【2025年5月最新】日本で子どもが生まれたら?出生届・国籍・在留資格の流れまとめ
日本に在住する外国人の方や国際結婚カップルにとって、お子さんが日本で生まれた際の手続きは複雑で不安に感じることも多いでしょう。本記事では、2025年5月時点の最新情報に基づき、日本で子どもが生まれた後に必要な3つの主要な手続き(①出生届、②国籍に関する手続き、③在留資格申請)について、その流れや期限、注意点を分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 日本で子どもが生まれた際に必要な3つの主要手続き
- 手続きの期限と提出先(2025年最新情報)
- 親の国籍(両親とも外国籍・どちらかが日本人)による手続きの違い
- 2025年から導入されたオンライン申請システムの活用方法
- 各手続きで必要な書類と取得方法
- 注意すべき期限と罰則について
【2025年最新情報】
- 手数料改定(2025年4月1日~):在留資格の変更や在留期間の更新などに必要な手数料が改定されました。
- 電子申請拡充:在留資格取得許可申請のオンライン手続きが拡充され、子どもの在留資格申請も電子申請が可能になりました。
- 戸籍情報連携システム運用開始:2024年4月から法務省の戸籍情報連携システムとの連携が始まり、多くの場合で戸籍謄本の提出が不要になりました。
日本で子どもが生まれた際の手続き概要
日本で子どもが生まれた場合、親の国籍によって必要な手続きが異なります。大きく分けると、次の2つのケースがあります。
ケース1: 両親がともに外国籍
- 子どもは原則として外国籍になります
- 日本の市区町村役場への出生届
- 本国(親の国籍国)への出生登録
- 入管への在留資格取得許可申請
ケース2: 父母のどちらかが日本国籍
- 子どもは日本国籍を取得できます
- 日本の市区町村役場への出生届
- 外国籍の親の国への出生登録(希望により)
- 二重国籍となる場合の対応(国籍選択)
重要ポイント
それぞれのケースで必要な手続きが異なりますが、共通して「出生届」の提出が必須です。期限内に手続きを行わない場合、罰則や後々の手続きで支障が生じる可能性がありますので注意が必要です。
手続き① 市区町村役場への出生届
子どもが生まれたら最初に行う手続きが出生届の提出です。これは日本国籍の有無にかかわらず、日本で出生した全ての子どもに必要な手続きです。
提出期限
出生日を含め14日以内(日本国内での出生の場合)
海外で出生した場合は3ヶ月以内となります。期限を過ぎると過料が科される場合があります。
提出先
次のいずれかの場所に提出します。
- 子どもが生まれた場所を管轄する市区町村役場
- 父母の住所地を管轄する市区町村役場
- 届出人の所在地を管轄する市区町村役場
※通常は居住地の市区町村役場の戸籍課に提出します。
必要書類
- 出生届書(出産した病院で受け取るか、市区町村役場で入手)
- 出生証明書(医師または助産師が記入したもの)
- 母子健康手帳
- 届出人の身分証明書(在留カードなど)
- 国民健康保険証または社会保険証(加入している場合)
届出人について
父または母が届出人となります。婚姻関係にない場合は、通常母親が届出人となります。
2025年5月最新情報
2024年4月1日からの戸籍法改正により、法務省の戸籍情報連携システムとの連携が開始されました。これにより一部の手続きでは添付書類が簡略化されています。特に国際結婚カップルの場合、以前は必要だった戸籍謄本の提出が原則不要になりました。
出生届受理証明書の取得をお忘れなく
出生届を提出する際、「出生届受理証明書」を必ず取得してください。この証明書は後の在留資格取得許可申請や国籍関連手続きで必要となります。証明書発行には手数料がかかる場合があります。
手続き② 国籍に関する手続き
子どもの国籍は、親の国籍や家族構成によって決まります。日本は「血統主義(父母両系血統主義)」を採用しており、父または母のどちらかが日本国籍を持っていれば、子どもも出生により日本国籍を取得できます。
両親がともに外国籍の場合
子どもは親の国籍を取得することになります(親の国の国籍法による)。日本国籍は取得できません。本国大使館・領事館で出生登録の手続きが必要です。
父母のどちらかが日本国籍の場合
子どもは出生により日本国籍を取得します。同時に外国籍の親の国の国籍も取得する場合(二重国籍になる場合)は、22歳までに国籍選択が必要です。
【2025年最新】国籍法に関する重要な情報
- 成年年齢の引き下げ:2022年4月の民法改正により成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これに伴い、国籍取得の届出が可能な年齢も20歳未満から18歳未満に変更されています。
