【採択率アップ】小規模事業者持続化補助金の申請書「経営計画書」の書き方を完全ガイド!審査員に響くポイントとは?
【採択率アップ】小規模事業者持続化補助金の申請書「経営計画書」の書き方を完全ガイド!審査員に響くポイントとは?
行政書士しかま事務所
読了時間:約12分 | 2025年8月20日更新
この記事を読むとわかること
- 審査員が重視する「経営計画書」の3大評価ポイント
- 各項目(企業概要・顧客ニーズ・強み・経営方針)の具体的な書き方
- 採択される事業計画と不採択になる計画の決定的な違い
- 説得力のあるストーリーラインの構築テクニック
- 第18回公募(2025年10月3日開始)の最新審査基準対応
あなたの「経営計画書」、審査員の心を掴めていますか?
「経営計画書って、何を書けばいいの?」
「前回は不採択だったけど、どこが悪かったんだろう?」
「自社の強みはあるはずだけど、それをうまく表現できない」
「審査員は、いったい何を評価しているのか知りたい」
そんな悩みを抱えている事業者の方は、この記事で全て解決できます。
目次
1. はじめに:経営計画書は、あなたの事業への「ラブレター」である
こんにちは。行政書士しかま事務所の鹿間です。これまでの連載では、小規模事業者持続化補助金の全体像や創業枠の攻略法をお伝えしてきました。今回は、いよいよ補助金申請の「心臓部」とも言える「経営計画書」の書き方に完全に焦点を当てます。
読了時間:約12分
第18回公募(2025年10月3日申請開始)の最新審査基準に完全対応した内容です。
多くの事業者が誤解していることがあります。それは、経営計画書を「単なる事務書類」だと思っていることです。しかし、実際には経営計画書は、あなたの事業への「ラブレター」なのです。
審査員は、あなたの会社を直接訪問することもなければ、あなたと直接話すこともありません。彼らがあなたの事業を知る唯一の手段が、この「経営計画書」なのです。つまり、この書類があなたの事業の魅力と将来性を伝える、最も重要なプレゼンテーション資料だということを、まず理解してください。
審査員は一人あたり数十件、場合によっては百件以上の申請書を審査します。その中で、あなたの事業が「補助金を投じる価値がある」と判断してもらうためには、単なる情報の羅列ではなく、感情に訴える説得力のあるストーリーを構築する必要があります。
2. 大前提:審査員はあなたの会社の「何」を知りたいのか?
経営計画書の書き方を学ぶ前に、まず審査員の視点を理解することが重要です。審査員がチェックしているのは、以下の3つの要素です。
①具体性
抽象的な表現ではなく、具体的なデータや事実に基づいているか
②一貫性
各項目が論理的に結びついた、一貫したストーリーになっているか
③実現可能性
現実的で達成可能な計画として構築されているか
なぜ抽象的な表現はダメなのか?
「頑張ります」「努力します」「良いサービスを提供します」といった抽象的な表現は、審査員にとって評価の対象になりません。なぜなら、これらは具体的な根拠や計画に基づいていない「希望的観測」だからです。
審査員が知りたいのは、「どのような根拠で、どのような方法で、どのような成果を目指すのか」という具体的な道筋です。
2025年8月20日時点の最新公募要領(第18回)では、以下の審査基準が明確に示されています:
- 自社の経営状況分析の妥当性
- 経営方針・目標と今後のプランの適切性
- 補助事業計画の有効性
- 積算の透明・適切性
つまり、経営計画書では、これらの評価基準を満たすような内容を、具体的かつ一貫性を持って記述する必要があるのです。
3. 【項目別】「経営計画書」書き方徹底解説
それでは、経営計画書の各項目について、具体的な書き方を見ていきましょう。
① 企業概要
多くの事業者が、企業概要を「会社の基本情報」だけで終わらせてしまいます。しかし、ここでは事業への想いや理念を簡潔に盛り込むことが重要です。
NG例
「弊社は平成20年に設立され、従業員3名で運営しております。」
OK例
「弊社は平成20年に『地域の皆様に心から安心していただける住環境を提供する』という理念のもと設立されました。代表の私は建築士として15年の経験を持ち、地域密着型のリフォーム業として顧客満足度95%を維持しております。現在従業員3名で運営し、年間約50件のリフォーム工事を手がけております。」
専門家のアドバイス
企業概要では、単なる情報の羅列ではなく、「なぜこの事業を始めたのか」という想いと、「どのような実績があるのか」という具体的な成果を組み合わせて記述しましょう。補助金を託すにふさわしい事業であることを印象づけることが重要です。
② 顧客ニーズと市場の動向
この項目は、多くの事業者が最もつまずく部分です。客観的なデータで裏付けることが説得力の鍵となります。
NG例
「最近、健康志向の顧客が多いと思います。コロナ禍で在宅時間が増えたため、住環境への関心も高まっているようです。」
OK例
「当社の顧客アンケート(2024年実施、回答者120名)では、7割が『健康に配慮した住環境』を最重要視しており、特に『自然素材の使用』『室内空気質の改善』への要望が強いことが判明しました。また、国土交通省の住宅着工統計によると、当地域のリフォーム市場は年率3.2%で成長しており、特に環境配慮型リフォームの需要が前年比15%増加しています。」
専門家のアドバイス
顧客ニーズの記述では、「思います」「ようです」という推測表現は絶対に避け、アンケート結果、売上データ、公的統計などの客観的なデータを必ず盛り込みましょう。データの出典も明記することで、信頼性が格段に向上します。
