就労資格証明書なしで在留期間更新へ…不利になる?知っておくべき「新規申請並み審査」の注意点と準備

就労資格証明書なしで在留期間更新へ…不利になる?知っておくべき「新規申請並み審査」の注意点と準備

就労資格証明書なしで在留期間更新へ…不利になる?
知っておくべき「新規申請並み審査」の注意点と準備

読了時間:約12分

この記事を読むとわかること

  • 転職後の初更新が「新規申請並み」に厳しくなる本当の理由
  • 「就労資格証明書」なしで更新に臨む際の具体的な不許可リスク
  • 審査官が重点的にチェックするポイント(職務内容、企業の安定性など)
  • 更新許可を勝ち取るための具体的な準備と必要書類
  • 「不利」を覆すための専門家(行政書士)の活用術

転職後の初更新、こんな不安ありませんか?

「転職してもうすぐ1年、初めての更新だけど、普通の更新と同じで大丈夫?」

「就労資格証明書は任意だから取らなかったけど、今になって不安に…」

「新しい会社での仕事内容を、更新時にどう説明すればいい?」

「スタートアップに転職したけど、会社の資料はどこまで必要?」

「更新で不許可になったら…と考えると夜も眠れない」

1. はじめに:「ただの更新」ではない!転職後の初回更新の重要性

この度は行政書士しかま事務所のブログをご覧いただき、ありがとうございます。当事務所は、特定技能・技人国ビザ申請に特化し、多くの外国人材と企業様のビザ取得・更新をサポートしてまいりました。詳しくは当事務所ウェブサイトをご覧ください。

転職というキャリアアップを成功させた外国人材の皆様、そして優秀な人材の採用に成功された企業様、まずは心からお祝い申し上げます。新しい環境でのご活躍を心より願っております。

しかし、転職後に待ち受ける「初めての在留期間更新申請」は、実は「ただの定期的な更新手続き」とは全く異なる、非常に重要な審査の場であることをご存知でしょうか。特に、転職後に「就労資格証明書」を取得していない場合、この更新申請は事実上の「新規申請並みの厳格な審査」となります。

本記事では、なぜそうなるのか、どのような点に注意が必要なのか、そして不許可リスクを回避するための具体的な準備について、入管実務の経験を踏まえて詳しく解説いたします。

2. 「就労資格証明書」とは?(おさらい)

まず簡潔におさらいいたします。「就労資格証明書」とは、転職後の新しい職場での業務内容が、現在お持ちの在留資格(例:技術・人文知識・国際業務)で認められる活動範囲内であることを、出入国在留管理庁が事前に公的に証明してくれる文書です。

重要なポイント

この証明書の取得は任意であり、法的義務ではありません。しかし、「取得しなかった場合」にどうなるかが、今回の記事の核心部分です。

本記事では、この就労資格証明書を「取得しなかった」状況で、転職後初めての在留期間更新申請に臨む場合の注意点と対策に焦点を当てて解説いたします。

3. なぜ「新規申請並み審査」になるのか?入管の視点

通常の在留期間更新許可申請は、「これまでの在留状況に問題がなく、今後も同様の活動を継続する場合」を想定した手続きです。審査官は既に把握している情報を基に、継続的な在留の適格性を判断します。

しかし、転職した場合は状況が一変します。入管は新しい雇用主(企業の安定性、事業内容)や、新しい職務内容について初めて審査することになります。これまで前職での活動しか把握していなかったため、転職先での状況は「未知」の状態なのです。

審査官の視点

審査官は以下の疑問を抱きます

  • この外国人は、この新しい会社で適法な活動を行えるのか?
  • 新しい職務内容は在留資格の範囲内なのか?
  • 転職先企業は事業を継続できる安定性があるのか?
  • 報酬は適正で、安定した生活を送れるのか?

これらの疑問を解消するため、審査官は「この外国人は、この新しい会社で、この新しい仕事をして、引き続き在留資格の要件を満たし続けられるか?」という点を、新規申請と同じレベルで慎重に判断する必要があります。これが「新規申請並み審査」の本質なのです。

4. 【要注意】「新規申請並み審査」でチェックされる3大ポイント

以下の3つのポイントは、新規申請時と同じ厳格さで審査されます

① 新しい職務内容と在留資格の整合性

新しい仕事が、技術・人文知識・国際業務ビザなどの活動範囲内であるかが厳格に審査されます。特に重要なのは学歴・専攻との関連性で、これは新規申請時と同様に厳しく見られます。

特に注意が必要なケース

  • 前職と職種が大きく変わっている場合
  • 学歴・専攻と新しい業務の関連性が明確でない場合
  • より専門性の低い業務への転職の場合

② 新しい会社の事業の安定性・継続性

大企業からスタートアップへの転職などの場合、新しい会社の経営状態が詳細に審査されます。以下の点が重点的にチェックされます

審査される企業情報

  • 決算書の内容(売上、利益、債務超過の有無など)
  • 事業内容の具体性と将来性
  • 従業員数と事業規模
  • 設立からの経過年数と事業実績

③ 待遇の妥当性と本人の生活の安定性

新しい会社での報酬額が、日本人と同等以上であり、安定した生活を送れる水準かが評価されます。

注意が必要な状況

  • 前職からの大幅な給与ダウン
  • 業界平均を大きく下回る報酬
  • 不安定な雇用形態(短期契約など)

