【創業枠・完全攻略】持続化補助金を活用してスタートダッシュ!対象要件と事業計画の書き方

【創業枠・完全攻略】持続化補助金を活用してスタートダッシュ!対象要件と事業計画の書き方 | 行政書士しかま事務所

【創業枠・完全攻略】
持続化補助金を活用してスタートダッシュ!

対象要件と事業計画の書き方

創業間もない事業者の方へ。小規模事業者持続化補助金の中でも、特に創業者に有利な「創業型」について、対象要件から事業計画書の戦略的作成術まで、行政書士が実務経験に基づいて詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 創業型と通常枠の違いと圧倒的なメリット(最大250万円)
  • 多くの創業者がつまずく「特定創業支援等事業」の詳細な受講・取得方法
  • 実績ゼロでも審査員を納得させる事業計画書の戦略的作成術
  • 創業者に最適な対象経費の活用法
  • 専門家が支援する採択率向上の具体的手法

創業枠の申請、こんな悩みありませんか?

「創業型って聞いたことあるけど、具体的にどう有利なの?」
「特定創業支援等事業って何?どこで受講するの?」
「創業したばかりで実績がない。事業計画書に何を書けばいいの?」
「申請締切まで時間がない。今からでも間に合う?」

1. はじめに:創業期の強力な味方「創業型」とは?

行政書士しかま事務所の鹿間です。連載第2回となる今回は、前回の「持続化補助金全体の最新動向」に続いて、創業間もない事業者の方に特化した「創業型」について詳しく解説いたします。

創業期は、事業のスタートダッシュが成功の鍵を握る重要な時期です。しかし、多くの創業者が直面するのが「運転資金の確保」と「販路開拓の課題」。そんな創業者の強い味方が、小規模事業者持続化補助金の「創業型」です。

創業型の基本スペック

補助金額

最大200万円

(インボイス特例で+50万円、最大250万円)

補助率

2/3

(300万円の投資で200万円の補助)

この制度は、単なる資金援助ではありません。創業者が「販路開拓」という最も重要な課題に集中できるよう設計された、戦略的な政策支援です。ただし、そのメリットを享受するには、正確な要件理解と戦略的な準備が不可欠です。

重要なポイント

創業型は通常枠に比べて4倍の補助上限額を誇りますが、「特定創業支援等事業」の受講という独特の要件があります。多くの創業者がここでつまずくため、この記事では特に詳しく解説します。

2. 【STEP1】あなたは対象?「創業型」の対象要件をチェック

創業型への申請を検討する前に、まず対象要件を正確に把握しましょう。以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。

要件①:小規模事業者であること

商業・サービス業

(宿泊業・娯楽業除く)

5人以下

宿泊業・娯楽業

(サービス業のうち)

20人以下

製造業その他

(上記以外)

20人以下

要件②:創業後3年以内(最重要)

創業日の定義
  • 個人事業主:開業届の提出日
  • 法人:法人設立登記日

重要:2025年11月28日(申請締切)から遡って3年以内に創業していることが必要です。

要件③:特定創業支援等事業の受講(多くの方がつまずくポイント)

産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定連携創業支援等事業者」が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けていることが必要です。

注意:この要件について、次のセクションで詳しく解説します。多くの創業者がここで申請を断念するため、必ず確認してください。

要件④:その他の一般的要件

  • 資本金5億円以上の法人に100%株式を保有されていないこと
  • 直近の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  • 申請時点で事業を開始していること(開業届提出済み)

3. 【最重要】特定創業支援等事業の受講・証明書取得の完全ガイド

なぜ多くの創業者がここでつまずくのか?

特定創業支援等事業は、単なる「創業セミナー」ではありません。産業競争力強化法に基づく厳格な要件を満たした支援事業で、受講から証明書取得まで一定の手順と時間が必要です。

「知らなかった」「時間がない」で申請を断念する創業者が多いため、このセクションで詳しく解説します。

特定創業支援等事業とは?