③ 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
この項目では、「強み」を「顧客にとっての価値(ベネフィット)」にまで落とし込んで記述することが重要です。
NG例
「当社は高品質なサービスを提供しており、お客様に満足していただいています。」
OK例
「当社の強みは、一級建築士の資格を持つ代表が開発した『健康住宅診断システム』にあります。このシステムにより、室内の化学物質濃度を数値化し、お客様の健康状態に応じた最適な改善提案が可能です。その結果、施工後の顧客満足度は95%を維持し、リピート率は地域平均の1.5倍(当社68% vs 地域平均45%)を達成しています。」
専門家のアドバイス
自社の強みを記述する際は、「何ができるか」ではなく「それによってお客様がどんな価値を得られるか」という視点で書きましょう。資格、技術、ノウハウなどの「機能」を、顧客が実感できる「ベネフィット」に翻訳することが重要です。
④ 経営方針・目標と今後のプラン
この項目では、定性的な目標と具体的な数値目標の両方を掲げることが重要です。
NG例
「今後は売上を上げて、事業を拡大していきたいと考えています。」
OK例
「今回の補助事業により『健康住宅診断』のデジタル化とPR強化を行い、これまで開拓できていなかった30~40代の子育て世代を新たな顧客層として獲得します。具体的には、3年後に売上を現在の年商1,000万円から1,500万円(50%増)に押し上げ、従業員を1名増員して地域No.1の健康住宅専門業者としてのポジションを確立します。」
専門家のアドバイス
経営方針では、「なぜその目標を設定したのか」という根拠と、「どのような方法で達成するのか」という具体的な道筋を示すことが重要です。売上目標については、現在の実績を基に算出した現実的な数値を設定しましょう。
4. 【最重要】採択されるストーリーラインの作り方
経営計画書の各項目を個別に完成させても、それだけでは採択されません。最も重要なのは、一貫したストーリーラインを構築することです。
採択されるストーリーラインの流れ
ストーリーライン構築の具体例
「当社の【強み:健康住宅診断システム】を活かせば、【顧客ニーズ:健康に配慮した住環境への要望】に応えられます。
しかし、そのためには【課題:診断結果の可視化とPR力不足】があります。
今回の【補助事業:デジタル診断システム導入とホームページ刷新】でその課題を解決し、
結果として【効果:新規顧客層開拓による売上50%増】を実現します。」
このように、各要素を論理的に結びつけることで、審査員が「なるほど、これなら成功しそうだ」と納得できる説得力のあるストーリーを構築できます。
よくある失敗パターン
- 各項目がバラバラで、一貫性がない
- 強みと顧客ニーズが合致していない
- 補助事業と課題解決の関係が不明確
- 効果の算出根拠が曖昧
これらの失敗を避けるためには、経営計画書を書く前に、まず「自社の強み」「顧客ニーズ」「現在の課題」「補助事業の内容」「期待する効果」を個別に整理し、それらがどのように結びつくかを検討することが重要です。
5. まとめ:一貫したストーリーで審査員を納得させる
経営計画書は、パズルを組み合わせるようなものです。一つ一つのパーツ(各項目)を丁寧に磨き上げ、それらを一貫したストーリーとして完成させることが、採択への道となります。
採択される経営計画書の5つの特徴
- 1. 具体性:すべての記述が具体的なデータや事実に基づいている
- 2. 一貫性:各項目が論理的に結びついた統一されたストーリー
- 3. 実現可能性:現実的で達成可能な目標設定
- 4. 独自性:他社との差別化要素が明確に表現されている
- 5. 熱意:事業への想いと将来へのビジョンが伝わる
第18回公募(2025年10月3日申請開始)では、これまで以上に審査の厳格化が予想されます。だからこそ、単なる情報の羅列ではなく、審査員の心を動かす説得力のある事業計画を作成することが重要です。
時間をかけて丁寧に作成しましょう
優れた経営計画書は、一朝一夕では作成できません。自社の強みや顧客ニーズを深く分析し、データを収集し、論理的なストーリーを構築するには、相当な時間と労力が必要です。申請開始直前になって慌てることのないよう、早めの準備を心がけましょう。
この記事でお伝えした内容を参考に、あなたの事業の魅力を最大限に引き出す「経営計画書」を作成していただければと思います。
行政書士しかま事務所の「経営計画書」作成サポート
「理論は分かったけど、実際に自社の強みをどう表現すればいいのか分からない」
「データの収集方法や分析方法が分からない」
「ストーリーラインの構築に自信がない」
そんな事業者の方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
当事務所の「経営計画書」作成サポート内容
- 貴社の強みと顧客ニーズの徹底分析
- データ収集とエビデンス構築のサポート
- 説得力のあるストーリーライン構築
- 審査員の視点に立った計画書のブラッシュアップ
- 申請書類の作成代行・チェック
あなたの事業の魅力を最大限に引き出し、採択される「経営計画書」を一緒に作り上げましょう。
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