- 国籍選択期間:二重国籍者は22歳までに国籍を選択する必要があります。ただし、実際の運用では強制的に日本国籍を喪失させる措置は現在のところ取られていません。
- 国籍留保届:海外で生まれ、日本と外国の二重国籍となった子どもについては、出生後3ヶ月以内に「国籍留保届」を提出する必要があります。提出しない場合、日本国籍を失うことがあります。
特に注意が必要なケース
婚姻関係にない日本人の父と外国人の母との間に生まれた子どもは、以下の場合に日本国籍を取得できます
- 出生前に父親が胎児認知していた場合
- 出生後に認知され、父母が婚姻した場合
- 出生後に認知され、家庭裁判所で日本国籍取得の許可を得た場合(国籍法第3条による国籍取得)
手続き③ 在留資格取得許可申請
両親がともに外国籍の場合、日本で生まれた子どもが日本に60日以上滞在するためには、在留資格が必要です。子どもの出生後30日以内に出入国在留管理局(入管)へ「在留資格取得許可申請」を行う必要があります。
申請期限
出生日から30日以内
この期限を過ぎると子どもは不法滞在状態となり、在留特別許可申請が必要になります。
申請先
居住地を管轄する地方出入国在留管理局または出張所
必要書類
- 在留資格取得許可申請書(入管のウェブサイトからダウンロード可能)
- 出生届受理証明書または出生届記載事項証明書
- 子どもを含む世帯全員の住民票(続柄の記載があるもの)
- 親の在留カード(両面コピー)
- 親の在留資格を証明する資料(就労証明書、在学証明書など)
- 親の収入を証明する資料(源泉徴収票、課税証明書など)
- 親子関係を証明する資料(出生証明書など)
- 申請理由書(任意様式)
【2025年5月最新情報】オンライン申請が可能に
2025年から在留資格取得許可申請のオンラインシステムが改良され、子どもの在留資格取得申請もオンラインで行えるようになりました。利用には事前登録が必要です。詳細は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。
子どもが取得できる在留資格
親の在留資格 | 子どもが取得できる在留資格 | 備考 |
---|---|---|
永住者 | 定住者 | 出生後に永住申請も検討可 |
日本人の配偶者等 | 定住者 | 日本人の実子は日本国籍取得可能 |
永住者の配偶者等 | 定住者 | - |
定住者 | 定住者 | - |
就労資格(技術・人文知識・国際業務等) | 家族滞在 | 親の在留期間に準じる |
留学 | 特定活動 | 個別審査 |
重要事項(2025年4月改定)
2025年4月1日から在留資格に関する手数料が改定されています。ただし、子どもの在留資格取得許可申請は引き続き無料です。詳細については出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。
日本人と外国人の間に生まれた子ども(国際結婚)の場合
日本人と外国人の間に生まれた子どもは、基本的には出生により日本国籍を取得します。この場合、在留資格申請は不要ですが、以下の点に注意が必要です。
対応が必要な手続き
- 出生届の提出
出生日から14日以内に市区町村役場に提出。子どもは日本国籍を取得します。
- 外国籍の親の国への出生届(任意)
外国籍の親の国の国籍も取得したい場合は、その国の大使館・領事館でも手続きが必要です。手続方法・期限は国によって異なります。
- 二重国籍に関する対応
日本と外国の二重国籍となった場合、22歳までに国籍選択をする必要があります。
国籍選択について
法律上は22歳までに国籍選択が必要ですが、現実の運用では、国籍選択をしないことによって日本国籍を自動的に失うということはありません。ただし、今後の法改正によって運用が変わる可能性もあるため、専門家への相談をお勧めします。
未婚の日本人父と外国人母の場合の注意点
婚姻関係にない日本人の父と外国人母との間に生まれた子どもの場合、出生時に日本国籍を取得するには、出生前に父親による胎児認知が必要です。出生後の認知では、原則として日本国籍は取得できませんが、一定の条件を満たした場合に国籍取得の届出(国籍法第3条)が可能になります。
よくある質問と回答
Q1. 出生届の提出期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
A. 出生届の提出期限(国内出生は14日以内、海外出生は3ヶ月以内)を過ぎると、5万円以下の過料が科される可能性があります。ただし、できるだけ早く提出すれば、通常は罰則が適用されることはまれです。期限を過ぎた場合も必ず届出を行いましょう。
Q2. 在留資格取得許可申請の30日の期限を過ぎてしまったらどうなりますか?
