技術・人文知識・国際業務ビザで「できる仕事」「できない仕事」完全ガイド

【2025年版】技術・人文知識・国際業務ビザで「できる仕事」「できない仕事」完全ガイド
📋 職種別完全ガイド

技術・人文知識・国際業務ビザで
「できる仕事」「できない仕事」完全ガイド

「この仕事で技人国ビザは取れる?」——その疑問に、具体的な職種と判断基準で回答します。許可される仕事、されない仕事の境界線を、実例とともに解説。単純労働との線引き、学歴との関連性、現場作業を含む場合の考え方まで、すべてお伝えします。

⏱ 読了時間:約12分 📅 2025年12月16日更新 ✍️ 行政書士 鹿間英樹

❓ こんな疑問をお持ちではありませんか?

  • 🤔「この職種で技人国ビザは取れる?取れない?」
  • 🤔「単純労働と専門業務の境界線はどこ?」
  • 🤔「現場作業を含む仕事でもビザは取れる?」
  • 🤔「学歴と関係ない仕事に就くのは無理?」
  • 🤔「翻訳・通訳だけの仕事で許可は出る?」

この記事ですべて解説します。または、無料相談で個別に診断します。

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📖 この記事を読むとわかること

  • 技人国ビザで許可される仕事・されない仕事の具体例
  • 「単純労働」と「専門業務」の境界線
  • 学歴と業務内容の関連性の考え方
  • 現場作業を含む仕事の判断基準
  • グレーゾーンの仕事で許可を取るためのポイント

技人国ビザとは?許可される仕事の基本条件

「技術・人文知識・国際業務」(技人国)ビザは、日本で専門的な知識や技術を活かした仕事に就くための在留資格です。

技人国ビザの3つの区分

💻

技術

理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術・知識を必要とする業務

📊

人文知識

法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する知識を必要とする業務

🌍

国際業務

外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務

重要:3つの区分はすべて同じ在留資格

「技術」「人文知識」「国際業務」は、すべて同じ「技術・人文知識・国際業務」という1つの在留資格です。区分が異なっても、在留資格としては同一なので、業務内容が複数の区分にまたがっていても問題ありません。

許可されるための3つの基本条件

  • 専門性のある業務であること
    単純労働ではなく、専門的な知識・技術を必要とする業務
  • 学歴または実務経験があること
    大学卒業、または10年以上の実務経験(国際業務は3年以上)
  • 学歴・経験と業務内容に関連性があること
    学んだこと・経験したことを活かせる業務

【一覧表】許可される仕事・されない仕事

技人国ビザで許可される仕事と許可されない仕事を、具体的な職種で整理しました。

✅ 許可される仕事(例)
  • 💻 システムエンジニア・プログラマー
  • 📊 経理・財務担当者
  • 📈 マーケティング・企画
  • ⚖️ 法務・コンプライアンス
  • 🔬 研究開発職
  • 🏗️ 建築設計・CADオペレーター
  • 🌐 翻訳・通訳(専門分野)
  • 👔 海外営業(商談・契約)
  • 📝 貿易事務(専門知識要)
  • 👥 人事・労務(制度設計等)
❌ 許可されない仕事(例)
  • 🍽️ 飲食店のホール・調理補助
  • 🏭 工場のライン作業
  • 📦 倉庫での仕分け・梱包
  • 🚗 タクシー・トラック運転手
  • 🧹 清掃・ビルメンテナンス
  • 🏪 コンビニ・スーパーのレジ
  • 🔧 建設現場の作業員
  • 🌾 農作業
  • 🏥 介護・看護補助
  • 🎰 パチンコ店員

🚨 許可されない仕事=「単純労働」

許可されない仕事の共通点は「単純労働」であること。
専門的な知識・技術がなくても、指示に従えばできる作業は、技人国ビザでは許可されません。

これらの仕事に就きたい場合は、「特定技能」など別の在留資格を検討する必要があります。

⚠️ 同じ職種名でも、業務内容で判断が分かれる

「営業」「事務」といった職種名だけでは判断できません。
具体的にどんな業務をするかで、許可・不許可が決まります。

例:「営業」でも、単なるルート営業(配達・集金)はNG、海外取引先との商談・契約交渉はOK

「単純労働」と「専門業務」の境界線

技人国ビザの審査で最も重要なのは、「その仕事は単純労働か、専門業務か」という判断です。入管はどのような基準で判断しているのでしょうか?

