伝統の味と文化を守るには?HACCP導入?補助金の対象?/行政書士解説「栄養士監修」

食品衛生法の改正により、手作りの漬物が消える可能性があります。厳しい衛生基準に対応するためには高額な設備投資が必要で、伝統的な味や文化が失われる恐れがあります。2012年のO157集団食中毒事件を契機に、HACCPという国際基準に沿った衛生管理が求められるようになりました。この記事では、HACCPの概要、厳しい基準による影響、導入におけるメリット、罰則、そして補助金支援について詳しく解説します。

HACCPとは?

HACCPとは「Hazard Analysis and Critical Control Point(危害分析重要管理点)」の略称で、食品の製造工程で発生する可能性のある危害(食中毒の発生等)を分析し、その危害を防止するために特に重要な工程を管理することにより、製品の安全性を確保する 世界基準の衛生管理方法のことです。

HACCPに沿った衛生管理が2021年6月に義務化され、許可制になりましたが、生産者や販売者の混乱を防ぐため 3年間の猶予期間を経て、新たに「液卵製造業」「漬物製造業」「水産製品製造業」等が2024年6月から施行され、また「そうざい製造業」の対象が拡大され、そうざい半製品を製造する場合も「そうざい製造業」の許可の対象となりました。

それにより許可を得ていない業者や農家は販売できなくなります。

HACCPに沿った衛生管理は、衛生管理を「見える化」することです。一人経営のお店も、国際基準に準じて衛生管理計画を準備しなければなりません。お客様に安心・安全な食事を提供するために、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を実践することが求められています。

しかし厳しい衛生基準に対応する必要が生じ、多くの生産者にとって高いハードルとなりました。

多くの農家や個人事業者にとって、設備投資などのコスト負担が重く、販売継続が困難となるケースが考えられます。

厳しい基準によって、伝統の味や文化が消えてしまうことを防ぐためにも、自治体や政府による支援が重要だと考えられています。一部の自治体では、生産者を支援するための補助金制度が導入されるなど、伝統の味を守る取り組みが進んでいます。

またHACCP導入にあたって農林水産省管轄や経済産業省管轄の補助金も用意されています。

「農水省HACCP補助金」

農林水産物・食品の輸出に取り組む食品事業者等に対して、輸出向けHACCP等対応施設の新設、改修及び機器の導入等の支援を受けられる補助金です。

「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」といった経済産業省管轄の補助金ではなく、農林水産省管轄の補助金になります。

HACCP等の認定・認証の取得や、輸出先国の消費者ニーズへ対応するために要する、施設・設備・機器などの導入・改修の費用やコンサル費などに関して補助を受けられます。

「ものづくり補助金」

また、HACCP対策として、「農水省HACCP補助金」以外にも、必要な施設設備等の整備の支援を受けられるのが、「ものづくり補助金」(正式名称:「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)です。

ものづくり補助金を活用し、設備を充実することにより、HACCP認証も取得も可能となります。

HACCP導入によるメリット

  • 社員の衛生管理に対する意識が向上した
  • 社外に対して自社の衛生管理について根拠を持ってアピールできるようになった
  • 製品に不具合が生じた場合の対応が迅速に行えるようになった
  • クレーム・事故が減少した
  • ロス率が下がった
  • HACCPを求める事業者(小売業者等)との取引先が増えた
  • 生産効率が上がった  
  • HACCP認定・認証を取得し、消費者からのイメージアップ
  • 国際基準によって海外展開の取引先の増加

厚生労働省が実施した「HACCPの普及・導入支援のための実態調査について」より 

違反した場合の罰則

HACCP 導入違反による罰則は定められておりませんが、食品衛生法を違反した場合には罰則があります。

また、「各都道府県知事に委ねる」といったことが記載されており、都道府県で今後 HACCP 導入に関するルールが策定されることも考えられ、策定されれば刑事罰に問われる可能性があります。

 食中毒等の事故が発生した場合

  • 社会的な信用失墜
  • HACCP導入を前提とした取引の減少
  • 営業停止処分

 などのリスクが考えられる。

手作りの漬物は、食品だけでなく地域の伝統や食文化を反映しているため、厳しい基準によって消えてしまうことへの懸念が高まっています。

しかし食品安全を守ることも重要です。食品安全と伝統文化の両方を守るために、自治体や政府による支援が今後さらに重要になると考えられます。

また補助金支援をどう活用していくか、私達専門家や事業主の協力も不可欠です。補助金支援を待つだけではなく、私たちの生活の中でできる小さな変化から始めることができます。

しかし、『具体的に何をすればいいのか?』と疑問に感じる方もいるかもしれません。

まとめ

行政書士しかま事務所は、HACCP導入支援など、複雑な手続きをワンストップでサポートします。サービス内容には、申請書類の作成、必要な調査、許可取得までの全体的なプロセスが含まれます。

  • HACCP導入支援費用  お見積り
  • 補助金申請着手金   10万円+税
  • 補助金成功報酬    10%

報酬や詳細については、お気軽にお問い合わせください。お客様のニーズに合わせた最適なプランをご提案いたします。お問い合わせお待ちしております。

次回は、HACCP導入にあたっての取り組みや補助金採択事例を詳しく解説します。

これらの情報が、皆さんの行動を後押しするヒントになることでしょう。

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