特定創業支援等事業は、創業を志す方や創業後間もない方を対象に、以下の4つの知識分野について、1か月以上にわたって4回以上の継続的な支援を行う事業です。

①経営知識

経営理念・ビジョン、事業計画の策定、マーケティング戦略など

②財務知識

資金計画、収支計画、財務管理、資金調達方法など

③人材育成知識

組織運営、人事制度、労務管理、リーダーシップなど

④販路開拓知識

マーケティング、営業戦略、顧客開拓、販売促進など

STEP1:実施機関の確認・選択

あなたの地域の実施機関を探す

主な実施機関

市区町村

直接実施

商工会議所

連携実施

金融機関

連携実施

実施機関の探し方
  1. 1 「あなたの市区町村名 特定創業支援等事業」でGoogle検索
  2. 2 市区町村のホームページで「創業支援」のページを確認
  3. 3 地域の商工会議所・商工会に直接問い合わせ

STEP2:受講申込み・スケジュール確保

受講スケジュールの重要ポイント

時間的制約に注意
  • 受講期間:1か月以上の継続受講が必要
  • 受講回数:4回以上の参加が必要
  • 証明書発行:受講完了後、申請から1~2週間
一般的な受講スケジュール例

第1回

経営知識

第2回

財務知識

第3回

人材育成

第4回

販路開拓

STEP3:受講・完了

受講時の注意点

  • 本人受講が必須

    法人の場合は代表者本人、個人事業主の場合は本人が受講する必要があります

  • 全回参加が原則

    4回すべての講座に参加することが証明書発行の条件です

  • 受講証明書の保管

    各回の受講後に受講証明書を受け取り、大切に保管してください

STEP4:証明書発行申請

証明書発行に必要な書類

必須書類
  • 証明書発行申請書
  • 本人確認書類
  • 受講証明書(全回分)
創業済みの場合
  • 開業届の写し(個人)
  • 登記簿謄本(法人)
申請から発行までの流れ

申請提出

窓口または郵送

審査

5日~2週間

発行・交付

窓口または郵送

STEP5:証明書の有効期限と活用

有効期限

証明書の有効期限は、受講終了日から1年間です。ただし、創業後5年が経過した場合は、その時点で失効します。

注意:補助金申請締切(2025年11月28日)までに、有効な証明書を取得している必要があります。

証明書のメリット
補助金関連
  • ・持続化補助金(創業型)の申請資格
  • ・その他創業関連補助金の優遇
その他の優遇
  • ・法人設立登記の登録免許税減免
  • ・創業関連保証の早期利用
  • ・政策金融公庫の金利優遇

よくある失敗例

  • ・補助金申請直前になって受講を始める(時間不足)
  • ・代表者以外が受講してしまう(要件不適合)
  • ・受講証明書を紛失してしまう(再発行手続きが必要)
  • ・証明書の有効期限を過ぎてしまう(再受講が必要)

4. 「創業型」だけのメリット!通常枠との違いを徹底比較

創業型が通常枠と比較してどれほど有利な制度なのか、具体的な数字とともに比較してみましょう。

項目通常枠創業型創業型のメリット
補助上限額50万円200万円4倍
インボイス特例+50万円+50万円同等
最大補助額100万円250万円2.5倍
補助率2/32/3同等
対象者既存事業者創業3年以内創業者特化
特別要件なし特定創業支援等事業受講必須

具体的な投資効果シミュレーション

通常枠の場合

投資額
150万円
補助額(2/3)
100万円
自己負担
50万円

創業型の場合

投資額
375万円
補助額(2/3)
250万円
自己負担
125万円

創業型なら150万円多く補助を受けられる!

