行政書士合格体験記とおすすめ許認可業務3選
行政書士試験に合格するまでの体験と、資格取得後のおすすめ許認可業務についてご紹介します。試験合格を目指している方や、資格取得後のキャリアを考えている方に役立つ情報をお届けします。
行政書士試験合格への道のり
行政書士試験は決して簡単なものではなく、合格までには多くの努力が必要です。私は約3年間にわたり、合計3500時間の勉強を重ねました。この間、独学をベースにしながらも、予備校などで推奨されている勉強方法を参考にしました。特におすすめしたいのが 辰巳法律研究所です。具体と抽象を行き来する思考法は、理解を深めるだけでなく、実務においても応用が利きます。
なぜ行政書士の資格を目指した?
行政書士という士業を選んだ理由は、以下の5つのポイントに魅力を感じたからです。
- 受験資格が特になく、比較的コストパフォーマンスが高い
- 独占業務が存在し、業務範囲が時代の変化に対応して拡大している
- 常に最先端の分野に挑戦できる可能性がある
- 自分の年齢や経験に応じて業域を変更し、スキルアップできる
- 行政書士の資格一つで、さまざまな分野に挑戦できる可能性がある
効率的な学習スケジュール
試験対策中は、以下のようなスケジュールを意識して1日の学習時間を確保しました。
- 午前: 2時間
- 午後(17時まで): 2時間
- 18:00~寝る前: 2時間
このように、1日を通してこまめに学習時間を分けることで、集中力を保ちながら効率的に学習できました。皆さんも自身の生活リズムに合ったスケジュールを見つけて、勉強に取り組んでみてください。
※勉強習慣が今までなかったので最初は1時間座っているのも苦痛でした…
年度 | 憲法 | 民法 | 行政法 | 商法 | 一般知識 | 記述 |
---|---|---|---|---|---|---|
令和3年 | 90時間 | 348時間 | 524時間 | 30時間 | 61時間 | 86時間 |
令和4年 | 80時間 | 444時間 | 316時間 | 84時間 | 89時間 | 83時間 |
令和5年 | 76時間 | 323時間 | 245時間 | 36時間 | 31時間 | 61時間 |
模試の実施と平均点
- 令和3年: 模試を10回以上実施。択一、記述併せて140-150点程度でした。LECのパック模試を利用し、毎回悔しい思いをしました。
- 令和4年: 模試を8回実施。平均点は択一で150点、記述は30点前後でした。模試の内容によっては合格が見えてきました。
- 令和5年: 模試を9回実施。平均点は択一で170点、記述で40点前後でした。合格年度はどの模試も合格ラインでした。
年度ごとの勉強方法はどのように変化した?
- 1年目: 過去問を中心に暗記を重視。暗記型じゃ受かるはずもなく本試験結果は約140点でした…
- 2年目: 初年度の方法を継続しましたが、模試で成績が伸び悩んだため、基本書に切り替えて理解を深める勉強法に変更。択一で150点台、記述で致命的なミスをして170点台で不合格でした。(差止訴訟と勘違いし失点)
- 3年目: 過去問は確認程度に留め、基本書を通じて理解を深め、条文の関連性に意識を向ける学習を行いました。合格年は択一170点/記述42点合計212点
使用した教材
令和5年(3年目)では、勉強方法に大きな変更を加えました。
- LEC出版の「出る順行政書士合格基本書」と「デイリー六法」を重視し、各単元の理解と整理に集中しました。
- 過去問には伊藤塾の「行政書士肢別完成問題集」を使用し、合格道場のウェブサイトで他社の記載方法も含めて確認しながら理解を深めました。
- 講義は利用せず、息抜きに行政書士関連の動画をたまに視聴していました。
令和3年には通信予備校フォーサイトを、令和4年には合格革命行政書士テキストや各種過去問集を使用していました。
令和4年使用教材
- 合格革命行政書士テキスト
- 合格革命行政書士肢別過去問集
- 合格革命40字記述式
- LEC出る順行政書士肢別過去問集
- スーパー過去問ゼミ6民法Ⅰ、Ⅱ
- TAC行政書士(みんほし)40字記述式問題集
- 日経キーワード
- 公務員試験文章理解(直観ルールブック)
合格するために必要なこと
- 自分に合った勉強方法を見つけること: 人によって理解しやすい教材や学習方法は異なるため、自分に合ったものを見つけることが重要です。
- 時間管理を徹底すること: 毎日一定量の勉強時間を確保し、計画的に学習を進めることが大切です。
- モチベーション維持のための工夫をすること: 長丁場となる試験勉強を継続するためには、モチベーション維持が重要です。
モチベーション維持と進捗管理
合格までの道のりを支えてくれたのは、家族の存在でした。さらに、進捗管理には スタディサプリ を活用し、学習時間の記録を可視化することで、勉強の習慣化とモチベーション維持に役立てました。ただし、学習時間の量そのものが合格を保証するわけではありませんので、質を重視することも大切です。
行政書士登録と開業のすすめ
行政書士試験に合格しただけでは、行政書士として業務を行うことはできません。行政書士として名乗るためには、登録手続きが必須です。独立開業を目指す方は、まず登録手続きを行い、正式に行政書士として活動できる準備を進めることをおすすめします。
※参考条文:行政書士法第6条 - 行政書士となるには、行政書士名簿への登録が必要です。
おすすめ許認可業務
合格後、行政書士としてどの分野に進むべきかを悩む方も多いと思います。私の経験から、特におすすめする許認可業務の分野をご紹介します。主観的な意見ではありますが、参考にしていただければ幸いです。
- 国際業務
外国人の雇用や在留資格のサポートに対する需要は、今後ますます増えていくと考えられます。法改正も頻繁に行われるため、知識を深めることで活躍の幅が広がるでしょう。 - ドローン・民泊
ドローンの許可申請や民泊に関する届出も、新しい分野であり注目されています。新たな分野に挑戦したい方にとって、成長機会を得られる可能性があります。 - 建設業
建設業許可は申請手続きが複雑であり、行政書士の専門性が強く求められる分野です。需要も多いため、建設業者から信頼を得れば、継続的な依頼も期待できます。
まとめ
行政書士としての業務にはさまざまな分野がありますが、特に建設業許可申請、外国人在留資格関連業務、ドローン、民泊関連業務は需要が高く、実務経験を積むのに最適な分野です。これらの業務に積極的に取り組むことで、行政書士としての専門性を高め、多様なニーズに応えることができます。
初心者の方は、これらの分野から実務経験を積むことで、業務の幅を広げると同時に、より多くの顧客に価値を提供できる行政書士を目指すことができるでしょう。