これらの場合、合理的な理由(例:キャリアチェンジ、将来性への投資など)の詳細な説明が必要です。

5. 不許可リスクを回避!具体的な準備と立証戦略

成功の鍵

「新規申請並み」であることを前提とした、徹底した書類準備が不許可リスク回避の要です。

提出書類の準備

通常の更新申請の書類に加え、新規申請時に求められるレベルの書類を準備します

企業側で準備する書類

  • 会社の登記事項証明書(3ヶ月以内)
  • 直近の決算報告書(貸借対照表・損益計算書)
  • 会社案内・パンフレット
  • 前年分の法定調書合計表
  • 雇用契約書(詳細な職務内容記載)

申請人側で準備する書類

  • 卒業証明書・成績証明書
  • 職歴証明書類
  • 住民税の納税証明書
  • 源泉徴収票(前職・現職)
  • 詳細な理由書(後述)

立証のポイント

「理由書」の重要性

理由書は審査官の懸念を先回りして払拭する最重要書類です。以下の内容を詳細に記述します

  • 転職の経緯と動機
  • 新しい仕事内容と学歴・職歴との関連性
  • 将来のキャリアプランと今回の転職の位置づけ
  • 給与変更がある場合はその合理的理由

客観的資料による裏付け

主観的な説明だけでなく、第三者が見ても納得できる客観的な資料で裏付けることが重要です

  • 業界レポートや転職先企業の公開情報
  • 職務内容の専門性を示す資格証明書
  • 同業他社との待遇比較資料

6. 専門家(行政書士)に依頼するタイミングとメリット

相談のベストタイミング

転職が決まった直後、または更新申請の準備を始める3~4ヶ月前が理想的です。早期相談により、以下のメリットが得られます

  • リスク要因の早期発見と対策立案
  • 必要書類の計画的な収集
  • 理由書作成のための時間確保

個人の方への支援

  • 個別ケースでの審査ポイント診断
  • 説得力のある理由書の作成支援
  • 必要書類の収集ガイダンス
  • 申請書類の総合的なチェック

企業様への支援

  • 採用した外国人のビザ更新戦略立案
  • 企業書類の準備サポート
  • 職務内容説明書の作成指導
  • 継続的な外国人雇用サポート体制構築

不許可リスクの予測と回避

専門家は過去の審査傾向や判例を基に、個別のケースで不許可となるリスク要因を予測し、それを回避するための戦略的な申請を行います。特に「新規申請並み審査」では、この専門的な判断が合否を分ける重要な要素となります。

7. まとめ:万全の準備で、転職後の更新を乗り越えよう

就労資格証明書なしでの転職後初更新は、「ただの定期的な更新手続き」ではなく「新規申請並みの厳格な審査」であるという認識を持つことが最も重要です。

成功への3つの鍵

1

正しい認識

「新規申請並み審査」であることを理解し、それに応じた準備を行う

2

徹底した立証

職務内容の関連性と企業の安定性を客観的資料で詳細に立証する

3

専門家の活用

準備に不安があれば、早めに専門家の助けを借りる賢明な判断をする

転職という新しいスタートを、ビザの問題で台無しにしてはいけません。正しい知識と適切な準備により、確実に更新許可を獲得し、日本でのさらなるご活躍につなげていただきたいと心から願っております。

8. 行政書士しかま事務所の「転職後初回更新」サポート

行政書士しかま事務所では、転職後の初回更新申請が「新規申請並み」になるという実務上の重要性を熟知し、それに特化したサポートを提供しております。

申請者様と新しい雇用主様双方から必要な情報を詳細にヒアリングし、不許可リスクを洗い出し、万全の体制で更新申請に臨むための戦略立案と書類作成を強力にサポートいたします。

個人の方へ

「転職したけど、次の更新が不安」という方へ

  • 個別リスク診断とカウンセリング
  • 説得力のある理由書の作成代行
  • 申請書類の完全サポート

企業様へ

「採用した外国人のビザ更新を確実にサポートしたい」企業様へ

  • 企業書類の準備指導とチェック
  • 採用理由書・職務内容説明書の作成
  • 継続的な外国人雇用コンサルティング

転職後のビザ更新、専門家による「新規申請並み」の準備で万全を期しませんか?

お一人おひとりの状況に合わせた的確なアドバイスと、確実な更新許可取得のための戦略的サポートを提供いたします。

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※ 重要な注意事項:
本記事の内容は2025年6月15日時点の入管法令・運用状況に基づいており、法改正や運用変更により内容が変わる可能性があります。個別のケースについては必ず最新の法令・運用を確認し、専門家にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。本記事を参考にした行動により生じた結果について、筆者および行政書士しかま事務所は責任を負いかねます。

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