創業型を選ぶべき理由

  • 圧倒的な補助額:通常枠の4倍の補助上限額
  • 創業期の集中投資:事業のスタートダッシュに最適
  • 付加価値:特定創業支援等事業の受講で経営知識も習得
  • 競争優位性:大きな投資でライバルに差をつけられる

5. 【実績ゼロ克服】創業者向け「事業計画書」の戦略的作成術

創業者が最も悩むのが「過去の実績を書けない」という問題。しかし、これは弱みではなく、実は「将来性への期待」に変えることができる最大の武器です。

創業者の事業計画書でやってはいけないこと

  • 「創業したばかりなので実績がありません」と弱気に書く
  • 抽象的な事業内容で具体性に欠ける
  • 非現実的な売上計画を立てる
  • 市場分析が不十分で競合が不明

審査員を納得させる4つの戦略ポイント

戦略①:経営者(創業者)の経歴と熱意を強力にアピール

書くべき内容
  • 専門性の根拠:前職での経験、資格、スキルがどう活かされるか
  • 創業の動機:なぜこの事業を始めたのか、社会的意義は何か
  • 成功への執念:困難を乗り越える覚悟と具体的な行動計画
記述例(システム開発業の場合)

【代表者の経歴と専門性】
大手IT企業で10年間システムエンジニアとして従事し、金融機関向けの基幹システム開発を担当。特に中小企業の業務効率化に関する豊富な実務経験を持つ。

【創業の動機】
前職で多くの中小企業が高額なシステム導入を躊躇している現状を目の当たりにし、「中小企業にもっと身近でコストパフォーマンスの高いIT支援を提供したい」という強い思いで創業を決意。

【成功への執念】
地域の中小企業50社を3年以内に支援し、地域経済の発展に貢献する。そのため、持続化補助金を活用してマーケティング基盤を構築し、顧客との接点を最大化する。

戦略②:明確な顧客ニーズと市場分析で説得力を高める

市場分析の必須項目
市場規模・成長性
  • ・対象市場の規模(金額)
  • ・市場の成長率・将来性
  • ・地域特性の分析
顧客ニーズ
  • ・具体的な困りごと
  • ・既存解決策の問題点
  • ・あなたの解決策の優位性
データ収集のコツ
  • 業界団体の統計データを活用
  • 地域の商工会議所による調査結果
  • 潜在顧客への直接ヒアリング
  • 競合他社の分析(価格、サービス内容)

戦略③:具体的な事業・販路開拓プランで実現可能性を証明

プランの構成要素
ターゲット

誰に

提供価値

何を

到達方法

どうやって

時間軸を明確にした計画書の書き方
第1段階(1-3ヶ月)
  • ・ウェブサイト構築
  • ・SEO対策実施
  • ・初期顧客5社獲得
第2段階(4-6ヶ月)
  • ・リファラル仕組み構築
  • ・展示会出展
  • ・顧客基盤20社達成
第3段階(7-12ヶ月)
  • ・サービス拡充
  • ・顧客満足度向上
  • ・月商100万円達成

戦略④:実現可能な収支計画で信頼性を確保

収支計画の重要ポイント
  • 保守的な売上予測:楽観的すぎる数字は信頼性を損ないます
  • 段階的な成長:急激な成長より着実な成長を示す
  • 根拠の明示:なぜその売上が達成可能なのか具体的に説明
収支計画の記述例

【売上根拠】
月額5万円のWebサイト制作サービスを軸に、初年度は月2件、2年目は月4件の受注を想定。地域の中小企業約500社のうち、年間20社(4%)が新規ホームページを作成すると仮定し、そのうち50%(10社)の獲得を目指す。

【成長戦略】
1年目:月商10万円→2年目:月商20万円→3年目:月商40万円の段階的成長を計画。リピート率30%、紹介率20%を見込む。

【利益計画】
売上総利益率70%、営業利益率25%を想定。3年目には月商40万円、営業利益10万円の達成を目指す。

創業者の事業計画書で差をつけるポイント

  • 実績がない分、準備の徹底さで勝負する
  • 数字は保守的に、熱意は情熱的に表現する
  • 「なぜこの事業なのか」の必然性を強調する
  • 補助金の使用目的と効果を具体的に説明する