入管が見る3つのポイント

① 業務に専門的な知識・技術が必要か

その業務を遂行するために、大学で学ぶような専門知識や、長年の経験で培った技術が必要かどうか。
「誰でも、すぐに、指示通りにできる」仕事は単純労働とみなされます。

② 業務に判断・分析・企画が含まれるか

単に指示されたことをこなすだけではなく、自分で判断し、分析し、企画する要素があるかどうか。
「マニュアル通りに作業するだけ」は単純労働、「状況に応じて判断が必要」は専門業務。

③ 業務の大部分が専門的な内容か

業務全体のうち、専門的な内容が占める割合がどれくらいか。
「週40時間のうち、専門業務は5時間だけ、残りは単純作業」では許可されません。

境界線の考え方

「その仕事は、大学卒業者でなければできない仕事か?」

この問いに「YES」と言える仕事であれば、技人国ビザの対象になる可能性が高いです。逆に「NO」であれば、単純労働とみなされる可能性があります。

学歴と業務内容の関連性

技人国ビザでは、学歴(または実務経験)と業務内容の関連性が求められます。ただし、この「関連性」は意外と柔軟に解釈されます。

関連性の3つのパターン

✅ パターン1:直接的な関連(最も許可されやすい)

例:情報工学専攻 → システムエンジニア
例:会計学専攻 → 経理・財務担当
例:法学部卒業 → 法務・コンプライアンス

学んだ内容と業務が直接つながっているケース。最も説明がしやすく、許可されやすい。

⚠️ パターン2:間接的な関連(説明が必要)

例:経済学専攻 → マーケティング職
例:社会学専攻 → 人事・労務担当
例:工学部卒業 → 技術営業

学んだ分野と業務が間接的につながっているケース。「なぜこの学歴でこの業務ができるのか」を説明する理由書が重要。

📌 パターン3:国際業務(学歴の関連性は緩やか)

翻訳・通訳、海外取引、外国人対応などの「国際業務」は、学歴との関連性が比較的緩やかに判断されます。

「外国の文化に基盤を有する思考・感受性」を活かす業務であれば、専攻分野との直接的な関連がなくても許可されるケースがあります。

🚨 関連性がないとみなされるケース

例:文学部卒業 → 工場のライン管理
例:理学部卒業 → 飲食店の店長

学歴と業務内容の関連性が全くない、または業務自体が単純労働に該当する場合は、不許可となります。

【ケーススタディ】この仕事、ビザは取れる?

よくある質問をもとに、具体的なケースで「ビザが取れるか」を解説します。

許可

ケース1:ホテルのフロント業務

業務内容:外国人観光客への多言語対応、予約管理、クレーム対応、VIP対応
学歴:観光学部卒業

📌 判断のポイント

単なる受付ではなく、外国人観光客への高度な多言語対応や、観光学の知識を活かしたサービス提供であれば、「国際業務」として許可される可能性が高い。ただし、業務の大部分が「チェックイン・チェックアウトの手続き」だけであれば、単純労働とみなされるリスクあり。

条件付き

ケース2:飲食店の店長候補

業務内容:店舗運営、売上管理、スタッフ教育、メニュー開発、仕入れ交渉
学歴:経営学部卒業

📌 判断のポイント

経営・管理業務が中心であれば許可される可能性あり。ただし、「最初の研修として1年間は現場(調理・ホール)を経験」という場合は、研修期間中は単純労働とみなされ、不許可になるリスクが高い。最初から経営・管理業務に従事することが条件。