A. 30日を過ぎると子どもは不法滞在状態となります。この場合、通常の在留資格取得許可申請ではなく、在留特別許可申請が必要となり、手続きが複雑になります。また、審査も厳しくなる可能性があります。期限内の申請が非常に重要です。
Q3. 外国籍の親が「短期滞在」ビザの場合、子どもはどうなりますか?
A. 親が短期滞在ビザの場合、子どもに長期の在留資格を取得させることは難しいです。基本的には親と一緒に出国することが求められます。特別な事情がある場合は、入管に相談するか専門家にアドバイスを求めることをお勧めします。
Q4. 二重国籍の子どもが22歳までに国籍選択をしなかった場合はどうなりますか?
A. 法律上は日本国籍を失う可能性がありますが、2025年5月現在の運用では、国籍選択をしないことで自動的に日本国籍を失うことはありません。ただし、将来的に運用が変わる可能性もあるため、状況に応じて対応を検討することをお勧めします。
Q5. 出生届を提出する際、外国人の名前をどのように記入すればよいですか?
A. 外国人の名前は通常、在留カードに記載されているとおりにカタカナで記入します。ただし、漢字圏(中国、韓国など)の方は、本国の漢字表記も使用できる場合があります。詳細は市区町村役場に確認することをお勧めします。
Q6. オンラインでの在留資格取得許可申請はどのように行いますか?
A. 2025年から利用可能になったオンライン申請システムを利用するには、まず出入国在留管理庁のウェブサイトで電子届出システムに登録する必要があります。その後、必要書類をPDFでアップロードして申請します。オンライン申請後も、審査結果の受け取りのために一度入管に出向く必要がある場合があります。
まとめ:手続きを円滑に進めるためのポイント
- 期限を必ず守る:出生届(14日以内)、在留資格申請(30日以内)の期限は厳守しましょう。
- 必要書類を事前に確認:各手続きに必要な書類を事前に確認し、準備しておきましょう。
- 証明書類は余分に取得:出生届受理証明書など、後の手続きで必要になる書類は複数部取得しておくと便利です。
- 在留カードの期限確認:親の在留期限が近い場合は、子どもの申請と同時に更新申請も検討しましょう。
- オンライン申請の活用:2025年から拡充されたオンライン申請システムを活用すると、手続きが効率化できます。
- 専門家への相談:複雑なケースや不明点がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
子どもが生まれることは喜ばしいことですが、その後の行政手続きは複雑で、期限や必要書類など気を付けるべき点が多くあります。特に外国籍の方や国際結婚カップルの場合は、一般的な日本人家庭とは異なる手続きが必要になります。
期限内に適切な手続きを行うことで、子どもの法的地位を確保し、将来のトラブルを防ぐことができます。不明点や心配事がある場合は、お気軽に当事務所にご相談ください。経験豊富な行政書士が、あなたの状況に合わせたアドバイスと手続きのサポートを提供いたします。
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