6. 創業者が活用しやすい「対象経費」の具体例

創業型で活用できる対象経費の中から、特に創業間もない事業者にとって効果的な経費を具体的に解説します。

ウェブサイト関連費

  • 企業ホームページ制作
  • ECサイト構築
  • 予約システム導入
  • SEO対策
想定投資額

50-150万円

広報費

  • パンフレット・チラシ作成
  • Web広告費
  • SNS広告費
  • 動画制作費
想定投資額

30-100万円

展示会等出展費

  • 展示会出展料
  • ブース装飾費
  • カタログ制作費
  • 運搬費
想定投資額

20-80万円

創業者におすすめの経費活用戦略

最優先:デジタル基盤の構築

創業期こそ、しっかりとしたウェブサイトが信頼性の証となります。150万円程度の投資で、企業ホームページ、業務システム、SEO対策を一括で整備しましょう。

次に重要:認知度向上のための広報

Web広告とリアルな販促物を組み合わせることで、幅広い顧客層にアプローチできます。50-100万円の投資で、初年度の新規顧客獲得を加速させましょう。

効果的な活用:業界展示会への出展

特に BtoB ビジネスの場合、業界展示会への出展は一度に多くの見込み客と接触できる絶好の機会です。30-50万円の投資で、質の高いリードを大量獲得できます。

対象経費選定の注意点

  • 汎用性の高い設備(パソコン、机、椅子など)は対象外
  • 交付決定前に発注・契約した経費は対象外
  • 補助事業実施期間内に完了しない事業は対象外
  • 「販路開拓」の目的に直結する投資を選択する

7. まとめ:創業枠は大きなチャンス。戦略的準備で採択を勝ち取る

小規模事業者持続化補助金の「創業型」は、創業間もない事業者にとって極めて有利な制度です。通常枠の4倍の補助上限額(最大250万円)は、事業のスタートダッシュを大きく後押しします。

成功の鍵は「情報」「準備」「戦略」

情報

特定創業支援等事業の受講要件を正確に把握し、早期に行動開始

準備

証明書取得、GビズID取得、事業計画骨子の作成を計画的に実施

戦略

実績ゼロを強みに変える事業計画書で、審査員の心を掴む

残り時間と今すぐやるべきこと

申請締切まで残り約3ヶ月(2025年11月28日)

  • 今すぐ:特定創業支援等事業の実施機関に問い合わせ
  • 1週間以内:GビズIDプライム申請、受講申込み
  • 2週間以内:事業計画書の骨子作成開始
  • 1ヶ月以内:証明書取得、見積書収集

創業枠は、単なる資金援助ではなく、あなたの事業の「本気度」を社会に示す機会でもあります。しっかりとした準備と戦略的な事業計画で、この大きなチャンスを確実に掴んでください。

行政書士しかま事務所の「創業型」申請フルサポート

創業間もない事業者の皆様の補助金申請を、特定創業支援等事業の受講サポートから事業計画書の作成代行まで、トータルでサポートいたします。

特定創業支援等事業サポート

  • ・実施機関の紹介・調整
  • ・受講スケジュール管理
  • ・証明書取得手続き支援

事業計画書作成代行

  • ・創業者向け戦略的構成
  • ・市場分析・競合分析
  • ・収支計画の精緻化

創業型特別パッケージ

創業間もない事業者の方限定で、特定創業支援等事業の受講から補助金申請、採択後の実績報告まで、一貫したサポートパッケージをご用意しております。

特別料金:着手金5万円+完全成功報酬8%(令和7年10月末日まで)

※事業内容や申請額に応じて、最適なプランをご提案いたします

あなたの創業を、補助金で力強く支援します

創業期の貴重な時間を、事業計画書作成に費やすのではなく、
本業に集中していただくため、専門家が全面的にサポートいたします。

本記事の内容は、2025年7月15日時点の公募要領等に基づいて作成されています。

最新の情報や詳細については、必ず公式の公募要領をご確認ください。

記事内容に関するご質問やサポートについては、行政書士しかま事務所までお気軽にお問い合わせください。

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