不許可

ケース3:工場の品質管理

業務内容:製造ラインでの検品作業、不良品の仕分け
学歴:工学部卒業

📌 判断のポイント

「品質管理」という職種名でも、実際の業務が検品・仕分けというライン作業であれば、単純労働とみなされる。「品質管理システムの構築」「統計的品質管理手法の導入」「品質改善プロジェクトのリーダー」など、専門知識を活かした業務内容であれば許可される可能性あり。

許可

ケース4:登録支援機関の支援担当

業務内容:特定技能外国人への生活支援、多言語での相談対応、行政手続きの説明、異文化適応支援
学歴:社会学部卒業(日本の大学)

📌 判断のポイント

外国人への多言語対応日本の社会制度に関する専門知識を活かす業務として、「国際業務」または「人文知識」で許可される可能性が高い。ただし、単なる「送迎」「引率」だけでは不許可のリスクあり。

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グレーゾーンの仕事で許可を取るポイント

「許可されるかどうか微妙…」というグレーゾーンの仕事でも、適切な説明と書類作成で許可を得ることは可能です。

ポイント①:業務内容を「専門業務寄り」に整理する

同じ仕事でも、どの側面を強調するかで印象が変わります。

❌ NGな書き方

「営業活動全般を担当」
「店舗運営業務」
「事務作業全般」

→ 具体性がなく、単純労働と区別がつかない

✅ OKな書き方

「海外取引先との契約交渉、市場分析、販売戦略立案」
「店舗の売上分析、スタッフ教育計画の策定、本部への改善提案」
「財務データの分析、経営レポート作成、予算管理」

→ 専門知識を活かした業務であることが明確

ポイント②:学歴との関連性を説明する

学歴と業務内容の関連性が直接的でない場合、「なぜこの学歴でこの業務ができるのか」を説明する理由書を添付することで、許可の可能性が高まります。

理由書に書くべき内容

① 大学で学んだ内容(専攻、取得単位、ゼミ・研究内容)
② その学びが業務にどう活かせるか
③ 業務に必要な専門知識・スキルをどう習得したか
④ なぜこの人材が必要か(企業側の視点)

ポイント③:現場作業が含まれる場合の説明

業務に現場作業が含まれる場合でも、「専門業務が中心で、現場作業は補助的」であることを説明できれば、許可される可能性があります。

⚠️ 注意:研修名目の現場作業は要注意

「最初の1年間は研修として現場を経験」という場合、研修期間中は専門業務に従事していないとみなされ、不許可になるリスクがあります。

研修を含む場合は、「研修期間も含めて、専門業務(分析、改善提案など)に従事する」という説明が必要です。

まとめ:許可の可否は「業務内容」で決まる

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最後に、この記事のポイントを整理します。

📝 この記事のまとめ

  • 技人国ビザは「専門的な仕事」のためのビザ
    単純労働は許可されない
  • 職種名ではなく「業務内容」で判断される
    同じ職種名でも、具体的な業務内容で許可・不許可が分かれる
  • 学歴と業務内容の関連性が必要
    直接的な関連がなくても、説明次第で許可される可能性あり
  • 「技術」「人文知識」「国際業務」は同じ在留資格
    区分がまたがっていても問題なし
  • グレーゾーンは「書き方」と「説明」が重要
    専門家のサポートで許可の可能性を高められる

✅ 「この仕事、ビザ取れる?」——迷ったら専門家に相談を

技人国ビザの許可・不許可は、業務内容の書き方、学歴との関連性の説明、理由書の内容で大きく変わります。

「許可されるかどうか微妙…」と感じたら、申請前に専門家に相談することで、許可の可能性を高められます。

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📋 この記事の情報について

本記事の内容は2025年12月16日時点の入管法及び関連法規、審査運用に基づいて作成しており、一般的な情報提供を目的としています。個別のケースにより判断が異なる場合がありますので、具体的な申請については必ず専門家にご相談ください。

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