示9号)とは
制度の根本目的
この制度は、あくまで「外国の大学の教育課程の一部」として位置づけられ、産学連携による人材育成を目的としています。インターンシップとは、学生が在学中に企業等において自らの専攻及び将来のキャリアに関連した実習・研修的な就業体験を行うものです。
重要:安価な労働力の確保が目的ではありません。
対象となる学生の条件
学生要件チェックリスト
インターンシップ期間の制限
最大期間制限
1年を超えない期間での実施が原則となります。
修業年限との関係
通算して当該大学の修業年限の2分の1を超えない期間内である必要があります。
🎯 企業が満たすべき3つの必須要件
要件① 大学との正式契約締結
受入れ企業は、学生が在籍する海外の大学と、インターンシップに関する正式な契約を締結する必要があります。
要件② 責任者・指導員の配置
インターンシップを統括管理する責任者と、実務指導を行う指導員を適切に配置する必要があります。
要件③ 受入れ人数の上限遵守
企業の規模に応じて、受け入れ可能なインターンシップ生の人数に上限が設定されています。
📄 要件① 大学との正式契約締結
受入れ企業は、学生が在籍する海外の大学と、インターンシップに関する正式な契約を締結する必要があります。
契約書必須記載事項
👥 要件② 責任者・指導員の配置
インターンシップ責任者
以下の業務を統括管理する責任者を選任:
- 外国の大学との間の契約に関すること
- 実施計画の作成及び評価に関すること
- インターンシップ生の受入れ準備
- 生活支援及び保護に関すること
- 労働条件、安全及び衛生に関すること
- 相談・苦情への対応
- 出入国在留管理官署等との連絡調整
インターンシップ指導員
事業所に所属する受入れ機関の常勤職員で、インターンシップ生が従事する業務について1年以上の経験を有する者を選任(責任者との兼任可)
法令遵守の確認事項
- 受入れ機関及びその役員が、インターンシップ生、技能実習生その他の外国人の受入れに関して、人権を著しく侵害する行為を行っていないこと
- 受入れ機関並びにその役員、インターンシップ責任者及びインターンシップ指導員が、過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に違反していないこと
- 地方出入国在留管理官署による実地調査等に協力すること
- インターンシップ実施状況や評価結果に関する報告書を作成し、終了後最低3年間保存すること
📊 要件③ 受入れ人数の上限
企業の規模に応じて、受け入れ可能なインターンシップ生の人数に上限が設定されています。
| 企業の常勤職員数 | 受入れ可能な最大人数 |
|---|---|
| 301人以上 | 常勤職員数 × 1/20 |
| 201人~300人 | 15人 |
| 101人~200人 | 10人 |
| 100人以下 | 5人(常勤職員数を超えないこと) |
※常勤職員数に技能実習生は含みません
技能実習生を受け入れている場合の注意
第1号技能実習生を受け入れている(または予定がある)場合、インターンシップ生と技能実習生の合計が技能実習生の受入れ人数枠を超えるときは、それぞれの指導体制やカリキュラムの違いを明確にする必要があります。
⚠️ 活動内容に関する重要な制限事項
① 専攻との関連性
学生の専攻と関連のある、専門知識や経験が活かせる業務である必要があります。インターンシップにおいて修得する知識・経験等が大学において学業の一環として適正に評価されることが必須です。
② 単純作業の禁止
同一の作業の反復に主として従事するような、教育的価値が低いと判断される活動は認められません。一定の知識・技術等を身につけることが可能な活動である必要があります。
③ 直接雇用限定
受入れ機関の下で業務に従事する必要があり、派遣先における活動は認められません。
⚖️ 労働関係法令の適用
「使用従属関係」による判断
インターンシップ生が受入れ機関の事業活動に直接従事し、当該活動による利益・効果が企業に帰属し、かつ、業務上の指揮命令を受けて行われるなど、受入れ機関とインターンシップ生との間に「使用従属関係」が認められる場合は、労働基準法上の労働者に該当します。
遵守すべき法令
- 最低賃金法
- 労働基準法
- その他労働関係法令
座学研修等の扱い
労働者性が認められるインターンシップ生に対して受入れ機関が行う座学研修等についても、受入れ機関により明示的あるいは黙示的に指揮命令を受けていると考えられる場合は労働時間に該当し、報酬の支払いが必要です。
📊 実施計画の作成要件
目標等
活動の目標、内容、期間並びに大学における履修科目及び単位との関連性等を明確にすること
指導体制
インターンシップ責任者及びインターンシップ指導員を適切に配置すること
評価システム
各業務ごとの理解度及び習熟度を確認する時期、評価項目、評価方法及び評価担当者を明確にすること
夜勤・シフト制対応
夜勤やシフト制を伴う場合は、その必要性及び指導体制について明確にすること
評価の公正性確保
インターンシップ実施計画の履行状況については、インターンシップ指導員が定期的に確認し評価することはもとより、インターンシップ責任者を立ち会わせるなど、公正な評価が確保される必要があります。評価結果は大学と情報共有を図り、インターンシップ生に対するその後の指導に活かすことが求められます。
🤝 仲介事業者を利用する場合の注意点
仲介事業者利用時の重要事項
✨ まとめ:成功への道筋
海外大学生のインターンシップは、企業にとって大きな戦略的価値を持つ一方で、「教育」という根本目的を理解し、出入国在留管理庁のガイドラインに沿った厳格な体制を整えて初めて実現できるものです。
成功のカギ
- 教育目的の理解:労働力確保ではなく人材育成が目的
- 適切な契約締結:大学との包括的な合意形成
- 体制整備:責任者・指導員の適切な配置
- 法令遵守:労働関係法令の適切な適用
- 継続的評価:実施状況の定期的な見直し
専門家サポートの必要性
複雑な要件の確認や大学との契約締結、入管への申請手続きには高度な専門知識が必要であり、一つでも要件を満たさない場合、申請が不許可となるリスクがあります。確実で迅速な手続きのためには、専門家のサポートが不可欠です。
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📋 免責事項
本記事は2025年10月時点の出入国在留管理庁「『特定活動』(告示9号)インターンシップガイドライン」及び「別添1」に基づく情報です。法改正や運用変更により内容が変更される場合がありますので、最新の情報については出入国在留管理庁の公式サイトをご確認いただくか、専門家にご相談ください。個別の案件については、具体的な状況に応じて判断が異なる場合があります。

